笠ヶ岳
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笠ヶ岳(かさがたけ)は、岐阜県高山市にある飛騨山脈中の山。標高2,898m。日本百名山の一つ。
北は、槍ヶ岳西鎌尾根と双六岳を結ぶ東西の稜線に至り、南は岩峰で日本有数のロック・クライミングのルートを持つ錫杖岳に連なっている。また、蒲田川の源流を挟んで、東の槍穂高連峰と対峙している。
その姿は、丸いお椀型の隆起がなだらかな稜線の上にポッカリと突き出た特徴的なものであり、遠く立山連峰からでも、一目でそれと分かる山容をしている。山名の由来も、その笠を伏せたような姿に由来している。
春になると、山頂直下を頭とする馬の雪形が現れ、高山盆地からも望むことができる。飛騨では、この雪形が現れる頃が、田植えをする時期と昔から言い伝えられている。
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[編集] 歴史
開山は、槍ヶ岳を開いた播隆上人(1786年- 1840年)による。彼は、槍ヶ岳の開山に先立って、槍穂高方面の偵察と、予行演習を兼ねた意味で、まずなだらかな山容をした笠ヶ岳に登ったという。なお、今日でも山頂には頑強な岩屋造りの祠の中に銅製の仏像が安置されている。
[編集] 登山ルート
麓の新穂高温泉から直接つめる錫杖岳方面のルートは一般的ではなく、大きく迂回する形となるが、わさび平小屋、鏡平山荘を経て、双六小屋に至り、そこからUターンして、笠ヶ岳に至るルートが初級者向けである。新穂高温泉から双六小屋までの登りは、標高差があり時間もかかるが、途中に小屋もあり、またルート自体も危険箇所がない。また、双六小屋から笠ヶ岳の稜線伝いのルートも、標高差がほとんどなく、お花畑が点在しており、一部のガレ場に気をつければ、それ以外は、比較的楽な道が続く。
また、ワサビ平~鏡平の沢沿いから山腹を巻くルートの途中に、一気に笠ヶ岳の稜線まで詰める笠新道というルートもある。時間的には短縮できるが、急登が続くため、初級者向きのルートとは言えない。
[編集] 近隣の山小屋
- 笠ヶ岳山荘
- わさび平小屋
- 鏡平山荘
- 双六小屋