可視光線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
可視光線(かしこうせん)とは、電磁波のうち、人間の目で見える波長のもの。いわゆる光のこと。JIS Z8120の定義によれば、可視光線に相当する電磁波の波長は、おおよそ短波長側が360 nm~400 nm、長波長側が760 nm~830 nmである。逆に、可視光線の外に位置する赤外線と紫外線を指して、不可視光線(ふかしこうせん)と呼ぶ場合もある。
可視光線は、太陽やそのほか様々な照明から発せられる。通常は、様々な波長の可視光線が混ざった状態であり、この場合、光は白に近い色に見える。プリズムなどを用いて、可視光線をその波長によって分離してみると、それぞれの波長の可視光線が、人間の目には異なった色を持った光として認識されることがわかる。各波長の可視光線の色は,波長の短い側から順に、青紫、紫、青緑、緑、黄緑、黄、黄赤(橙)、赤で、俗に七色といわれるが、これは連続的な移り変わりである。波長ごとに色が順に移り変わること、あるいはその色の並ぶ様を、スペクトルと呼ぶ。
可視光線より波長が短くなっても長くなっても、人間の目には見ることができなくなる。可視光線より波長の短いものを紫外線、長いものを赤外線と呼ぶ。動物種によっては、一部の昆虫類などは(人間にとっての)紫外線をも見ることができる。
可視光線は、通常は人間の体に害はないが、強い可視光線が目に入ると網膜の火傷の危険性がある。
[編集] 関連項目
電磁波 |