音声通話定額制
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音声通話定額制(おんせいつうわていがくせい)とは、電話の本来の機能である音声通話の際に、従量制によらず、いくら話しても同額(話し放題)になる料金制度である。日本国内では長い間もっぱら通話時間による従量課金であったので、注目された。日本以外の国では、市内通話については基本料金に含まれるとする国も多く、たとえばアメリカ合衆国ではそのことがブロードバンドの必要性を低くし、その普及を遅らせたと言われる。
日本国内では、2006年11月現在、IP電話および携帯電話・PHSの一部事業者においてのみ提供中である。
なお、この記事においては電気通信事業としての電話についてのみ扱う。元来通話料が適用されないインターネット電話等(VoIP)は、それらの項目を参照のこと。
また、一部携帯電話におけるプッシュ・ツー・トークの通話定額制についても同項を参照のこと。
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[編集] 日本国内でのサービス
[編集] 固定電話
2006年10月時点で、日本国内の固定電話サービス(IP電話を除く)のうち、音声通話定額制サービスを提供していたのは、ソフトバンクテレコム(平成電電から事業譲渡)の直収電話サービス・CHOKKAのみであったが、同年10月31日をもって廃止された。
(※なお、NTT東西においても「テレホーダイ」と言う、深夜時間帯に限った定額制サービスが以前から提供されてはいるが、この記事においては対象外として扱う。)
CHOKKAの場合、一定額のオプション料金(追加料金)により定額制サービス「かけ放題」が利用できた。ただし、定額制が適用されるのは、CHOKKAユーザー同士の通話に限られていた。
(なお以前は、1ヶ月合計60時間まで、相手先が事前登録済の5番号まで(それ以上はさらに追加料金必要)などの制限があったが、2004年3月5日以降はこれらの制限が解除された新サービスが提供されていた。)
平成電電の経営破綻、ソフトバンクテレコムへの事業譲渡により、CHOKKAサービスは新規申込停止となり、2006年10月31日でサービス終了した。参照
CHOKKA契約者はソフトバンクテレコムの「おとくライン」に契約移行されるが、「かけ放題」サービスは廃止された。参照
直収電話の記事も参照のこと。
[編集] IP電話
IP電話の記事を参照のこと。
[編集] 携帯電話・PHS
ウィルコムは連続通話時間に、KDDIは連続通話時間および月間の合計通話時間に制限がある[要出典]が、ソフトバンクモバイルにおいてはいくつかの種類の通話定額サービスがあり、それぞれにおいて制限が異なる。また携帯電話会社での通話定額制プランは法人向けが中心である。
[編集] ウィルコム
ウィルコムの場合、「基本料金プラン」の一つである「ウィルコム定額プラン」としての音声通話定額制サービスが2005年5月1日より提供されている。なお、ウィルコム定額プランのためのパケット定額オプションも別にある。
定額制の適用対象通話は、当初、ウィルコム(ウィルコム沖縄を含む。以下同)のPHSユーザー同士の通話に限られていたが、2006年10月20日より、ウィルコムから他社PHSに掛けた場合も定額対象に加えられた。これにより、全PHS・070番号への通話が全て定額制対象となった。
ウィルコムは公式発表で、定額制適用対象への2時間45分以上の連続通話に関しては「従量課金」対象とし、また16時間以上の通話に関しては「ネットワーク側で切断」を行う可能性があるとしている。ただし、これは連続通話時間であるので、一度切ってかけ直せばよい。また、定額制適用対象に関して、合計通話時間の制限や、通話相手を限定すると言う制限は現在もない。
※ なお、音声通話定額制サービス対象の「ウィルコム定額プラン」でパケット定額制となるオプション「リアルインターネットプラス」が2005年7月1日より開始された。
- ウィルコム定額プラン
- 月額2900円(基本使用料含む)で、全PHSへの通話とウィルコムドメインでのメール送受信が定額で利用できる。ウィルコムドメイン以外のメールアドレスでの送受信はパケット課金対象となる。また、上記のように連続通話時間には制約がある。
[編集] ソフトバンクモバイル
ソフトバンクモバイルにおいて、音声通話定額制が適用されるのは、ソフトバンクモバイルユーザー同士の通話である条件のほかに、種々の条件(オプション)がある。
- 家族通話定額
- 「家族割引」加入者で且つ月額315円のオプション加入者を対象に、同一の家族割引サービス対象回線への発信が定額となる。プリペイド以外のすべての携帯電話において加入できる。ただし、SoftBank 3G対応機種でのテレビ電話サービスおよび国際ローミングサービスによる通話は対象外となる。
- LOVE定額
- 月額315円のオプション加入によって、ソフトバンク回線の1つの電話番号に対する通話が定額となる。なお、テレビ電話による通話は定額制が適用されず、半額になるのみである。また、指定した相手へのメール送信・相手からのメール受信についてもスーパーメール以外のメールサービスは定額の対象になる。
- ソフトバンクモバイルオフィス(通称:社員間通話定額)
- 2004年12月1日開始。登録した特定グループ(オンネットグループ)の第三世代携帯電話(SoftBank 3G)に限り、同社携帯電話間や、携帯電話→固定電話について音声通話定額制を適用。
[編集] KDDI
au by KDDIにおいては、法人向けの定額通話制を提供している。
- OFFICE WISE
- 登録した特定の携帯電話に限り、同社携帯電話間による法人等内での内線通話に通話定額制を適用。
- ビジネス通話定額
[編集] NTTドコモ
- OFFICEED
[編集] 各キャリア別トータルコストの比較
[編集] 一般向けプラン
キャリア | 料金 プラン |
ウェブ 使用料 |
定額 オプション |
合計 | 割引適用後 (年間契約・初年度) |
無料 通話分 |
実質 基本料金 |
定額 通話先 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ウィルコム | 2,900円(2台目以降は2,200円) (ウィルコム定額プラン) |
0.021円 /パケット |
0円 | 2,900円 | [1] 2,900円 (各種割引は適用不可) |
0円 | 2,900円 | 全てのPHS回線 |
ソフトバンクモバイル | 9600円 (ゴールドプラン) |
0.21円 /パケット (SoftBank 3G) |
0円 | 9600円 | 2880円 (予想外割) |
0円 |
2880円 | すべてのソフトバンクモバイル携帯電話回線 21:00から24:59までの深夜時間帯は累計200分/月 まで |
ソフトバンクモバイル | 3,675円(2台目以降(副回線)は半額) (ライトコールパック) |
0.21円 /パケット (SoftBank 3G) |
315円 (LOVE定額) |
3,990円 | 3,438.75円 (スーパーボーナス初年度+LOVE定額時) |
1050円(副回線は525円) (最大通話25分(副回線は12.5分)) |
2,388.75円 | ソフトバンクモバイルの設定1回線 |
[編集] 法人向けプラン
キャリア | 料金 プラン |
ウェブ 使用料 |
定額 オプション |
合計 | 割引適用後 (年間契約・初年度) |
無料 通話分 |
実質 基本料金 |
定額 通話先 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ウィルコム | 2,200円 (法人向けウィルコム定額プラン) |
0.021円 /パケット |
0円 | 2,900円 | [2] 2,200円 (法人割引)[3] |
0円 | 2,200円 | 全てのPHS回線+「音声定額 on PBX[4]」PBX回線 |
ソフトバンクモバイル | 5,460円 (ソフトバンクモバイルオフィス) |
0.21円 /パケット |
0円 | 5,460円 | 3,822円(法人特別割引初年度+法人割引) |
0円 | 3,822円 | オンネットグループに指定した回線 (下限2回線・上限なし) |
au (CDMA 1X WINの場合) |
9,765円 (ビジネス通話定額-CDMA 1X WIN プランMを含んだコース) |
0.21円 /パケット |
0円 |
9,762円 | 8,300.25円 (年割初年度) |
4,252円 (最大通話最大約150分) |
4,048.25円 | グループに指定した回線 (下限10回線・上限299回線) |
[編集] 日本国外でのサービス
北米を中心にプッシュ・ツー・トークサービスで通話定額制が導入されている。
[編集] 関連項目
- Fixed Mobile Convergence
- 平成電電
- 直収電話
- IP電話
- ウィルコム
- ソフトバンク4つの定額
- [一般向け] デュアルパケット定額/メール定額/家族通話定額/LOVE定額
- [法人向け] 社員間通話定額
- 携帯電話・PHSの定額制サービス
[編集] 外部リンク
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