看板
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看板(かんばん)とは、宣伝、広告等のために使われる、木、プラスチック、金属(ステンレスなど)等、ある程度耐久性のあるものを材質とした、通常は板状の物体。主として屋外における、継続的な掲示(一定期間または半永久的)が前提となる。
- 生産管理手法におけるカンバン方式、およびそれで用いられるカンバンについては、ジャストインタイム生産システムおよびカンバンを参照のこと。
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[編集] 形・大きさ・材質
四角いもの(長方形のもの)が多いが、それに限られるものではなく、さまざまな形がある。また、大きさもさまざまであるが、一般に小さいものは看板と呼ばないことが多い(例えば、店舗や会社の名称を掲示した「もの」が入り口の脇にかかっている場合、ある程度大きければ「看板」と呼ばれ、ある程度小さければ「表札」と呼ばれるであろう)。
紙を材質とするものは看板とは呼ばないため、ポスターとは明確に区別できる。ただし、ポスターと同じ内容のものを大きく引き伸ばし、板状のものに貼り付けて屋外に掲示する場合には、看板と呼ぶことができる。ビニール、フィルム、シート等を材質とするものは、看板と呼ぶケースがあるかもしれない。
[編集] 主な材質
- 木製看板:最も古くからあり、屋号などを掲げるものが多い。
- 金属製看板:商品名の宣伝や取り扱い商品である事の告知目的で店先などに掲げられ、ビール・石鹸・塩・たばこ等の看板が多い。かつては、最も一般的な看板であったが、屋外設置の為に塗料が落ちると「サビ」などで美観を損ねる可能性がある。
- ホーロー看板:金属製看板の表面にガラス質の釉薬を高温で焼き付けたもの。金属製看板と同様に使用されるが、こちらの方が耐久性に優れる。かつては屋外広告として一般的な存在だったが、商品サイクルが短くなったために下火になった。上記商品以外では、オロナミンC・ボンカレー・金鳥・アース製薬・カルピス・味の素・仁丹などの商品宣伝のために屋外に設置された。
現在では上記小型看板よりも、新商品が出る度に大型の設置版にラッピングで貼り付ける方式が多い。
[編集] 種類
看板の種類としては、店舗の軒先につけるもの、一般のビルにつけるもの(側面、屋上など=ネオンサイン)、道路に置いたり電柱等にくくりつける違法な立て看板(捨て看板)、吊り下げているもの、などさまざまである。なお、看板建築などと呼ばれるものもあった(看板代わりに彫刻風の装飾をつけたもの)。看板が縦長で、かなりの高さがあり、かつ、独立して起立している場合には、「広告塔」と呼ばれることもある。
また、自動車自体が看板(宣伝カー)となり、街を走って広告の役割を果たすこともある。ただし、広告だけが目的ではなく、人や物の運搬が主目的で、単にトラックやバスの側面に広告が表示されているだけの場合には、その自動車を「看板」とは呼ばない。(しかしながら、路線バスや路面電車の車体全体を使った1社によるラッピング車両は、人の輸送が主目的とはいっても「看板」の意味合いが強いであろう)
鉄道駅の構内や地下道などの壁に掲示される駅名表示・広告は、看板(「駅の看板」)と呼ばれるケースがあるが、常に呼ばれるわけではないようである。また、駅の構内や地下道などにある通路表示・出口表示や出口の場所を示す地図などは、通常、看板とは呼ばれず、むしろ案内板(案内図・サイン)と呼ばれる。
ある企業の本社ビルが立派であったり、そのビルの形状に著しい特徴があるような場合(例・日本電気の本社ビル=横から見た場合にロケットの形に似ている)には、そのビルにその企業についての広告的な表示がなされていない場合であっても、「ビル自体が、あの企業の看板だ」と比喩的に言われることもある。
[編集] 表面の記載
表面に文字が記載されることはまちがいないが、それに加えて、絵、写真等が表示されていることが多い。「絵」は、印刷されたものを貼り付ける場合もあるが、看板に直接絵の具等で描かれる場合もある。また、目立つことを目的に、表面のみならず看板自体に特別な色(透明であることを含む)を用いているケースも多い。なお、木製の看板の場合、彫り込みされていることもある。
[編集] 看板の目的
看板の目的としては、看板を掲示する場所に存在する店舗や会社の名称の掲示、一般の広告目的(企業、製品、タレント等の人物、映画など)が主と考えられるが、そのほか、順路、避難路等の表示(一部は案内板とも呼ばれる)、注意喚起のための看板(道路工事の際に使われる看板なども含む)などの目的もあり、さまざまである。
さらに、看板自体を美術作品として制作することもありうる。看板芸術、看板アートなどと呼ぶことができる。
[編集] 関連項目