クリス・スクワイア
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クリス・スクワイア(Chris Squire 本名:Christopher Russel Edward Squire 1948年3月4日 -)はイギリスのプログレッシヴ・ロック・バンド、イエスのベーシスト。メンバー・チェンジの激しいイエスにあって、唯一在籍し続けているオリジナル・メンバーである。
彼が1960年代中庸に率いていたバンド、シン(Syn)、メイベル・グリアーズ・トイショップ(Mabel Greer's Toyshop)がイエスの母体となっている。ロンドンのとあるクラブで引き合わされたボーカリスト、ジョン・アンダーソンとの邂逅がイエス結成への契機となった。
その後、解散や分裂による活動停止という空白期間もあったものの、イエス名義の作品には彼だけが1枚残らず参加している。そして他のメンバーはソロや別バンドでの活動なども盛んに行ってきたが、彼の場合イエスの活動がライフワークといわんばかりのストイックさで、純粋なソロ作品は1枚のみ、セッションやコラボレーションも数えるほどしかない。
演奏スタイルやサウンドは個性的で、あまりルート音を使わずコード進行に対してハーモニーを付けたり、低音と高音を最大に、中音をカットして硬質なベース・サウンドを紡ぎ出す。高音部を多用してメロディ楽器としてベースを鳴らすのも特徴的である。
ソロの曲名やソロ・アルバムのタイトルに出てくる「フィッシュ」とは彼のニック・ネームで、魚座である事と、ごく初期にメンバー達とフラットをシェアしていた頃、彼がバスルームを長い時間占有していた事がかけられている。遅刻も多い為、「また風呂だ」的な皮肉が込められている。それを自分の作品に用いているのはスクワイアならではのユーモアだろう。
少年時代、聖歌隊に所属していた事や、ボーカル・ハーモニーを多用するポップスを嗜好していた事が後の活動にも影響し、演奏技術や内省的な歌詞に注目が集まりがちなプログレというジャンルに於いて、歌(コーラス)そのものにも大きな比重を置いたイエス独特の音楽性を確立したのは彼の功績が大きい。ファルセットを使ってアンダーソンより高いパートを歌う事もあり、その個性的な声はベース・プレイと同様にイエス・ミュージックの要のひとつとなっている。
イエスが休業中の2006年、彼の原点と言えるシンを再結成して作品を発表し、ライヴ・ツアーを敢行(既に脱退)。
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