皿うどん
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皿うどん(さらうどん)は、長崎県の郷土料理である。しばしばうどんの一種と誤認されるが、実際には焼きそばに近似する。麺は、主に二種類、油で揚げた細麺(通称パリパリ、バリバリ、バリ麺)と、中華めん(ちゃんぽんの麺)を焼いたものである。店によっては専用の太麺・中くらいの太さの麺を用いたりする。ちゃんぽんの応用としてちゃんぽん発祥の四海楼が始めたものはちゃんぽん麺である太麺だが、その後堅焼きそばが伝わり、長崎で発展したのち同じように皿うどんと呼ばれるようになったといわれている。しかし、注文の際何も言わなければ細麺が出てくる店があることから、観光客や長崎以外の地域の人には細麺の方が一般的と思われ、太麺は地元以外ではあまり知られていない。地元でも太麺派と細麺派に分かれる。
キャベツ、もやしなどの野菜、カキ、イカ、エビなどの魚介類、豚肉、かまぼこ・竹輪などの具材を炒め、豚骨などでとったスープを加えてから、水溶き片栗粉でとろみをつけた餡を、麺の上にかける。大人数分を一度に注文し、大皿から各自取り分けて頂くのが地元の食べ方。祝い事の時や、職場で残業時にこれを出前で取る、ということもある。また、長崎ではウスターソースをかけて食べるのが一般的であるが、店によっては特製の酢を用意している場合もある。また、このソースは、栄養ドリンクのような、遮光ガラスの瓶に入って出されるのが一般的である。
長崎県では小学校の給食に皿うどんが出ることがある。このときの麺は細めんである。ただし、煮込まれているためパリパリ感はない。しかし近年はインスタントラーメン状に袋詰された細麺タイプのものが出る地域もある。椀に入れられた具入りの餡に麺を入れて混ぜて食べる。好みによって麺をバリバリに砕いたりなどもする。なお、ちゃんぽんも出る。