漏斗雲
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漏斗雲(ろうとうん)は、竜巻に伴って発生する細長い雲。竜巻の渦の中心線に沿って親雲(竜巻の母体となる積乱雲や積雲)の雲底から地上に向かって伸びる。雲底に近い部分ほど太く、地上に向かって先細りになり、形の明瞭なものは漏斗の形に似ているのでこう呼ばれる。昔の人々は、雲に頭を突っ込んだ巨大な蛇や竜の尾だと考えて「竜巻」の語源となった。一方、そうしたはっきりした形を取らず、煙の柱や霧の塊のように見えるものもある。
竜巻の中心付近では気圧が急激に下がっているため、巻き込まれた空気中の水蒸気が減圧のため冷やされて水滴となり、漏斗雲を形成する。従って湿度が高い空気中では竜巻が弱い場合でもできやすく、乾燥していると強い竜巻でもできにくい。そのため、漏斗雲の太さや有無で竜巻の強弱を目測する事は危険である。かつて、明瞭な漏斗雲を伴う竜巻が青函連絡船の船尾を通過したが、無被害だったという実例がある。また、形状が不明瞭で煙の柱状に見える場合のほうが竜巻の勢力が強い。
竜巻は豪雨の最中に起こることが多く、夜間に発生する場合もあり、漏斗雲を目撃したり撮影する機会は多くない。