遠見塚古墳
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遠見塚古墳(とおみづかこふん) は仙台市若林区遠見塚にある前方後円墳である。古墳時代初期の4世紀末から5世紀初めに造られたと推定される。国の史跡。
仙台平野の中に立地し、国道4号仙台バイパスに面する。古墳のそばに集落遺跡があり、南小泉遺跡と呼ばれる。
広瀬川と名取川をはさんで南方10キロメートルには全長168メートルの雷神山古墳がある。遠見塚古墳と雷神山古墳は、宮城県最大の古墳であるとともに、大型前方後円墳の限界線に位置する古墳でもある。
全長110メートル、後円部径63メートル、前方部幅37メートル、後円部高さ6.5メートル、前方部高さ2.5メートル。周囲には濠がめぐらされていたが、その幅は一定ではない。東北地方で五番目の大きさである。内部には二つの粘土榔があり、中に木棺がおさめられた。葺石、埴輪はない。古墳の外から土師器がみつかっており、7世紀頃までこの場所で祭祀が行われたらしい。
古墳は、一時畑などに利用されていた時期もあった。第2次世界大戦後に日本を占領したアメリカ軍が、1947年に霞目飛行場拡張工事に使う土を取るために、後円部の半分を破壊した。1968年(昭和43年)に発掘調査が行われた。同年11月8日に国の史跡に指定され、公園として保存・整備された。隣に遠見塚小学校があり、出土品を保存する。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- 仙台市史編さん委員会『仙台市史』(通史編2 古代中世)、仙台市、2000年。
- 工藤雅樹『日本の古代遺跡15 宮城』、保育社、1984年。 ISBN 4586800151