道セン
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道璿(どうせん, 702年(長安2年) - 760年5月7日(天平宝字4年4月18日))は、中国唐代の僧。
洛陽大福先寺に住して定賓(じょうひん)に戒律を、北宗系の禅で第7祖とされる普寂に禅と華厳教学を学んだ。
入唐した僧栄叡(えいよう)・普照(ふしょう)の要請により、鑑真に先だち戒律を将来するために日本に招かれ、736年(開元24年, 天平8年)インド出身の僧菩提僊那・ベトナム出身の僧仏哲とともに来日する。
渡来後の道璿は、北宗禅を広めるため、大安寺に「禅院」を設置し、戒律では『梵網経疏』を撰した。また、天台宗にも精通してた。
後に、吉野の比蘇山寺に入り、修禅に精励し、山岳修験者にも少なからぬ影響を与えたとされる。
弟子には行表(722年 - 797年)らが出た。なお、行表は、最澄の師である。最澄の「四種相承」(天台・密教・禅宗・大乗戒)の思想は、道璿が伝えた玉泉天台(荊州玉泉寺の天台)の影響とされる。