蒼穹紅蓮隊
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蒼穹紅蓮隊 | |
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ジャンル | シューティング |
対応機種 | アーケード(ST-V)[AC] セガサターン[SS] プレイステーション[PS] |
開発元 | ライジング |
発売元 | AC:エイティング SS:エレクトロニック・アーツ・ビクター PS:データイースト |
人数 | 1~2人 |
メディア | AC:ロムカセット SS:CD-ROM PS:CD-ROM |
発売日 | AC:1996年 SS:1997年2月7日 PS:1997年12月25日 |
価格 | SS:5,800円 PS:5,800円 |
『蒼穹紅蓮隊』(そうきゅうぐれんたい)は1996年にライジングによって製作され、エイティングから発売されたアーケードゲームである。縦スクロールシューティングゲーム。全6面。キャッチコピーは「死角なし。」 日本国外でのタイトルはTerra Diver。
目次 |
[編集] 舞台
蒼穹紅蓮隊とは、人工衛星打上の請負等を主業務とする株式会社「尽星」の私兵部隊である。その名称は、部隊専用機体の形式略称(S.O.Q.)に由来する。 ライバル企業「八福星間開発公司」や火星開発の主導権を巡る中小企業連合との衝突による、企業間の私兵部隊同士の戦闘が本作の主題である。
蒼穹紅蓮隊の東京府上空(本作では東京「都」ではなく「府」となっている)での戦闘を、新聞が通常ニュースとして報じる描写があり、日常と戦場が接近したハードSFとしての側面も持っている。
[編集] ゲームシステム
8方向レバーと3ボタン(ショット、ウェブ切替、ボム)で自機を操作する。自機は「屠竜(とりゅう)」「紫電(しでん)」「鵬牙(ほうが)」の3種類から選択。それぞれ移動速度と攻撃方法が異なる。
[編集] N.A.L.S.
全方位照準固定システム(No Blindspot All range Laser System)、略してN.A.L.S.。ショットボタンを押しっぱなしにすることでウェブ(ワイヤーフレームで描かれた三次元シーカー)を展開し、ウェブ内に入った敵を捕捉、ボタンを離すと誘導弾を発射する。ウェブの展開形状と発射される弾は、選択した自機により異なる。またボタンの切り替えにより、ウェブの展開形状を集中型・拡散型の2種類から選択できる。
ウェブ展開中はメインショットを撃てない。メインショットでしか破壊できない敵弾もあり、N.A.L.S.だけに頼ったプレイでは先に進むことが不可能なゲーム構成になっている。また、ステージボス戦では捕捉できる数が少なくなるため役に立たない。
[編集] ボム
本作では、通常の緊急回避としてだけでなく、積極的な攻撃手段としてボムを用いることができる。N.A.L.S.でロックオンした状態でボムを発射すると、ロックされた位置までボムが射出され、標的にピンポイントで大ダメージを与えることが可能である。
ボムで倒した敵の得点は分数計算(1/4)され、著しく低下する。逆にボムを最大数以上を取得するとその度にボーナス得点が入る。このため、初心者は慣れるまではボムを多用して生き延び、慣れてきたらボムを使わないようにして高得点を狙うという、2つのプレイスタイルを同居させることを狙った特徴的なゲームシステムとなっている。
[編集] 解説
複雑な常用外漢字を多用した明朝体のテロップがアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で用いられていた手法と酷似していたことや、N.A.L.S.が『レイフォース』(タイトー)のロックオンレーザーを連想させるものであった点などから、発売当初から多方面で「様々な人気作のいいとこ取りをしただけの二番煎じ」などと批難を浴びた。また、縦スクロールシューティングであるにも関わらず横画面スクリーンを採用していたため、一部のファンから「遊びづらい」という不満の声も上がっていた。しかし一方、硬派な世界観を感じさせる数々の演出や、N.A.L.S.による戦略性・爽快な破壊感が少なからず人気を博していたことも事実であり、現在でも本作の評価は賛否に二分されている。
[編集] 移植
- 1997年 - セガサターンに移植。原作がセガサターン互換のST-Vシステム基板で製作されていたこともあり、アーケード版と遜色の無い内容となっている。非常に細かな環境設定が可能で、多くの特典も組み込まれている。
- 同年、プレイステーションにも『蒼穹紅蓮隊 黄武出撃』(- おうぶしゅつげき)というタイトルで移植されている。こちらは、自機やステージが新たに追加されているなど、アーケード版にはなかったオリジナル要素が多分に含まれている。