東海自動車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東海自動車(とうかいじどうしゃ)は、小田急グループのバス専業会社。東海バス(とうかい-)を運行している。本社は静岡県伊東市渚町。営業エリアは、路線バス(静岡県東部・伊豆一円)、貸切バス(静岡県東部・東京営業部)がある。 かつては後乗り前降りの車両もあったが、現在では全ての車両が路線バス(一般道)では珍しい前乗り前降りであり、自社発注車両はエルガなどを含めてもバスの車両もドアが一つだけである。
目次 |
[編集] 歴史
- 1916年(大正5年) - 下田自動車株式会社設立、大仁~下田間を運行開始
- 1917年(大正6年)2月 - 伊東自動車株式会社設立
- 1917年(大正6年)5月 - 伊東自動車、大仁~伊東・大仁~修善寺・伊東~宇佐美間を運行開始
- 1918年(大正7年)11月 - 東海自動車株式会社に社名変更
- 1927年(昭和2年) - ガイドの車掌により、観光ルートの案内を始める。(日本で最初のバスガイド)
- 1932年(昭和7年)11月11日 - 東海自動車と下田自動車は対等合併、存続会社は東海自動車
- 1948年(昭和23年)4月 - 国産ディーゼルバス第1号車が2台納入される
- 1962年(昭和37年) - 小室山観光リフト開業
- 1965年(昭和40年)7月 - 伊豆スカイライン開通による伊東~箱根間路線運行開始、伊豆箱根鉄道バス(現:伊豆箱根バス)と相互乗り入れ
- 1971年(昭和46年)4月 - 小田急電鉄の傘下に入る
- 1974年(昭和49年) - 特急バスを除きワンマン化完了
- 1975年(昭和50年) - 東海輸送株式会社設立・修善寺東海交通株式会社設立・東海警備保障株式会社設立
- 1976年(昭和51年)6月 - 「伊豆の踊り子号」の運行が開始され、全国のレトロバス・ボンネットバスの人気のさきがけとなる。現在も浄蓮の滝~昭和の森会館を運転日限定で運行。
- 1989年(平成元年)6月 - レトロ調バス「リンガーベル号」の運行を開始。
- 1990年(平成2年) - 初の高速バスとして、名古屋~伊東間「伊豆スパー号」の運行を開始。
- 1994年(平成5年) - 「伊豆スパー号」運行休止。
- 1996年(平成8年) - 株式会社新東海バス設立
- 1999年(平成11年)4月 - 分社化。路線事業を株式会社伊豆東海バス・株式会社南伊豆東海バス・株式会社西伊豆東海バス・株式会社伊豆東海バス・株式会社沼津東海バスに全面移管。
- 2002年(平成14年)10月 - 箱根登山グループから熱海及び沼津・三島地区の乗合バス事業を移管。株式会社沼津東海バスを株式会社沼津登山東海バスに商号変更。
- 2006年(平成18年)10月 - 株式会社南伊豆東海バスが伊豆箱根鉄道系の伊豆下田バス株式会社から事業を引き継ぐ。
[編集] 傘下のバス会社
- 伊豆東海バス
- 主な営業エリア:熱海市、伊東市、湯河原町
- 南伊豆東海バス
- 主な営業エリア:東伊豆町、河津町、下田市、南伊豆町
- 西伊豆東海バス
- 主な営業エリア:松崎町、西伊豆町
- 中伊豆東海バス
- 主な営業エリア:伊豆市、沼津市の一部、伊豆の国市の一部
- 沼津登山東海バス
- 主な営業エリア:沼津市、三島市、清水町、函南町、伊豆の国市
[編集] 東海自動車直営事業(施設)
[編集] 伊豆急行・伊豆箱根鉄道との関係
- もともと、駿豆鉄道(現・伊豆箱根鉄道 西武鉄道グループ)とは中伊豆地区で競合関係にあり、戦後修善寺駅~伊東駅で共通のバス路線を開業したが、協力・提携と言うよりはむしろ睨み合いのような状態であった。
- そこへ、親会社同士が敵対する東急グループの伊豆下田電気鉄道(現・伊豆急行)が東海自動車のドル箱路線である伊東駅~伊豆下田駅間に並行する鉄道路線を敷設すべく動き出した。対抗する駿豆鉄道も同様の鉄道敷設申請を行い、両者は激突。"伊豆戦争"とも呼ばれた。
- 東海自動車としては、伊豆急も駿豆もともに競合相手であった。駿豆は長年の競合相手であるが、伊豆急とてバスの乗客を奪う相手に相違なかった。また安易に伊豆急に加担すると、背後には「強盗慶太」こと五島慶太が控えていることもあり、場合によっては会社乗っ取りをされかねない危険性があった。このため、一応は伊豆急の開業に協力する姿勢は示しても、実態は開業後も非協力な態度を貫いていた。
- 業を煮やした東急側は遂に東海自動車の買収工作を開始。攻防戦の結果、1971年に東海自動車が同じ西武と箱根地区で競合していた小田急電鉄の傘下に入ることで落ち着いた。その後の伊豆半島の交通は伊豆急・伊豆箱根・東海自動車の三者鼎立が続いたが、近年は三者の関係が融和し、現在はJR東日本も含めた各社間で協力関係にある。
- 伊豆急行とは、この他タクシー子会社の統合を行い、合弁で伊豆急東海タクシーを運営している。
- なお、歴史の項にあるように、2006年10月に伊豆箱根鉄道系の伊豆下田バスの事業を譲受した。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 中部地方の乗合バス事業者 | 中部地方の貸切バス事業者 | 静岡県の交通 | 静岡県の企業 | 東海自動車 | 小田急グループ | バス関連のスタブ記事 | 企業関連のスタブ