73式大型トラック
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73式大型トラックは、陸上自衛隊で使用されている輸送車両である。製作はいすゞ自動車である。 1973年より調達開始。 なお、平成13年度以降は3 1/2tトラックとして調達されている。
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[編集] 概要
73式3 1/2t大型トラックは人員及び物資輸送等に用いられる汎用トラックで、陸上自衛隊で最も多く配備されている車輌である。通称3t半（さんとんはん）。なお、「73式」と言われているが、実際には防衛庁に制式化されておらず、平成13年度以降の納入車から「3 1/2tトラック」に変更された。3 1/2tとは標準積載量で、悪路走行時や慎重な取り扱いを要する物品等を積載している場合の上限重量であり、これとは別に平地等を走行する場合に適応される最大積載量という数値も設定されている。陸上自衛隊の車両呼称に重量が採用されている場合、すべて標準積載量である。この車輌には初期型、改良型、新型と基本設計の大きく異なる3種類が有る。それぞれの特徴は以下に示す。
[編集] 歴史
- 初期型(SKW-440～441) : 1973年から配備された基本タイプ。旧型は前面に切れ込みが入っていてラジエーターがむき出しになっている。このタイプの特徴はミッションがフルシンクロ化されておらず、3～5速のみシンクロ化されている。よって1→2速への増速および3→2→1速への減速はダブルクラッチ操作が必要。フロントハブは手動ロック式で前輪駆動を入れるときは下車して操作しなければならない。（ミッションとシフトレバーは直結している）フロントガラスのワイパーは上部吊り下げ式で4本。またフロントのナンバープレートはラジエーターのスリットとグリルの間に位置する。
- 改良型(SKW-462～464) : 1987年から配備された。変更点はキャビンの大型化、エンジンの出力増強、ハブの遊星ギヤ化など（5速マニュアルだがシフトレバーは直結でなくコネクタによる間接接続。コネクタ部分が変形しやすく人がコネクタ部分の上に乗るだけで変形し接続が悪くなる。変速時一部の車両は変速にコツが必要。特に2速から3速への変速はニュートラル後若干左に寄せるように変速すると入りやすい）なおSKW-464にはABSが装備されスロットルもドライブ・バイ・ワイヤに変更されている。フロントガラスのワイパーは下部3本。フロントのナンバープレートはグリル右側に位置する。タイヤはバイアスからラジアルに変更された。
- 新型(SKW-475,476) : 1999年から配備された。変更点はキャビンの形状、エンジンの出力増強とそれに伴う最高速度の上昇・変速機を6速オートマチックへ変更すると同時にフルタイム6WD化。なおSKW-476はエンジンが直列6気筒ターボに変更されている。
マニュアル車が苦手な若い隊員も、不整地で走行不能になることが少なくなった。ただし、演習場内での低速走行や冬季間の牽引時の走行及び燃費の悪化（旧型リッター5-7キロに対し新型は2キロ前後）や変速ショックの増大など、イージードライブ化の代償もある。
なお、各師団自動車教習所向けの教習車両には改良型(SKW-462～464)方式のＭＴ車が導入され北海道および東北方面隊区内部隊には冬期間の牽引時の問題もあり、変速ショック・燃費悪化・発進時のアクセルべた踏みでなければ発進できないなどの問題が報告され現有のＡＴ仕様の見直しに伴い、近い将来より6速マニュアル車が配備予定とのことである（現役隊員の証言）。しかし2005年度（平成17年度）の北方納入車両については教習車両を除いてAT仕様が部隊に交付されている。）
これ以外にも、いすゞ製民間用トラックをベースにしている為、主として排ガス対策で年度によって細部が変更されている。（平成17年度納入車からはエンジンがV型8気筒から直列6気筒に変更）
[編集] 派生型
- 3トン半ダンプ
- 軽レッカ
- 道路障害作業車
- 短SAM搭載車
- 3トン半燃料タンク車
- 3トン半航空用燃料タンク車
- 3トン半水タンク車
- 除染車
- 生物偵察車
- フロントウィンチ付車
- シェルター車
- 有蓋車 - 幌ではなく、他の装備の電源装置などを搭載するための車両。
- 作業機付き車 - 73式大型トラックに作業用のクレーンが追加で装着されたもの。
- ロング車 - 通常の73式大型トラックより全長が1000mmほど延長されている。
- 対空戦闘指揮装置用車 - 対空戦闘指揮装置を搭載するための専用車で、アオリのデザインが変更され、全長も通常より500mmほど延長されている。
[編集] 諸元・性能
| 形式 | 全長 | 全幅 | 全高 | 車両重量 | 積載量 | エンジン | 出力 | 最高速度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期型 | 7,030mm | 2,485mm | 3,080mm | 7,980kg | 路外3.5t 路上6.0t 人員22名 |
いすゞ製 水冷V型8気筒ディーゼル |
240ps | 95km/h |
| 改良型 | 8,130mm | 2,470mm | ||||||
| 新型 | 7,150mm | 2,485mm | 8,570kg | 285ps | 105km/h |
[編集] 登場作品
- 平成ゴジラシリーズ
- 機動警察パトレイバー旧OVA
- 機動警察パトレイバー 2 the Movie - 劇場版第３作にも登場。
- 平成ガメラ３部作
- クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦
- ミレニアムゴジラシリーズ - 陸上自衛隊だけではなく、日本国防衛軍や特生自衛隊としても登場。
- 宣戦布告
- 戦国自衛隊1549 - 人工磁場シールド発生装置の輸送車両として登場。
- 亡国のイージス - 映画版で登場。
- MEMORIES - 大友克洋監修のアニメ映画、『最臭兵器』に登場。
- 『ULTRAMAN』、『最終兵器彼女』等の様々な作品に登場。
[編集] 参考文献
- '88 自衛隊装備年鑑, 朝雲新聞社 ISBN 4-7509-1009-2
- 自衛隊装備年鑑 2005-2006, 朝雲新聞社 ISBN 4-7509-1026-0
