書記長
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書記長(しょきちょう)は、政党や労働組合の書記局に置かれる場合と、地方公共団体に置かれる場合がある。
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[編集] 団体に置かれる書記長
政党や労働組合の書記局の責任者を指す。一般的な団体における「事務局長」に相当。
書記局は、日常的な党務を処理する機関であり、党の過去をよく知る書記長は、党の未来も予測できると考えられた。「書記長」という名前は、委員長と同じく、社会主義・共産主義政党、社会民主主義政党、労働組合に主に用いられることが多い。
共産主義国の場合、支配政党の書記長が国家の実権を掌握することが多かった。例えば旧ソビエト連邦においては元首である最高会議幹部会議長ではなく、代々のソビエト連邦共産党書記長が最高権力者であった。似たような語句に総書記・第一書記などがある。
日本でも1990年代前半までは、旧日本社会党や旧公明党(新進党合流以前)、民社党(新進党に合流して解散)、社会民主連合(94年解散)などで「書記長」と言う呼称が採用されていたが、今日では自由民主党と同様の「幹事長」という呼称に変更されている。なお、日本共産党では「書記長」ではなく「書記局長」(補佐役は書記局次長)という呼称が用いられており、現在に至っている(都道府県・地区委員会など地方組織では書記長・書記次長を使用)。地域政党の沖縄社会大衆党は書記長・副書記長を置いている。
[編集] 地方公共団体に置かれる書記長
地方公共団体の組織の中で書記長と呼ばれる職がある。
[編集] 事務局を置かない議会
事務局を置かない市町村の議会に書記長が置かれるが、町村においては書記長を置かないことができる(地方自治法第138条第4項)。
[編集] 職務
書記長は、議長の命を受け議会の庶務を掌理し、書記その他の職員を指揮する(地方自治法第138条第7項、第8項)。また、議長の命を受けて会議録を調製し、会議の次第及び出席議員の氏名を記載させなければならない(地方自治法第123条第1項)。
[編集] 任命権者
書記長は、議長が任免する(地方自治法第138条第5項)。
[編集] 身分の取扱い
書記長の職務及び身分の取扱いについては、地方自治法の定めるもののほか、地方公務員法の定めるところによる(地方自治法第138条第9項)。
[編集] 事務局を置く議会
事務局を置く議会においては、事務局長が書記長に相当し、その職務、身分の取扱いなどについては上記に準ずる。
[編集] 選挙管理委員会
都道府県及び市の選挙管理委員会にも書記長が置かれる(地方自治法第191条第1項)。
[編集] 職務
書記長は、委員長の命を受け、選挙管理委員会に関する事務に従事するほか、書記その他の職員を指揮する(地方自治法第1919条第3項)。
[編集] 任命権者
書記長は、選挙管理委員会が任免する。
[編集] 身分の取扱い
身分の取扱いについては、地方自治法の定めるもののほか、地方公務員法の定めるところによる(地方自治法第172条第2項、第4項、第193条)。