朴正煕暗殺事件
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朴正煕暗殺事件 | |
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各種表記 | |
ハングル: | 10.26(십이육) 사건 |
漢字: | 10.26(十二六) 事件 |
平仮名: (日本語読み仮名): |
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片仮名: (現地語読み仮名): |
シビユク サーコン |
ラテン文字転写: | {{{latin}}} |
ローマ字転写: | sibiyuk sageon |
朴正煕暗殺事件(ぼく・せいきあんさつじけん、パク・チョンヒあんさつじけん)は1979年に大韓民国の朴正煕大統領と車智澈大統領府警護室長がソウル特別市鍾路区宮井洞の中央情報部(KCIA)所有の建物内で、金載圭韓国中央情報部長に射撃された事件。この事件で、朴大統領と車警護室長など7名が死亡、金部長など5名が絞首刑、1名が銃殺刑となった。
目次 |
[編集] 事件の経過
中央情報部長・金載圭は朴正煕大統領の古い友人だったが、学生運動の弾圧が生ぬるいとして無能をしばしば叱責され、ライバル関係にある車智澈警護室長からも攻撃を受けていた。このため、金載圭は両人の殺害を計画するようになった。10月26日、ソウル市宮井洞の中央情報部所属の秘密宴会場で大統領らと晩餐をともにした際、反政府学生らが釜山の米国文化館を占拠した事件について大統領が責任を追及し、車智澈室長が批判を加えて来ると、金載圭は晩餐会場から出て直属部下の朴興柱・朴善浩に銃声がすれば控え室の警護員を射殺するよう指示した。晩餐会場に戻ると、金載圭は朴正煕と車智澈にそれぞれ2発撃ち、銃声を聞いた朴善浩らは大統領府警護員らを射殺した。晩餐会場には大統領府秘書室長金桂元や女性ホステス(有名歌手と女子大生)もいたが、無事だった。間もなく金載圭らは現場を脱出したが、緊急国務会議で逮捕令が出され、27日午前0時40分に大統領殺害犯として逮捕された。その直後に全国に非常戒厳令が敷かれ、陸軍参謀総長鄭昇和大将が戒厳司令官に就任した。捜査は戒厳司令部合同捜査本部長に就任した保安司令官全斗煥少将によって進められ、金載圭とその部下らに死刑が宣告された。
この事件により、韓国では第四共和国体制が終了し、第五共和国体制へ移行していく。
[編集] 酒場にいた人物
- 朴正煕…大韓民国大統領。被殺害。
- 車智澈…大統領府警護室長。被殺害。
- 金載圭…韓国中央情報部長。大統領と警護室長を射殺。
- 金桂元…大統領府秘書室長。事件目撃者。
- 申才順…大学生、モデル。事件目撃者。
- 沈守峰…歌手。事件目撃者。
[編集] 被害者
- 朴正煕・・・大統領。金載圭によって頭部、胸部に被弾、死亡。
- 車智澈・・・大統領府警護室長。金載圭によって射殺。
- 鄭仁炯・・・大統領府警護処長。朴善浩によって射殺。
- 安載松・・・大統領府警護副処長。朴善浩によって射殺。
- 金容太・・・警護員。死亡。
- 金容燮・・・警護員。死亡。
- 朴相範・・・警護員。死亡。
[編集] 逮捕者
[編集] 犯人
- 金載圭・・・韓国中央情報部長。主犯。1980年5月24日絞首刑執行。
- 朴善浩・・・儀典課長。共犯。絞首刑。
- 朴興柱・・・部長随行秘書官。共犯。銃殺刑。
- 金泰元・・・中央情報部食堂警備員。共犯。絞首刑。
- 李基柱・・・中央情報部食堂警備員。共犯。絞首刑。
- 柳成玉・・・中央情報部食堂運転士。共犯。絞首刑。
[編集] 関連者とされた人物
- 金桂元…大統領府秘書室長。
- 鄭昇和…大韓民国陸軍参謀総長。
- 金正燮…韓国中央情報部第二次長補。
[編集] 金載圭の殺害動機 ― 金載圭の主張
[編集] 金載圭の殺害動機 ― 取調べの結果
- 車室長に対する不満。
- 大統領からの叱責など。
[編集] 金載圭の殺害動機 ― 判決
内乱目的殺人。
[編集] 疑惑
当時、韓国政府は極秘裏に核兵器開発計画を進めており、米国政府の怒りを買っていた(当時のカーター政権と朴政権との関係は様々な問題で最悪の状況だった、と後に金桂元は雑誌のインタビューで証言している)。このため、暗殺はCIA(米国中央情報部)がそそのかしたとする見方があるが、真相は明らかではない。いずれにしても、朴正煕大統領の暗殺によって韓国の核兵器開発計画は挫折した。