死霊のえじき
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『死霊のえじき(Day of the Dead)』は、ジョージ・A・ロメロ監督が『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』『ゾンビ』に続いて製作した、ゾンビ映画三部作の最後を飾る作品である。1985年公開。日本での公開は1986年4月。
邦題についてはいまだに一部ファンには不評である。
目次 |
[編集] あらすじ
ゾンビたちに制圧された地球。女科学者・サラたちの必死の捜索や呼びかけに応える者はなく、もはや人類は滅びてしまったかのようであった。彼女達が立て篭もる地下ミサイル基地にはローガン博士を中心とする科学者グループと軍人グループが生活していたが、軍人グループの新しいリーダーとなったローズ大尉は強圧的な態度で科学者達に接する。そんな中、基地内にサンプルとして捕獲しておいたゾンビによって、兵士が死亡、サラの恋人・ミゲルが片腕を失う。一触即発となる科学者達と軍人達。さらにローガン博士がゾンビのバブを飼い慣らすために、兵士達の死体を餌にしていたことが発覚し、激昂したローズ大尉たちは科学者達を殺し、ヘリコプターで基地を脱出しようとする。
しかし精神を病んだミゲルが基地のゲートとエレベーターを開放したことにより、ゾンビの大群が基地になだれ込んで来た……。
[編集] スタッフ
- 監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
- 製作:リチャード・P・ルビンスタイン
- 製作総指揮:サラ・M・ハッサネン
- 撮影:マイケル・ゴーニック
- 特殊メイク:トム・サヴィーニ
- 音楽:ジョン・ハリソン
[編集] キャスト
- サラ:ロリ・カーディル
- ジョン:テリー・アレクサンダー
- ローズ大尉:ジョセフ・ピラトー
- ローガン博士:リチャード・リバティー
- ミゲル:アントン・ディレオ
- マクダーモット:ジャーラス・コンロイ
- スティール:ゲイリー・ハワード・クラー
- リックルス:ラルフ・マレロ
- フィッシャー:ジョン・アンプラス
- バブ:ハワード・シャーマン
[編集] よもやま話
- もともと前作ゾンビに引き続き、ダリオ・アルジェントと共同で制作する予定であったが、ヨーロッパの通貨に対し米ドルが異常に高くなったためアルジェントの協力が得られなくなった。そのためオリジナル脚本を大幅に変更し今の形となった。そのためかロメロ自身も本作をあまり気に入ってはいないという。オリジナル脚本にはゾンビと軍隊の戦闘シーンなどがある。トム・サヴィーニ曰く、オリジナル脚本は「ゾンビ版インディ・ジョーンズ」。ちなみにオリジナル脚本は今現在販売されている完全版のDVDのDVD-ROM特典で読むことができる(対応しているPCが必要)。
- 一時期『死霊のえじき 最終版』と銘打たれたバージョンが市販されていたが、これは残酷シーンのほとんどをカットしたバージョンである。
- 日本では東北新社=東映クラシックが配給したが、その時のサウンドは「ゾンビング・サウンド」と銘打たれた。
- 講談社X文庫で発売されていた、ノベライゼーション『死霊のえじき』(日本人ライターが映画を元に構成したもので、原作小説は存在しない)では、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のラストで殺された黒人青年・ベンのゾンビが、前二作のストーリーを知らせる狂言回し役で出てくるというお遊びが用意されている。
- アメフトやピエロの格好をしたゾンビがいるのはエキストラによる悪乗りとのこと。ファンをエキストラに起用したことが映画の雰囲気をぶち壊す悪乗りに繋がったと言われている。
- ローズが内臓を食べられるシーンで、使われた豚の臓物はクリスマス休暇の為大切に冷蔵庫に保管されていたが、何者かが誤って電源を切ってしまった為、腐ってしまったが時間がない為そのまま使われた。すさまじい異臭を放つ臓物を目の前に置かれたローズ役のジョセフ・ピラトーは、酸素マスクで呼吸しながらの撮影に挑んだ。ゾンビの役者さんはそれを食らうと言う演技を余儀なくされたとのこと
カテゴリ: アメリカ合衆国の映画作品 | ゾンビ映画 | 1985年の映画