岡本太郎
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岡本 太郎(おかもと たろう、1911年2月26日 - 1996年1月7日、血液型O型)は、日本の芸術家。
「芸術は爆発だ」「グラスの底に顔があっても良いじゃないか」などの名言を残した。抽象絵画、シュルレアリスムとも関わる。縄文や沖縄の魅力に再注目した人物でもある。平面・立体作品を数多く残し、文筆活動も精力的に行った。後年はTVなどメディアへの露出も多かった。1970年に開かれた大阪の万国博覧会のシンボル「太陽の塔」を作ったことでも知られる。没後は住居・アトリエ跡に岡本太郎記念館が設立された。母は作家の岡本かの子。父は漫画家の岡本一平。生涯独身を通したが、秘書であった岡本敏子(故人)を養女にした。敏子は太郎没後、多くの著作を通して太郎の再評価に貢献した。代表作といわれる太陽の塔はピカソの絵に似ているという指摘がある。(ヴァロリスの平和の殿堂のための戦争 1952年)主な著作に『岡本太郎の本』1-5、『今日の芸術』、『強く生きる言葉』、『自分の中に毒を持て』などがある。
今日の芸術は、
- うまくあってはならない。
- きれいであってはならない。
- ここちよくあってはならない。
- と、私は宣言します。それが芸術における根本条件である、と確信するからです。
- ----『今日の芸術』1954年刊行 より
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[編集] 年譜
- 1911年2月26日、母の実家である神奈川県橘樹郡高津村二子/現在の川崎市高津区二子に生まれる。
- 1917年 東京・青山の青南小学校に入学
- 1918年 2回の転校ののち、東京・渋谷の慶応幼稚舎に入学。
- 1929年 慶應義塾普通部を卒業、東京美術学校(現・東京芸術大学)洋画科入学、半年後中退。
- 1929年 父のロンドン軍縮会議取材に伴い、渡欧。その後、ソルボンヌ大学哲学科で哲学・心理学・民俗学を学ぶ。
- 1940年 パリ陥落に伴い帰国。
- 1942年 召集、中国にて軍隊生活を送る。
- 1946年 復員、東京都世田谷区上野毛にアトリエを構える。
- 1947年 後に養女となる平野(旧姓)敏子と出会う。
- 1948年 花田清輝、埴谷雄高らと「夜の会」結成
- 1954年 アトリエを青山に移し「現代芸術研究所」を設立、『今日の芸術』初版刊行。
- 1956年 旧東京都庁舎(丹下健三設計)に「日の壁」「月の壁」など11の陶板レリーフを制作。
- 1970年 大阪の日本万国博覧会のシンボル「太陽の塔」制作。
- 1996年1月7日 急性呼吸不全のため慶應義塾大学病院にて死去。84歳。
- 死後
- 1999年 神奈川県川崎市多摩区の生田緑地内に川崎市岡本太郎美術館開館。
- 2005年 養女・岡本敏子死去(79歳)。
- 2006年7月7日 大作の壁画「明日の神話」が汐留日テレプラザにて初公開される。これを期に岡本太郎ブームが再燃する(Be TAROと呼んでいる)。
- 2006年11月28日 約60年間行方不明になったものと思われていた昭和22年制作の油彩画「電撃」と、岡本敏子をモデルとしたと見られる未発表の女性のデッサン画が、11月中旬に東京都港区の岡本太郎記念館で発見されたと発表。「電撃」は現存する太郎最古の作品となる。両作は修復後、来年公開される予定。
- 2006年11月29日「電撃」を一般公開。修復に出す12月10日までの期間限定。
[編集] 作品
- 「傷ましき腕」(1936年)
- 「重工業」(1949年)
- 「森の掟」(1950年)
- 「燃える人」(1955年)
- 「午後の日」(1967年)- 東京都立多磨霊園にある岡本太郎の墓碑にもなっている。
- 「明日の神話」(1968年)- 長い間行方不明だったが2003年に発見され、愛媛県東温市にて修復作業完了。2006年7月7日汐留日テレプラザにて初公開。
- 「若い太陽の塔(1969年)- 愛知県犬山市の日本モンキーパーク内に現存する。
- 「太陽の塔」(1970年)
- 「平和を呼ぶ像」(1988年)- 10月に船橋市の平和都市宣言記念シンボル像として建立。
- 「こどもの樹」
- 「母の塔(原作)」
- 「座る事を拒否する椅子」
- 近鉄バファローズ“猛牛マーク”
[編集] 書籍
- 今日の芸術(光文社文庫)
- アヴァンギャルド芸術(美術出版社)
- 日本再発見-芸術風土記(新潮社)
- 沖縄文化論-忘れられた日本(中央公論社)
- 岡本太郎著作集 全9巻(講談社)
- 岡本太郎の全貌(編集・山本太郎 アトリエ社/画集)
- T.OKAMOTO(文・瀧口修造 美術出版社/画集)
- 自分の中に毒を持て―あなたは"常識人間"を捨てられるか ISBN 4413021452(単行本) ISBN 4413090101(青春文庫)
- 青春ピカソ(新潮社)
- 太郎に訊け!―岡本太郎流爆発人生相談(青林工芸舎)
- 美の呪力(新潮社)
- 日本人は爆発しなければならない―日本列島文化論(ミュゼ)
- 日本の伝統(知恵の森文庫)
[編集] 関連項目
- 美術家
- 彫刻家
- 宇宙人東京に現わる(宇宙人のデザインを担当)
- 藤山一郎(慶應幼稚舎・普通部時代の同級生)
- ジミー大西(「君は画家になりなさい」と手紙を送った)
- 池部良-父方の従兄弟
- 二子(出身地)
- 生田緑地(川崎市岡本太郎美術館)
- ゲルダ・タロー(Gerda Taro) - ドイツ出身のフランスの写真家。岡本太郎の名前の東洋的な響きに惹かれてタローを苗字とした。