リデル・ハート
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サー・バジル・ヘンリー・リデル・ハート(Sir Basil Henry Liddell Hart, 1895年10月31日-1970年1月29日)は、イギリスの軍事史家、戦略思想家。
間接アプローチや大戦略などの概念を提唱し、歩兵戦術の改善についても貢献したことで知られる。
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[編集] 経歴
1895年にパリのキリスト教徒の家庭に生まれ、ケンブリッジ大学で学ぶ。しかし第一次世界大戦が勃発したために英国陸軍の士官として1914年から入隊。二度、病気や負傷で本国に送還される。1916年にヨークシャー軽歩兵隊に入り、ソンムの戦いにも参加した。負傷でまた本国に送還され、持病の心臓発作などの理由で英国陸軍教育隊に配属されることとなる。1927年には退役し、執筆活動を開始する。1954年に『戦略論』を執筆し、近代における戦略思想に多大な影響を与える。1966年にはナイト称号が授与され、その4年後に死去した。
[編集] 著作(日本語訳)
[編集] 単著
- 『英帝国崩潰の真因――英国の防衛』(実業之日本社, 1940年)
- 『近代軍の再建』(岩波書店, 1944年)
- 『抑制か防衛か――西側軍事体制の新構想』(防衛研修所研究部, 1961年)
- 『解放の戦略――毛沢東とゲバラ』(番町書房, 1965年)
- 『戦略論――間接的アプローチ(上・下)』(原書房, 1971年/新装版, 1986年)
- 『覆面を剥いだ名将たち――統率の原理と実際』(原書房, 1972年)
- 『ナチス・ドイツ軍の内幕』(原書房, 1973年)
- 『ヒットラーと国防軍』(原書房, 1976年/新装版, 1980年)
- 『第一次世界大戦』(フジ出版社, 1976年/中央公論新社, 2000年)
- 『第二次世界大戦』(フジ出版社, 1978年/中央公論新社, 1999年)
- 『世界史の名将たち』(原書房, 1980年)
- 『第一次大戦――その戦略』(原書房, 1980年)
- 『ナポレオンの亡霊――戦略の誤用が歴史に与えた影響』(原書房, 1980年)
[編集] 編著
- 『ロンメル戦記――ドキュメント』(読売新聞社, 1971年)