繁体字
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繁体字(はんたいじ、繁體字)または正体字(せいたいじ、正體字)は、漢字の規範化された字体体系の一つ。または簡化字に対する簡化前の字体をいう。漢字繁体、正体、正体字、中文繁体、繁体、繁体漢字、繁体字、繁体中文、正体漢字、正体中文、老字とも言う。台湾、香港、マカオ等で使用されており、中国大陸では古典など一部に使用されている。また、韓国で使われる漢字も、一部の国字を除いて繁体字である。
『康熙字典』などが典拠となるが、印刷書体は筆記体に近づけられており、『康熙字典』と同じではない。これは新字形とよばれる。また、各国で使用される繁体字は必ずしも同一のものではない。
繁体字と簡体字の関係は、日本における当用漢字以前に活字で広く一般的な字形として使われたもの(旧字体)と当用漢字との関係にほぼ相当し、当用漢字以前の活字字体と同じ字体を持った漢字も数多い。 簡体字や日本で現在広く使われている漢字に比べて画数が多く、比較的最近になって政策として漢字の簡略化が行われた経緯がある。香港、マカオで現在も繁体字が使用され続けているのはそのような政策がなかったためである。韓国で繁体字が使用されるのも、独立以来ハングル専用政策がとられ、漢字には全く手をつけなかったためである。
台湾(中華民国)では繁体字に近い漢字表を制定している。ある程度の略字を認めているため、例えば「臺灣」とも「台灣」とも書かれる。「灣」を「湾」とは書かない。日本の「湾」の8,9画めを上向きにするのが台湾流(「湾」)。また台湾と中国大陸の繁体字とでは字体が異なることがある。例えば、台湾の「麼」は、大陸では「麽 (么)」であり、台湾の「廠」は大陸では「厰 (厂)」である。
なお、「繁体字」という呼称が、「簡体字」に対してのものであるため、台湾などでは「正体字」という呼称をなすべきとの主張もある。
[編集] 繁簡対照表
繁体字 | 簡体字 |
---|---|
發 | 发 |
髮 | 发 |
見 | 见 |
體 | 体 |
貝 | 贝 |
東 | 东 |
車 | 车 |
長 | 长 |
門 | 门 |
選 | 选 |
韋 | 韦 |
讓 | 让 |
風 | 风 |
飛 | 飞 |
電 | 电 |
馬 | 马 |
樂 | 乐 |
鳥 | 鸟 |
麥 | 麦 |
塵 | 尘 |
齊 | 齐 |
齒 | 齿 |
龍 | 龙 |
龜 | 龟 |