直轄市 (中華民国)
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中華民国における直轄市(ちょっかつし)は、中央政府である行政院直轄の都市である。正式名称を行政院直轄市といい、その略称で院轄市とも呼ばれる。地方制度法第4条により、人口125万人以上で、政治や経済・文化・都市圏の発展の上で特別な必要のある地区に設置できると規定されている。現在、直轄市は台北市(1967年昇格)と高雄市(1979年昇格)の二つだが、現在台中市が第3の直轄市候補として名乗りをあげている。
省と同格の行政区分とされ、市長は閣議にあたる行政院会議に出席する資格を持つ。このため直轄市の市長は強い政治的な影響力を持つ。
直轄市に改められたあとの台北市長に初めて直接選挙で選ばれた陳水扁は、市長時代の手腕を評価され、後に中華民国総統当選を果たした。前総統である李登輝も直轄市昇格後に官選だった台北市長の職を経験している。現職の台北市長馬英九は、最大野党中国国民党の主席も務め、メディアへの露出が多く、外省人や保守層から将来の総統候補としての期待が高い。前高雄市長の謝長廷も、1996年総統選挙において民主進歩党の副総統候補として出馬した経験があり、党主席(2000年~2002年)や行政院長(2005年2月~2006年1月)を歴任している。
中華人民共和国建国前の中華民国期の直轄市は、首都南京と上海、漢口、青島、大連、瀋陽、哈爾浜、西安、北平(北京)、天津、重慶、広州の12あった。