飯盛女
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飯盛女 (めしもりおんな) は江戸時代の宿場にいた、奉公人という名目で半ば黙認されていた私娼。
全ての飯盛り女が売春をしたわけではなく、単純に現在の仲居と同じ内容の仕事に従事しているものも存在した。 17世紀に宿駅が設置されて以降、交通量の増大とともに旅籠屋が発達した。これらの宿は旅人のために給仕をする下女を置いた。もともと遊女を置いていたのを幕府の規制をすり抜けるために飯盛女と称したとも、給仕をする下女が宿駅間の競争の激化とともに売春を行うようになったとも言われる。当時無償の公役や競争激化により宿駅は財政難であり、客集めの目玉として飯盛女の黙認を再三幕府に求めた。一方、当初は公娼制度を敷き私娼を厳格に取り締まっていた幕府も、公儀への差し障りを案じて飯売女を黙認せざるを得なくなった。しかし各宿屋における人数を制限するなどの処置を取り、無限の拡大を防いだ。
現在の旅館の仲居とは全く異なる職業であることは記しておく必要があろう。
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