活動弁士
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活動弁士(かつどうべんし)は、活動写真(無声映画)を上映中に、その内容を語りで表現して解説する専門の職業。略して活弁士(かつべんし)、活弁(かつべん)ともいう。単に弁士(べんし)ということも多い。映画説明者と呼ばれることもある。
[編集] 活動弁士の活躍と衰退
初期の映画はほとんどが無声映画(サイレント映画)であり、作品中では出演者の声や音楽が一切流れなかった。欧米では、映画の中に挿入されるセリフや背景解説のショット(図を参照)のみで十分と考えられていたが、日本では、言語や文化背景の相違も影響し、上映する際にはそれらを解説する必要があると考えられていた。
そのため、日本においては、映画作品の内容にあわせて台本を書き、上映中に進行にあわせてそれを演じる活動弁士という、特殊な職業と文化が出現した。戦前には娯楽が少ない中で映画がその中心を占めており、活動弁士もその状況に応じて活躍するようになり、徳川夢声、生駒雷遊、國井紫香、静田錦波、谷天郎、山野一郎、牧野周一、伍東宏郎、泉詩郎、里見義郎、松田春翠のような人気弁士も現れるようになった。
しかし、映画の技術が発達して、音声が入るトーキーが普及するようになって以後は、活動弁士は不要となってしまう。このため、大半の活動弁士が廃業に追いこまれ、その多くがテレビタレントや講談師、紙芝居、司会者などに転身した。活動弁士には映画の解説を行う際に話術が高く要求されるため、その優れた話術や構成力がそのままタレントなどとなっても活かせたのである。
[編集] 活動弁士の現況
その一方で、現在でもサイレント映画を上映する映画館は少なからず存在しており、その上映のために活動弁士も少なからず存在している。現在の活動弁士として、麻生八咫とその娘の麻生子八咫、澤登翠とその弟子の山崎バニラや桜井麻美、斎藤裕子、片岡一郎(以上2002年に澤登翠に入門)、佐々木亜希子、映画監督と活動弁士を兼業している山田広野、古典作品及び自作アニメに活弁を付ける坂本頼光などが東京を中心に活動している。又、名古屋にはわかこうじ、大阪に井上陽一、手廻し映写機で上映と活弁をする小崎泰嗣などが活動している。 しかし、活動弁士を生業として、それのみで生活できるのは現在では澤登翠などごくわずかであり、大半の活動弁士は、山崎バニラのように声優やテレビ出演をしている、山田広野のように映画監督でもあるなど、他に職業を持っている場合が多い。
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