風水
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風水(ふうすい)は、古代中国の思想で、都市、住居、建物、墓などの位置を決定するために用いられてきた。気の流れを物の位置で制御する思想。堪輿(かんよ)ともいう。風水では都市や住居(すなわち生者の居住空間)を陽宅(ようたく)、墓(すなわち死者の居住空間)を陰宅(いんたく)と呼んで区別している。
古代からの相宅や相墓といった占いの技術が陰陽五行説に基づきつつ総合されて成立した。 風水は大別すると、巒頭(らんとう)と理気(りき)に別れる。 巒頭は、その土地の気の勢いや質を地形等の形成を目で見える有形のもので判断する方法であり、形法、形勢派、巒体派などとも呼ばれる。一方、理気は陰陽五行や八卦、易理(易)、方位など目に見えないもので判断する方法であり、理法、理気派、屋宅派などとも呼ばれる。
ちなみに、現代科学における風水は地磁気と人との関係を追究している。
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[編集] 名称
風水という名称は、晋の郭璞の著作という『葬書』(成立は唐代か)に「気乗風則散 界水則止 古人聚之使不散 行之使有止 故謂之風水」 気は風に乗れば則ち散り、水に界せられば則ち止る。古人はこれを聚めて散らせしめず、これを行かせて止るを有らしむ。故にこれを風水と謂う と定義されている。
[編集] 理論
形法風水では、大地における気の流れを重視し、龍脈からの気の流れが阻害されておらず、運ばれてきた気が溜まり場になっているような土地に都市や住宅を建造しなければならないとする。そうすることによってその地方や一家に優秀な人材が輩出され、冨にも恵まれると考えた。陰宅すなわち墳墓も同様であり、祖先がいる場所が子孫に影響を与えるとし、土地がよければ子孫は繁栄し、悪ければ没落すると考えられている。
一方、理気風水では、方位の吉凶を重視し、個々人の生年月日によって決定される方位の吉凶にもとづき住居や墓の方位、住居内の配置などを決める。
[編集] 易と風水
風水の伝説では周易以前には帰蔵易(歸藏易)(殷王朝の易)、連山易(夏の易)があったとされ、風水の道具、羅盤などに使用されている。また使用する道具の八卦鏡に先天図が使用される。
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その違いは八卦を配列する方法の違いであり変化させたものが周易である。また卦に河図洛書と関わる数字を当てた場合、帰蔵図は魔方陣になる。
連山易は乾坤を除いた次のように六芒星(ヘキサグラム)に配列したものであるとの説がある。
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兌 |
[編集] 関連リンク
[編集] 本命卦
人間が生まれ持った運勢で、全部で乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤の八つ。 人間は生まれた日付により、この八つの運命を持っている。易経に基礎を置く。 この属性により生まれながらの吉方位、凶方位を知ることができる。
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[編集] 風水用語
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 関連書
- 三浦国雄 『風水講義』文藝春秋 2006年 ISBN 4166604880
- 何曉听 訳 宮崎順子『風水探源』中国風水の歴史と実際 人文書院 ISBN 4409410601