死都日本
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『死都日本』(しとにっぽん)は、2002年に刊行された石黒耀による小説。霧島山の地下にある加久藤火山が巨大噴火を起こす様子を描く。第26回メフィスト賞受賞。
九州南部やその南には、阿蘇カルデラ、姶良カルデラ、鬼界カルデラといった巨大なカルデラを生んだ火山がいくつも存在する。それらは数万年に一回の頻度で、噴出物の体積が100km3を超えるような巨大噴火を起こしてきた。最後に起きたのは、6300年前の鬼界カルデラの噴火であり、これによる火砕流は海を越えて九州島に達し、南九州の縄文人に大打撃を与えた。
死都日本は、そのような巨大噴火が現代の日本で起きたらどうなるのかというシミュレーションを行った小説である。
[編集] あらすじ
西暦20XX年、宮崎県沖で大きな地震が発生。その翌日から霧島火山周辺で群発地震が発生する。それは、30万年前に巨大噴火を起こし南九州を焼き尽くした加久藤火山が、今また破局的な大噴火を起こそうとしている前兆だった。
[編集] 登場人物
- 黒木伸夫
- 本作品の主人公。日向大学工学部助教授。「宮崎を造った火山の話」を地元紙に連載し、加久藤火山の存在や火山噴火の恐ろしさを県民に広めた。
- 黒木真理
- 黒木伸夫の妻。麻酔科医。日南はまゆう病院に勤務。
- 岩切年昭
- 宮崎日報の記者。黒木の日向大学での後輩。「宮崎を造った火山の話」の担当をしていた。
- 菅原和則
- 総理大臣。物語の半年前、彼の率いる日本共和党が総選挙で勝利し、総理大臣に就任した。
- 静間惣一郎
- 国土交通省の役人。
- トーマス・K・ハミルトン
- アメリカ合衆国大統領。