朝海ひかる
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朝海ひかる(あさみ ひかる 1月24日 - )は宝塚歌劇団雪組トップスター。愛称は「コム」。宮城県仙台市出身。血液型O型。本名は小室徳子。Y.O
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略歴
- 1991年 - 77期生として宝塚歌劇団に入団。
- 1992年 - 花組に配属。
- 1998年 - 新設された宙組に異動。『エリザベート』でルドルフ役を好演。
- 1999年 - 雪組に組替え。同期生の安蘭けい、成瀬こうきと共に同期生トリオとして注目を集める。
- 2001年 - 『凱旋門』役替わり公演で初主演をはたす。
- 2002年 - 絵麻緒ゆうの後任として雪組トップスターに就任。
- 2006年 - 「堕天使の涙」「タランテラ」をもって退団。
スター像
涼しげで颯爽とした、いかにも男役という男臭さを漂わせながらも可愛らしい素顔のある独特の雰囲気と抜群のスタイルに豊かなアイドル性、舞台上では妖しささえ感じさせるほどの中性的・妖精的な美しさを兼ね備えた、数多のスターの中でも類を見ない魅力を持つ。
しかし、歌唱・ダンス・演技ともに見事にこなせる実力派スターでもある。 特にダンスに関しては歌劇団の中でもトップレベルの実力の持ち主で、宝塚きっての名ダンサーである。 長く伸びやかな手足を持っており、“踊る体”とも言われる洗練された体・技術・体のバランスの良さを存分に生かした軽やかでスマートなダンス、そしてシャープで時に妖艶に舞う姿には大きなパワーと輝く華があり観客の目を引く。特に「タカラヅカ・ドリーム・キングダム」のROSSOのソロダンスではこれぞフェアリータイプと言われる人間らしからぬほどの美しさと妖しさを披露。かなり難易度の高いとされる連続ターン・ジャンプも圧巻であった。その実力故ダンサーの枠を超え“表現者”になりつつあるとまで言われる。
また本人も下級生の頃は苦手だったと語る歌唱も努力を重ね鍛え上げ、トップとなった現在では、小柄ながらも太いよく通る低声を身につけ、豊かな声量で情感たっぷりに歌え歌唱力にも秀でる。
芝居では、花組での下級生時代に客席への見せ方など伝承されてきた数々の男役のエッセンスをトップから学び、その哲学を持って芸風を様々に変化させる。そして常に情熱的であるが一つの型にはまる事がないのは大きな武器だが魅力的でもあり、ダンス・歌唱においてもその表現力の豊かさは努力の賜物であり、真摯に舞台に取り組み続けているひたむきな姿勢が伺える。
男役の芝居の評価も高いが加えて特筆できる点として、清楚・繊細でキュートな容姿を持つという独自の印象があり宝塚のフェアリータイプとして娘役も見事にこなせることが挙げられる。故に娘役としては愛らしく透明感ある演技を見せ、トップスター就任前は一部のファンの間からは娘役転向説が定期的に出ていたほどである。
下級生時代から人気はあったものの注目されるのが比較的遅かったため、新人公演の主演経験が無い唯一のトップスターである。(そのため『凱旋門』の役替わり公演開催は朝海のための企画だったのでは、という憶測が飛び交った)。しかし注目株となってからは順調な成長をみせ、入団12年めでトップ就任の好機をつかむこととなった。
相手役の舞風りらとは優れたダンサー同士で、互いをひきたてる息の合った名コンビぶりを見せている。
彼女の舞台上の姿は生き生きと輝き、強いパワーを感じさせる。またその抜群の舞台センスには定評があり、宝塚の正統派としてもタカラジェンヌの良き模範として、これからも多くの活躍を期待されている。
仙台市の菓子メーカー「菓匠 三全」の製造している「萩の月」のイメージキャラクターを勤めている。
私生活ではチワワ2匹が「もう一人の愛する家族」というお茶目な一面も。
主な舞台作品
花組時代
- 1991年『ベルサイユのばら』(初舞台)
宙組時代
- 1998年『エリザベート』(ルドルフ役)
雪組時代
- 1999年『ノバ・ボサ・ノバ』(安蘭・成瀬と役替り)
- 1999年『The Wonder Three~ザ・ワンダー・スリー~』(安蘭・成瀬とのトリプル主演コンサート)
- 2000年『凱旋門』(役替り公演主演)
- 2000年『月夜歌聲』(女役)
- 2001年『アンナ・カレーニナ』(バウホール公演初単独主演)
- 2002年『風と共に去りぬ』(スカーレット・オハラ役)
雪組トップスター時代
2002年
- 『再会/華麗なる千拍子2002』(全国ツアー)(トップお披露目公演)
2003年
2004年
- 『スサノオ/タカラヅカ・グローリー』(宝塚、東京)
- 『あの日見た夢に』(シアタードラマシティ、日本青年館)
- 『青い鳥を捜して/タカラヅカ・ドリームキングダム』(宝塚、東京)
2005年
- 『睡れる月』(シアター・ドラマシティ、日本青年館、福岡市民会館)
- 『霧のミラノ/ワンダーランド』(宝塚、東京)
- 『銀の狼/ワンダーランド』(全国ツアー)
2006年
- 『ベルサイユのばら-フェルゼンとマリー・アントワネット編-』(星組特出)
- 『ベルサイユのばら-オスカル編-』
- 『アルバトロス、南へ』(バウ・スペシャル)
- 『堕天使の涙』(さよなら公演)
- 『タランテラ』(さよなら公演)
補足
なお、朝海は今年の12/24、クリスマス・イブをもって退団致します。