秋田県立野球場
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秋田県立野球場 (こまちスタジアム) |
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Akita Komachi Stadium | |
施設統計 | |
所在地 | 秋田県秋田市新屋町字砂奴寄4-5 |
開場 | 2003年 |
所有者 | 秋田県 |
管理・運用者 | 秋田県総合公社(指定管理者) |
グラウンド | 内野:クレー舗装 外野:天然芝 |
照明 | 照明塔:4基、膜屋根設置:2基 最大照度:投捕間2400Lx 内 野2000Lx 外 野1200Lx (照度可変) |
設計者 | |
使用チーム、大会 | |
収容能力 | |
25,000人 | |
規模 | |
グラウンド面積:14,397m² 両翼:100 m 中堅:122 m |
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フェンスの高さ | |
秋田県立野球場(あきたけんりつやきゅうじょう)は、秋田県秋田市新屋(通称向浜)にある野球場。愛称 こまちスタジアム。施設は秋田県が所有し、県の外郭団体である秋田県総合公社が指定管理者として運営管理を行っている。
メインスタンドのネット裏を覆う、米粒を模した白い膜屋根と、秋田を代表する祭りである竿燈をイメージした4基の照明塔が印象的。
目次 |
[編集] 歴史
以前、秋田市内には秋田市八橋運動公園硬式野球場(1941年完成)と秋田県立野球場(1974年完成)の2つの野球場があった。共に県内の社会人、大学、高校などアマチュア公式戦等で使用されていた他、八橋球場ではプロ野球公式戦も開催されていた。しかしいずれも老朽化して設備不備が目立つようになり、また狭隘な敷地に建っているため、大規模な増築やナイター用の照明設備の増設が難しかったことから、移転新築を望む声が寄せられていた。県立野球場は築30年弱であったにもかかわらず、八橋球場と比較して維持管理が行き届いていなかったなど問題点が多かったことから、県は県立野球場を移転し、新たにプロ野球公式戦が開催可能な設備を有する野球場として新築する方針を固めた。尚、旧県立野球場は2002年を以って閉場し取り壊され、跡地は秋田県立武道館の建設用地となった。一方、八橋球場は改修工事を行いながら現在も存続している。
現在の県立野球場は2003年3月、旧球場から約500m西側の向浜スポーツゾーン内に完成。愛称「こまちスタジアム」は公募により決定した。「こまち」は湯沢市に伝わる小野小町生誕に関する伝説や、県特産の米「あきたこまち」に因んでいる。こまちスタジアムは旧県立野球場や八橋球場と同様、県内の社会人、大学、高校などの公式戦などで使用され、名実ともに秋田県を代表する県下最大の野球場である。
同年シーズンよりプロ野球公式戦の開催もこまちスタジアムに移行した。初の公式戦は6月21日の広島東洋カープ対中日ドラゴンズ15回戦(翌22日も同カードで、いずれもデーゲーム)。同日、広島・前田智徳が中日・平井正史から球場第1号本塁打を放った。ナイター開きは同年7月12日のヤクルトスワローズ対横浜ベイスターズ17回戦(翌13日の同カードはデーゲーム)。八橋球場でのプロ公式戦は秋田テレビが主催する千葉ロッテマリーンズ戦が中心だったが、秋田テレビはこまちスタジアム完成を機に東京ヤクルト戦を開催するようになった。
また2006年7月8日・9日には東京ヤクルトスワローズ対阪神タイガース2連戦が行われ、タイガースが実に53年ぶりに秋田で公式戦を行った他、同年9月12日には読売ジャイアンツ(巨人)対中日ドラゴンズ21回戦が行われた。巨人が秋田県内で公式戦を行ったのは55年ぶりのこと。
[編集] 主なエピソード
- 旧県立野球場唯一のプロ野球公式戦
- こまちスタジアム完成以前は、上記の通り八橋球場でプロ野球が開催されていたが、1990年5月のロッテオリオンズ対近鉄バファローズ2連戦は、旧県立野球場で開催された。これは同年、八橋球場が改修工事を行うのに伴い1年間閉鎖されていたことによる代替措置。尚、この旧県立野球場でプロ野球が開催されたのはこの1990年が唯一である。
- 球界再編と秋田県
- 2004年、東北地方に本拠地を置く球団の新規参入の経緯については、プロ野球再編問題 (2004年)を参照のこと。
- 最初に宮城県仙台市を本拠地とする新球団「仙台ライブドアフェニックス」を設立する構想を表明したライブドア社長の堀江貴文(当時)は「新球団の二軍本拠地を、秋田に置くことを検討したい」と明言。こまちスタジアムを二軍の本拠地及び一軍の地方試合開催球場として使用する可能性を示唆した。
- また、これに続いて仙台を本拠地とする新球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の設立構想を発表した楽天社長の三木谷浩史も「東北6県をホームグラウンドとしたい。新球団の試合を秋田でも数試合行いたいと考えている」と明言し、こまちスタジアム他東北各地でも公式戦を開催したい意向を表明した。
- 東北楽天と秋田県
- 参入を果たしたのは後者の楽天だった。楽天側は早速、翌2005年の秋田県内での公式戦開催を目指して、県内メディア各社に公式戦開催時の勧進元のオファーを出した。カードはオリックス・バファローズ戦とし、開催日を7月12日(火曜日。翌13日は岩手県営野球場)に設定した。ところが、秋田県側からは「既に別カード(ヤクルト対横浜)の主催を予定しており、年に2カードは難しい」(秋田テレビ)、「平日のナイターは開催実績がなく、収益性や集客力については未知数なところが多い」(その他各社)など、同意を得ることができなかったことから開催を見合わせることとなった。このため2005年については、東北楽天の公式戦は本拠地の宮城県をはじめ東北4県では開催されたものの、プロ公式戦開催に見合う施設を有さない青森県と、この秋田県の2県では開催されなかった。ただ秋田県内では、こまちスタジアムがありながら楽天の公式戦が行われなかった事で、公式戦開催の待望論がより強くなりつつあった。楽天側はこれを受けて同年秋、球団社長・米田純が秋田市を訪問した折に「翌2006年シーズンは地元側で興行主が見つからない場合でも、球団の自主興行によって公式戦を開催したい」という意向を表明した。こうして2006年8月8・9日に、県内初の東北楽天主催の公式戦として、対千葉ロッテ2連戦が開催されることになった。
- しかし、地元興行主が付かなかった事(秋田魁新報社と秋田朝日放送が協賛したが、興行面は全て球団が取り仕切った)やPR不足が仇となって試合当日の出足は伸びず、有料入場者は8日が7,069人、9日も9,024人と期待に反する動員数に終わり、試合も2-5、5-11と千葉ロッテに連勝を許した。
[編集] 施設概要
- 2003年3月完成
- グラウンド面積:14,397m2
- 両翼:100m、中堅:122m
- バックストップ:20m
- 内野:黒土、外野:天然芝
- スコアボード:磁気反転式
- ナイター照明設備:6基(鉄塔4基、膜屋根設置2基)
- 投捕間:2400Lx、内野:2000Lx、外野:1200Lx(照度可変)
- 収容人員:25,000人
- 内野:15,000人(ネット裏S席=背もたれ付個別シート、A席=個別シート、B席=ベンチシート)
- 外野:10,000人(芝生席)
- 車椅子スペース:40席
- スタンド入口は、球場正面(ネット裏)のメインエントランスと、外野(バックスクリーン裏)のバックエントランスの計2箇所。内野・外野の通路は繋がっているため、どちらの入口からでも双方のスタンドに入ることができる。
- 正面ロビーに、秋田県出身プロ選手と、高校野球の歴代優勝校に関する展示あり
[編集] 交通
- JR秋田駅西口バスターミナル2番のりばより秋田中央交通バス「県庁市役所経由 県立プール」行で「こまちスタジアム前」下車すぐ
- プロ野球等開催時は秋田駅西口より臨時バス運行あり
- 秋田自動車道・秋田南ICより約20分(約15km)。秋田北ICから約15分。秋田中央ICから約30分。
- 日本海東北自動車道・岩城ICより約23km
- 国道7号秋田北バイパス・蛭根交差点より西へ約1.2km。秋田県道65号寺内新屋雄和線沿い。
- なお、プロ野球開催時には周辺に臨時駐車場が設けられ、こまちスタジアムとの間を連絡するシャトルバスが運行される。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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