気象衛星
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気象衛星(きしょうえいせい)は、気象観測のための人工衛星である。
気象衛星は大別して静止衛星と太陽同期軌道衛星、その他の衛星がある。
静止軌道衛星は地球から見て赤道上空に静止し、恒に同じ半球を観測する。地球全体の気象観測は世界気象機関(WMO)の地球大気観測計画 (GARP) の一環に基づいた5つの静止軌道衛星とその他の独自に打ち上げられた静止衛星によってされている。
衛星の名称 | 運用国 | 静止位置 | 観測区域 | 備考 |
---|---|---|---|---|
GOES-EAST | アメリカ | 西経75度 | 北米大陸東部・南米大陸 | GOES-12で運用 |
GOES-WEST | アメリカ | 西経135度 | 北米大陸西部・東太平洋 | GOES-11で運用 |
MTSAT / GMS(ひまわり) | 日本 | 東経140度 | 西太平洋・東南アジア・オーストラリア | MTSAT-1R(ひまわり6号)で運用 |
FY-2(風雲) | 中国 | 東経104.6度 | 中西部アジア・インド洋・西太平洋(160E) | 運用中 |
Kalpana-1 | インド | 東経70度 | 中西部アジア・インド洋 | 運用中 |
METEOSAT-7 | EUMETSAT | 東経57.5度 | 中西部アジア・インド洋 | 運用中、20072月に63度で運用しているMETEOSAT-5から移行 |
GOMS | ロシア(ソ連) | 東経76度 | アジア大陸中部・インド洋 | 運用中止 |
METEOSAT | EUMETSAT | 東経0度 | 欧州・アフリカ大陸・大西洋 | METEOSAT-8/9で運用中 |
日本では、ひまわり5号が寿命により、アメリカ合衆国からGOES-9を借りる形で観測が行われていたが、2005年6月よりひまわり6号の運用を開始している。
太陽同期軌道衛星は恒に直下の地方時が一定になるような軌道を巡っている衛星で、極軌道衛星となるので赤道上空より観測する静止軌道衛星では観測しにくい両極の観測を行うのに重要である。
- NOAA(アメリカ)
- METEOR(ロシア)
その他の衛星としては低軌道を回る衛星などがある。短時間ごとの変化を観測することができる。
- TRMM(熱帯降雨観測衛星)
気象衛星は可視光線での観測を行うカメラの他、夜間でも観測可能なように雲から放射される赤外線を観測するカメラや、水蒸気による赤外線の吸収を観測するカメラ、また海上風や降雨量を測定するためのマイクロ波散乱計などを具えている。
[編集] 歴史
人工衛星より地球を観測する試みは1959年のヴァンガード2号から試みられてきたが、これらはまだ気象衛星と呼べるようなものではなかった。最初の本格的な気象衛星は、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が1960年4月1日打ち上げたタイロス1号である。
[編集] 外部リンク
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