雷電 (シューティングゲーム)
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『雷電』(らいでん)は、1990年にセイブ開発が発売したアーケードゲーム、並びにその後継シリーズの総称である。ジャンルは縦スクロールシューティングゲーム。本記事では主に、1990年制作の第1作『雷電』、1993年制作の第2作『雷電II』、1994年制作の第3作『雷電DX』について述べる。
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[編集] 概要
第1作の発売当初は、その特徴の少なさからゲーマーの評価は低かった。しかし時間が経つにつれ、癖がなく遊びやすい内容と、プレイし続けることで確実に上達を見込める丁寧なゲーム設計により、初心者からマニアまで非常に幅広い層から人気を集めていった。最終的にはロングランヒット作品となっており、1990年代において、最もヒットしたシューティングの一つでもある。続編も同じく好評を博し、現在でもファンの間における本シリーズの評判は高い。
[編集] 解説
本作のゲームシステムは、『究極タイガー』を始めとする東亜プランの縦スクロールシューティングとほぼ同じものである(これは、「TWIN COBRA」(海外版究極タイガー)等を制作参考資料にしていることが理由)。それまではこのような作品は、ゲーマーの間では「東亜系」と呼ばれていたが、本シリーズがヒットしてからは「雷電系」と呼ばれることが多くなり、同ジャンルのデファクトスタンダードに置き換わった様子も見られた。
[編集] 操作方法
8方向レバーと2ボタン(ショット、ボンバー)で自機「雷電」・「雷電II」(II・DX。尚、IIIでは「ファイティングサンダー」)を操作する。ボンバー型の縦スクロールシューティングである。2人同時プレイ可能。
[編集] メインウェポン
メインウェポンはそれぞれ8段階(雷電IIIは5段階)までパワーアップする。
- バルカン(赤)
- 初期装備。自機前方に扇状に弾丸を撃ち出す。パワーアップにより、最大で前方の7方向にまで攻撃できるようになる。
- 弾丸一発あたりの威力は低いが、至近距離から全弾撃ちこむことで驚異的な攻撃力を発揮する。
- レーザー(青)
- 自機正面に、レーザーを発射する。パワーアップしていくとレーザーの本数が増え、幅が広くなる。
- バルカンに比べ攻撃判定は非常に狭いが、破壊力が高いためボスや硬い敵機相手に重宝する。
- プラズマレーザー(紫)
- II、DXに登場。連射しているとレーザーの性質が変化し、敵を捕捉しダメージを与え続けることができるようになる。
- 扱いやすいが、バルカン・レーザーに比べて威力が弱いため、ボス戦では長期戦になりがちである。
- プロトンレーザー(緑)
- IIIに登場。左右に振る事で攻撃力が増加し、最大で通常の20倍に達する。IIIのメインウェポンで唯一貫通性能がある。
- 外見や動作は上記のプラズマレーザーと似ているが、性能は全く違う。
上記メインウェポン4種の特殊効果として、2人同時プレイ時に味方機にメインショットを当てると、攻撃力のある火花が飛び散る。
[編集] サブウェポン
サブウェポンはそれぞれ4段階(『雷電III』は3段階)までパワーアップする。
- ニュークリアミサイル「M」(黄)
- 自機の前方へ突き進むミサイルを発射。敵機に接触すると爆発し、ダメージを与える。
- パワーアップすると、弾数、爆風の大きさ、威力が強化される。
- ホーミングミサイル「H」(緑)
- 敵機を自動追尾するミサイルを発射。パワーアップすると弾数が増え、スピードも上がる。
- 初期段階では性能が低く使いづらいが、パワーアップを重ねることで使い勝手が飛躍的に高まる。
- レーダーミサイル「R」(紫)
- IIIに登場。ニュークリアとホーミングの中間の性能がある。前方の敵機のみ追尾。
[編集] ボンバー
アイテムを取得することで、ボンバーの数を1つ追加する。最大ストックは7個。最大数所持中に取ると5,000点のボーナス。
II、DXでは、同一種のボンバーを最大数まで所持している時に更に同種のボンバーを取得すると、50,000点のボーナスになる。
- ボンバー(赤)
- 敵弾を消し去るボンバーを発射。攻撃力は高いが、射出から爆発まで大きなタイムラグがあるため、緊急回避には向かない。
- 拡散ボンバー(黄)
- II、DXに登場。自機の周囲に無数の小型ボンバーを発射。通常のボンバーと異なり、射出直後から攻撃・消弾判定があるため、緊急回避に用いることが可能。ただし、威力は低い。
[編集] その他アイテム
- 勲章
- 地面の特定の施設・敵を破壊すると出現。取得すると300点(初代)、または500点(II)のボーナス。
- 雷電DXでは、出現と共に徐々に色がくすんでいき、得点も下がってゆく。完全に色がくすむと一瞬だけ光り、その時に取ると3,000点になる。
- 青勲章
- II、DXに登場。IIでは3,000点。DXでは、通常の勲章と同じく徐々に色がくすんでいき、くすみきってから一瞬だけ光った時に取ると10,000点になる。
- ミクラス
- 勲章の出現する個所にて、まれに勲章の代わりに出現する怪獣。初代では3000点、IIでは10,000点。
- DXでは、動きを停止した後再び動き出す瞬間に取ると、50,000点のボーナスになる。また、黄・青勲章を最高得点で3回取れば、次は必ずミクラスが出る。
- 1UP
- 一定条件を満たしている場合に限り、特定の場所に出現。残機が1つ増える。
- フルパワー(P)
- 一定条件下で出現。取得すると、現在装備中の武器が一気に最強段階にまでパワーアップする。
- フルパワー状態で取ると10,000点ボーナス。
- フェアリー
- 特定の場所にショットを撃ち込み続けると出現。取得すると10,000点のボーナスになる他、ミスして復活した直後には複数のアイテムをばら撒いてくれる。
[編集] 続編
第1作のシステム・雰囲気を踏襲した『雷電』シリーズと、スピーディーなゲーム展開を目指した派生作『ライデンファイターズ』シリーズがある。
- 新要素を盛り込んだ続編。操作感覚や基本的なステージ構成は前作とほとんど変わらない。緻密で美しいグラフィックで話題になったが、序盤から難易度が高く、ゲームバランスという点では、他シリーズに比べ若干プレイヤーを選ぶ。
- 雷電IIのゲームバランスを調整し、ゲームを3つのコース(練習・初級・上級)から選択できるようにした、いわばバージョンアップ作品。数々のボーナス要素・隠しフィーチャーが盛り込まれており、シリーズ屈指の完成度を誇るとも言われている。
- ライデン(雷電)の名を冠しているが、ゲームの展開が早く、新機軸(スタート時に複数機の中から自機を選択、オプション機(SLAVE)の追加など)も盛り込まれており、従来のシリーズとは雰囲気が大分異なる。元々は、雷電シリーズとは関係ない別作品として開発されており、雷電シリーズの自機は後に追加されたもので、しかも隠しキャラ扱いとなっていた。
- 選択できる自機の数が、シリーズ最多の17機(隠し機体含む)に増えた。ステージ構成も、一部を除き新しくなっている。ノーマル、エキスパート、スペシャル(ボスと連続して戦う)の三つのコースから選ぶことができる。
- 基本的なシステムは前2作と変わりないが、ステージのルート分岐があり、また勲章の育成システムが大きく変更されているなど、プレイ感覚が若干異なる。自機は16機(隠し機体含む)から選択。2と同じくノーマル、エキスパート、スペシャルの三つのコースから選ぶことができる。
- 描画にポリゴンを採用した最新作。グラフィックや演出は大きくパワーアップしたが、基本的な操作感覚は従来の『雷電』シリーズとあまり変わらない。パワーアップが前作までと比べて易しくなっている。全7面。
- 雷電IV(アーケード)
- シリーズ最新作。2006年7月22日・23日及び10月14日~16日に、ゲームセンターでロケーションテストが行われた。
また、直接的な続編・関連作ではないが、『雷電』シリーズからの単発派生作として『バイパーフェイズ1』(1995年アーケード)がある。
[編集] 移植
- 雷電
- 雷電III
- 雷電III(2005年 プレイステーション2 モス制作、タイトー販売)
- 雷電III(2005年 Microsoft Windows モス制作、サイバーフロント販売)
ライデンファイターズシリーズの他機種への移植は、一切行われていない。セガサターンやXBOX、Windowsへの移植計画はあったが、頓挫している。