竪破山
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竪破山(たつわれさん)は、茨城県の多賀山地(阿武隈高地)にある標高658mの山。
角枯山、黒前山ともいう。黒前神社(くろさき)がある。
山名の変遷 - もとは角枯山(つのかれやま)と呼んだ。紀元前80年頃、蝦夷の征服に出征していた黒坂の命がこの地で病気になって死んで以来、黒前山と呼ぶようになった(常陸国風土記、茨城郡の条)。江戸時代になって、八幡太郎源義家の故事にちなんで西山公水戸光圀がある岩に「太刀割石(たちわれいし)」と名づけた。この名前からこの山を竪割山、竪破山と呼ぶようになった。とされている。
八幡太郎源義家の故事 - 1080年(寛治元年)、奥州遠征途上の八幡太郎源義家が黒前神社に戦勝祈願をした際、夢に現れた神に授けられた太刀を大岩に振り下ろすと、これが真っ二つに割れたという。
竪破山には、この太刀割石(磐屋(いわくら))の他にも、不動石、烏帽子石、手形石、畳石(腰掛け畳石)、甲石(堅破和光石)、舟石、神楽石など、大きくて切られたような石・岩が多い。これらの石々のいくつかと、不動滝(奈々久良滝)、剣滝、龍馬滝をあわせて、七奇石三瀑と呼ぶ。
この地十王には古墳や穴居跡などがあり、十王台式土器などが出土している。
登るには、標高450m付近に駐車場・トイレ(二ノ鳥居の登山口)がある。道中に、炭焼き窯(あかめ焼き窯)、太刀割石(たちわれいし)ほかがある。山頂に展望台がある。花園山、神峰山などとあわせて、花園花貫県立自然公園と指定されている。
交通 - 常磐自動車道日立北IC → 県道10号日立いわき線→ 県道60号十王里美線