永野護
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永野 護(ながの まもる、1960年1月21日 - )は、漫画家でメカニックデザイナー。京都府舞鶴市出身。拓殖大学中退後、サンライズ入社。代表作に『ファイブスター物語』(FSS)など。
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[編集] 来歴・人物
サンライズのリアルロボットアニメ制作に参加し、ムーバブルフレーム・全天周囲モニター・リニアシートなどといったアイデアを生み出した。FSSのモーターヘッドや『機動戦士Ζガンダム』のキュベレイに代表される精緻で独創性に富んだメカニカルデザインで知られる。
妻はアニメ『重戦機エルガイム』のガウ・ハ・レッシィ/リリス・ファウ役(二役)やアニメ版『ファイブスター物語』でラキシス役をつとめた声優川村万梨阿。
[編集] 作品リスト(漫画)
- FOOL for THE CITY
- ファイブスター物語
[編集] 作品リスト(アニメーション)
- 巨神ゴーグ(メカデザイン)
- 銀河漂流バイファム(メカデザイン)
- 重戦機エルガイム(キャラクターデザイン・メカデザイン)
- 機動戦士Ζガンダム(メカデザイン)
- 機動戦士ガンダムΖΖ(メカデザイン)
- ブレンパワード(メインデザイン)
- GOTHICMADE ゴティックメード-花の詩女-(原作・脚本・監督・デザイン・原画・撮影)
[編集] 作品リスト(ゲーム)
- エアーズアドベンチャー(セガサターン) キャラクターデザイン
- ファンタシースターオンラインver2(ドリームキャスト) 武器デザイン「ハート・オブ・ポウム/アリス・クロー」
- 鉄拳3(プレイステーション版) アンナ・ウィリアムズのスペシャルコスチュームのデザイン(このキャラクターはファイブスター物語第9巻でゲストとして登場している)
- 鉄拳5(プレイステーション2版) アンナ・ウィリアムズのスペシャルコスチュームのデザイン
- パンツァーフロントシリーズ(Ausf.B 除く) 架空戦車デザイン、コンストラクションモードサンプルゲーム “最後の戦闘” 監修(bisのみ)
[編集] 作品リスト(CD)
- SUPER NOVA
- FOOL for THE CITYのイメージアルバム。
- The Five Star Stories Stories Sound Version
- ファイブスター物語のイメージアルバム第1弾。
- GREEN and GOLD
- ファイブスター物語のイメージアルバム第2弾。
- THE FIVE STAR STORIES MAMORU NAGANO
- ファイブスター物語のイメージアルバム第3弾。
- Mr.ROBOT/GEAR ROBOT
- ビデオ作品「Mr.ROBOT」ならびに「GEAR ROBOT」のサウンドトラック。
[編集] 作品リスト(その他)
[編集] エピソード
- 学生時代より「トミノコ族」の中心的存在として知られ、1981年2月22日に新宿アルタ前で行われた富野由悠季主催の『機動戦士ガンダム』劇場版公開前のイベント「アニメ新世紀宣言」に、シャア・アズナブルのコスプレをして現れた。後に結婚する川村万梨阿はこのときララァ・スンのコスプレをしている。彼女と永野の結婚時には富野夫妻が仲人を、披露宴の司会を銀河万丈が務めた。
- ロック系を中心とした音楽に通暁し、彼の作品中には欧米のロックバンドやその作品の名前がしばしば借用されている。自身は主にベースを演奏する。
- 兵器の造形等デザイン面の様々な分野に造詣が深い。実在のメカの中では第二次世界大戦時のドイツ軍やソ連軍の戦車への愛好が強く、オリジナル戦車デザインやFSSにおける戦車戦の描写に反映している他、「バストーニュ」「トブルク」「マエッセン」「ケーニヒ」など『ファイブスター物語』(FSS)に登場する地名や人物名もその辺りに因んだ物が見られる。
- モデラーを自認しており、自らデザインしたモビルスーツ「リック・ディアス」の改造作品「シュツルム・ディアス」の作例が模型専門誌「モデルグラフィックス」に掲載された事がある。後にシュツルム・ディアスは「機動戦士ガンダムΖΖ」に登場した。また、田宮模型が主催する1/35ミリタリーフィギュアの改造コンテスト(鳥山明もこのコンテストに入賞したことがある)に18歳の時に入賞した経験があり、同社が発行する作品集にも掲載された。
- 元々ファッションデザインを学んでおり、アズディン・アライア(ボディコンファッションの元祖)を尊敬しているとも語っている。本人も若干気障ではあるが、所謂オタク系有名人では群を抜いてお洒落である。彼の作品のキャラクターの魅力にその特徴的なコスチュームデザインがあることは否定できない。
- 2000年7月23日に幕張メッセで行われた東京キャラクターショー2000・角川書店ブースでのSchell Bulletトークショーにおいて共著の幾原邦彦とともにセーラームーン(講談社作品)のキャラの女装コスプレ(永野:セーラーヴィーナス、幾原:セーラーマーズ)で登場して観客の度肝を抜いた。この際、妻の川村も客席でその一部始終を見ている。
- 遅筆で知られ、FSSはその進行の遅さと度々の休載で「読者の忍耐力が試されるマンガ」とまで言われている。カラーイラストは主にアクリルガッシュを用いているが、FSSの単行本の表紙画などは制作に一ヶ月以上かかると言われている。一時期Macintoshを多用していたが、結局「やはり自分の求める表現はデジタルでは無理」と放り出してしまった。
- オンラインゲーム「ファンタシースターオンライン」における最も有名なコアプレイヤーとしても知られている。
- 続編「ファンタシースターユニバース」においてもファンサイト、自身専用ロビーを立ち上げプレイに熱中。一部ファンからは「余計仕事が遅れるのでは…」と危惧する声も上がっている。
- 安彦良和は雑誌「ガンダムエース」での対談を経て、永野の考え方を堅実で合理的、「クールなおたく」であると評した。
- 愛称は「クリス」。これはイエスのベーシスト「クリス・スクワイア」に因んだものである。
- かつて『機動戦士ガンダムZZ』のキャラクターデザインに抜擢されたが、断っていた。
[編集] 外部リンク
- オートマチック・フラワーズ(Edit / Automatic Flowers Studio)
- 永野護ラボラトリー(TOYSPRESSサイト内)
- 永野護氏デザインMS大全