軍事学
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[編集] 概要
軍事学とは軍事に関する戦略や戦術、兵器についての研究を行う学問。軍事学を研究した人物には孫武やカール・フォン・クラウゼヴィッツやマハンなどがいる。日本の防衛大学校では防衛学と呼ばれる。その系統は大きく自然科学的な分野における、軍事地形学、地理学、兵器学などがある。また社会科学的な分野においては一般理論の研究として、軍事力の造成に関する分野、戦略論、戦術論、リーダーシップ論などがある。また軍事史が含まれる場合もある。
[編集] 歴史
軍事に関する研究は古来から行われてきた。古代中国の戦略家であった孫子が先駆者であると考えられている。彼は戦略論、戦術論を総合的に自著で論じている。16世紀、マキャベリによって現実主義的な対外政策についての認識が広められ、また19世紀クラウゼヴィッツは戦略と戦術を明確に分類した。戦略論においては20世紀、リデル・ハートは間接アプローチや国家戦略の概念が確立され、また地政学や政治地理学の研究も進み軍事における地理学などの自然科学的な研究も行われるようになっていった。また戦術論においては第一次世界大戦の経験から従来の歩兵戦術理論が改良され、また第二次世界大戦を通じて部隊編成や、歩兵の自動車化、航空機の軍用化などが急速に進み、機動戦を中核とする戦術理論が米国海兵隊などによって再構築された。それに加えて21世紀においては兵器技術の高度化や、通信・情報処理技術などが大きく発展し、工学的な側面も非常に重要になっている。