酒石酸ビノレルビン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
医療情報に関する注意:ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。 |
酒石酸ビノレルビン
|
|
IUPAC命名法による物質名 | |
(+)-Methyl(3aR,4R,5S,5aR,10bR,13aR)
-4-acetoxy-3a-ethyl-9-[(2R,6R,8S)-4-ethyl-1,3,6,7,8,9 -hexahydro-8-methoxycarbonyl-2,6-methano-2H -azecino[4,3-b]indol-8-yl]-5-hydroxy-8-methoxy-6-methyl -3a,4,5,5a,6,11,12,13a-octahydro-1H -indolizino[8,1-cd]carbazole-5-carboxylate ditartrate |
|
識別 | |
CAS登録番号 | 71486-22-1 |
ATCコード | L01CA04 |
PubChem | 60780 |
化学的データ | |
化学式 | C45H54N4O8・2C4H6O6 |
分子量 | 1079.11 |
薬物動態的データ | |
生物学的利用能 | - |
血漿タンパク結合 | 88~89% |
代謝 | 肝臓(CYP3A4) |
半減期 | 22.2~32.5時間 |
排泄 | 尿(5.8~12.4%)及び糞中 |
Therapeutic considerations | |
胎児危険度分類 |
D(米国) |
Legal status | |
投与方法 | 点滴静注 |
酒石酸ビノレルビン(しゅせきさんー、Vinorelbine ditartrate)とは、フランスの製薬会社であるピエールファーブルメディカメンで開発された植物由来のビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)。商品名はナベルビン注(販売:協和発酵工業株式会社)。VNRの略号で表されることがある。
目次 |
[編集] 効果・効能
- 手術不能又は再発乳癌
- 本剤の術前・術後化学療法における有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
- 本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤による化学療法後の増悪若しくは再発例を対象とすること。
- 初回化学療法における本剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、有効性及び安全性は確立していない。
- 非小細胞肺癌
[編集] 重大な副作用
骨髄機能抑制、間質性肺炎、肺水腫(0.1%未満)、気管支痙攣(0.1%未満)、麻痺性イレウス、心不全、心筋梗塞(0.1%未満)、狭心症(0.1%未満)、ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状(0.1%未満)、肺塞栓症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、急性腎不全、急性膵炎(0.1%未満)。
[編集] 作用機序
有糸分裂微小管の構成蛋白質であるチューブリンに選択的に作用し、その重合を阻害することにより抗腫瘍効果を示す。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 参考資料
- 『ナベルビン®注10, 40』医薬品インタビューフォーム・2005年8月作成(協和発酵工業)