最高執行責任者
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最高執行責任者(英語表記 Chief Operating Officer) とは企業における業務執行役員や執行役員の役職のひとつである。英語表記の略称COO(シー・オー・オー)と表記する場合が多い。
CEOが企業の経営全般に対して責任を持つのに対し、COOは日々の営業に責任を持つ。但しその責任分担はやや曖昧で、特に日本においてはCOOを置かず、CEOがその役割を兼ねる場合も多い。
CEOやCOOは企業の所有者である株主の代表である取締役会と、取締役会の委託を受けて企業運営を行う業務執行役員を分離するという流れの中で生まれた役職であり、企業の所有と運営の責任分担が不明確な時代の役職である会長や社長とは異なる概念である。しかし、実際には会長(または社長)がCEOを、社長(または副社長)がCOOを兼ねるケースが多い。 従来の日本ではCOOを規定する法律はなく、企業の役職に於ける内部呼称でしかなかったが、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律(商法特例法)の改正法が2003年4月施行されたことにより委員会設置会社制度ができ、新たに法的に取締役と分離した執行役員を定義する執行役と、会社の代表権を持った執行役である代表執行役制度(現在の会社法にも引き継がれている)が設けられた事により、COOは、この執行役または代表執行役とほぼ同義であると考えられる。 これにより、「代表執行役社長兼最高執行責任者」等、法的根拠のあるCOOを会社に設置することが可能になった。
尚、例外的ではあるが、ソニーのように事業分野ごとに異なるCOOを置く企業もある。