鵜殿駅
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鵜殿駅(うどのえき)は、三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿にある東海旅客鉄道(JR東海)・日本貨物鉄道(JR貨物)紀勢本線の駅である。当駅から新宮方面に進むとすぐに和歌山県であり三重県では最南端かつ最西端の駅となっている。2006年1月まで日本で一番面積の小さい村で紀州製紙の企業城下町であった旧・鵜殿村の代表駅。
また、日本貨物鉄道(JR貨物)の貨物取扱駅である。
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[編集] 駅構造
- 島式ホーム1面2線をもち列車同士の行き違いも可能な地上駅である。構内は広く側線が多数あり貨物のための機関車などが駐留している。駅舎からホームまでは構内を平面横断するのだが構内が広いためその距離は少し長い。平面横断の構内踏切には遮断機及び警報機がついている。
- 開業当初からの駅舎が残る。駅舎には待合所がありシャッターが閉まった状態で出札口や小荷物台などがいまだに残っている。駅の事務室はまだ生きており貨物の取り扱いを行う人々の休憩室として利用されているが切符などの販売はない。
- 無人駅である。駅員はいない。自動券売機や自動改札、乗車駅証明書発行機などの設置もない。
- 紀州製紙紀伊工場への専用線が当駅から延びている。当駅の構内が広いのも紀州製紙の貨物を扱うためである。
[編集] 駅周辺
この駅は紀宝町鵜殿の中心部から見て北東のはずれに位置し、紀宝町役場までへも少し歩かねばならないが、それでも駅前は大変にぎやかであり商店などが軒を連ねている。駅を出て駅前の国道を右に折れると当駅から分岐する紀州製紙への専用線の踏み切りにあたる。そこを左に行くと紀州製紙の工場や鵜殿の港へ、まっすぐ行くと鵜殿地区の中心部に行くことが出来る。
専用線の踏み切りは手動であり、一日一往復の貨物列車が通るときのみ係員がやってきて踏切を操作して遮断機を閉める。紀勢本線新宮方面の列車はこの駅を出るとこの貨物線を左にわけて、やがて三重県と和歌山県の境をなす熊野川を渡る。するともうそこは和歌山県新宮市の市街地で、すぐその新宮市の代表駅たる新宮駅に到着することとなる。熊野川を渡ってから新宮駅につくまでの間がJR東海で唯一和歌山県内にある区間となる。
- 紀宝町役場(旧・鵜殿村役場)
- 紀宝警察署(旧・鵜殿警察署)
- 紀宝町立鵜殿小学校
- 紀州製紙工場
- 鵜殿港
- 鵜殿郵便局
- 紀宝町立鵜殿図書館
- 熊野市消防署紀宝鵜殿分署
[編集] 歴史
この駅は昭和15年8月、国鉄紀勢西線の新宮駅から紀伊木本駅(現在の熊野市駅)の開通により国鉄紀勢西線の鵜殿駅(うどのえき)として開業した。その後当駅は昭和34年、今の紀勢本線が全通し亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となったのを受け国鉄紀勢本線の駅となり、さらに国鉄の分割民営化を経て現在に至っている。
- 1940年(昭和15年)8月8日 - 紀勢西線の新宮駅から紀伊木本駅(現在の熊野市駅)の開通に伴い国鉄紀勢西線の鵜殿駅として開業する。
- 1959年(昭和34年)7月15日 - 三木里駅・新鹿駅間の開通を持って現在の紀勢本線が全通し新たに亀山駅と和歌山駅(現在の紀和駅)の間が紀勢本線となり、当駅も国鉄紀勢本線の駅となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄の分割民営化により当駅も東海旅客鉄道紀勢本線の駅となる。