日本SF大会
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日本SF大会(にほんえすえふたいかい)は日本全国のSFファンが一堂に集うお祭りであり、 日本で開かれるSF大会である。 1962年に東京の目黒で第1回大会(MEG-CON)が開かれて以来、何度か存続の危機を迎えながらも毎年日本のどこかで開かれている。運営は日本SFファングループ連合会議と連絡を取りつつ、主催SFファングループが行なう。コンベンションと名付けられるイベントであり、開催地の名称にちなんでXXコンという愛称で呼ばれることが多い。正式名称は第n回日本SF大会。
当該日本SF大会の参加者の投票によって、前年に発表された優れたサイエンス・フィクションの中から優秀作を選び、星雲賞を授与する。選考対象は日本のSF作家による作品だけでなく、海外のSF作家の作品の邦訳、特撮映画、アニメーションなど映像作品も含める。
80年代初頭までは日本におけるおたくに対して大きな影響を及ぼすイベントの一つであったことに加え、コミックマーケットなどの源流にもなった。現在も、GAINAXをはじめとして、SF大会に多大な影響を受けた人材・会社が日本のアニメ・漫画産業を支えている。
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[編集] 参加方法
基本的に定員の決まった完全予約制である。7月または8月のその年の大会が終了した時点で翌年の大会の運営委員会が活動を始め、参加者の募集を行う(SFマガジンなどで告知)。通例は実際に大会に入ることの出来る本登録と大会に入ることは出来ないが公式出版物や星雲賞の投票権利を取得できる予備登録の二つの参加区分が用意される。追加費用を支払うことで予備登録から本登録に切り替えることも可能である。
一般参加者の本登録費用は大会にもよるが1万円~3万円以上となる。予備登録は5千円前後。SF作家などの関係者は一般参加者とは別に委員会から招待される。
なお早期に参加申し込みをする場合のほうが安価に設定されていることが多い。
[編集] 日本SF大会で行われる活動
近年の日本SF大会では開幕式と閉幕式を参加者が一堂に集まって行ない、多くの場合が土日での一泊二日開催というパターンのため、分科会形式で小さなイベントがいくつも行なわれ、参加者は自分の参加したい分科会に自由に参加することができる。分科会のテーマはSFに関連するものであればなんでもよく、ほぼ無制限である。中には一般社会から見てやや常軌を逸していると思われる分科会も存在する。
分科会は以下のようなものがある。
- パネルディスカッション
- SF作家や翻訳家、書評家、編集者を招いて、SFに関連するテーマで討議を行なう。
- 講座
- SF作家や編集者が小説の書き方を指南したり、宇宙開発事業などSFに関連した業界にいる技術者や学者がその業界の現状などを伝える。プロからアマチュアへの知識の移転という意味合いがある。マスコミでは報道されない現場の現状、暴露話などもある。
- 朗読会
- 作家が自らの作品を朗読する。また、作品の創作過程やストーリー、世界観設定、次回作等に関する発表や質疑応答なども同時に行なわれることがある。
- 研究発表
- SFファンが自分の研究した事柄について発表を行なう。SFに関連したことは限らず、神社や変な飲料水など雑多なテーマが扱われる。液体窒素などを用いた物理実験の実演も行なわれる。
- パーティ
- 主に雑談しながら飲食を行なう。成人の場合はアルコール飲料を含む。会場のみならず、船等を貸しきって行う場合もある。
- ゲーム
- SFにちなんだ大規模なシミュレーションゲームやRPGが行なわれる。艦隊による宇宙戦争のような軍事シミュレーションや、異なった星の生命が遭遇したときに交流を確立するファーストコンタクトシミュレーションなどがある。
- 上映会
- 参加者が作ったSFに関する映像作品や、海外のSF作品で日本では知られていない作品(これはくだらない作品ほど喜ばれる傾向がある)を上映する。 SF映画やテレビなどの鑑賞も行なわれる。
- 展覧会
- 参加者が作ったフィギュアや絵画の展示を行なう。本職のイラストレータによるファンタジーをテーマにした絵の展示やマンガの原画の展示も行なわれる。
- カラオケ
- アニメや特撮の主題歌・挿入歌を一昼夜ぶっ通しで歌い続ける合唱形式のカラオケ。
- コンサート
- アニメや特撮の主題歌・挿入歌を歌った歌手による正式なコンサート。
- マスカレード(=コスプレ)
- 参加者は会場内で自由にコスプレをしても良いことになっている。参加者は思い思いの格好で会場内を闊歩している。親子で行なうものも多い。優れたコスプレイヤーを選出し、表彰するコンテストやコスプレイヤーによる寸劇が行われることもある。
- ディーラーズルーム
- SFに関連した古本や復刻版、アイテム、フィギュア、同人誌の販売を行なう。次回以降の日本SF大会の参加申し込み受付や、その他イベントの受付を行う場合もある。
- 新聞発行
- 時刊新聞あるいは時間報と呼ばれる新聞が会場内で1時間に1回以上発行されている。掲載されているのは各分科会で起きた椿事や著名なゲストの来訪、分科会の予告と宣伝、ビッグネームファンと呼ばれるゲストによるコメントやイラストである。日本SF大会実行委員会とは独立して運営されている。
- ファン同士の交流
- SF大会は見知らぬ他人同士が知り合うための場でもあり、遠隔地に離れ離れとなった知人と顔を合わせる場でもある。
- 日本SFファングループ連合会議定期総会
- 全国から参加した加盟SFファングループが、その大会で発行される星雲賞各賞の承認、翌々年の日本SF大会開催地決定などを行なう。
- 暗黒星雲賞への投票
- 大会が開催されている会場内で行なわれたことになら何でも投票できる投票内容無制限の投票が開催期間中行なえる。組織票その他の不正手段を講じることが許されている。会場となったホテルや旅館の食事・対応が良いと、そこの女将が投票され受賞したり、単に天候が授賞することがある。
- 各種賞の発表・授与
- 閉幕式で行われる。(一部開幕式で行われることもある)(各種賞については下記)
- キッズルーム
- 親子で参加する参加者が増えたために子供が遊ぶために設けられたコーナー。
- 食事
- 大会として実行される場合とされない場合があるが、地方での場合、重要視されることがある。
- 移動
- 大会が首都圏から離れた場所等で開催される場合等、実行委員会あるいは有志の企画として、大会会場への移動手段が用意される場合がある。この場合、貸切ないしは一部貸切を図るため、大会参加者のプレ企画あるいはプレ宴会会場の様相を示すことがある。過去には、船・鉄道・バス等各種の交通手段を貸切行われた例がある。
- 合宿
- 都市型大会の場合、大会で宿泊を用意しないため、大会公認の合宿や、非公認で参加者独自の合宿がひらかれる。その中でも分科会がさらに行われることもあるが、往々にして宴会が最大の分科会になることがある。
- 睡眠
- 合宿形式の場合、分科会が深夜に及ぶため、参加者の体力に応じぎりぎりまで削られる。都市型形式の場合は、比較的とりやすいがそれでも公認・非公認の合宿が実施される場合があり、その場合はけずられる。
- 入浴
- 厳密には分科会ではないが、開催地が温泉地である場合に重要なイベント。
[編集] 日本SF大会席上で授与される主な賞
- 柴野拓美賞
- 日本SFファンダムに対し大きな貢献があった人物に与えられる賞(柴野拓美個人で選定)
- センス・オブ・ジェンダー賞
- ベスト地球・海洋SF賞
[編集] 日本SF大会の歴史
- 1962年 開催地 東京都 愛称 MEG-CON
- 1963年 開催地 東京都 愛称 TOKON
- 1964年 開催地 大阪市 愛称 DAICON
- 1965年 開催地 東京都 愛称 TOKON 2
- 1966年 開催地 名古屋市 愛称 MEICON
- 1967年 開催地 東京都 愛称 TOKON 3
- 1968年 開催地 東京都 愛称 TOKON 4
- 1969年 開催地 熊本県 愛称 KYUKON
- 1970年 開催地 東京都 愛称 TOKON 5
- 1971年 開催地 大阪市 愛称 DAICON 2
- 1972年 開催地 名古屋市 愛称 MEICON 2
- 1973年 開催地 北海道 愛称 EZOCON
- 1974年 開催地 京都府 愛称 MIYACON
- 1975年 開催地 神戸市 愛称 SHINCON
- 1975年 開催地 東京都 愛称 TOKON 6
- 1977年 開催地 横浜市 愛称 HINCON
- 1978年 開催地 神奈川県 愛称 ASHINOCON
- 1979年 開催地 名古屋市 愛称 MEICON 3
- 1980年 開催地 東京都 愛称 TOKON 7
- 1981年 開催地 大阪市 愛称 DAICON 3
- 1982年 開催地 東京都 愛称 TOKON 8
- 1983年 開催地 大阪市 愛称 DAICON 4
- 1984年 開催地 北海道 愛称 EZOCON 2
- 1985年 開催地 新潟県 愛称 GATACON special 夏祭り
- 1986年 開催地 大阪府 愛称 DAICON 5
- 1987年 開催地 石川県 愛称 URACON '87
- 1988年 開催地 群馬県 愛称 MiG-CON
- 1989年 開催地 愛知県 愛称 DAINA CON EX
- 1990年 開催地 東京都 愛称 TOKON 9
- 1991年 開催地 金沢市 愛称 i-CON
- 1992年 開催地 横浜市 愛称 HAMACON
- 1993年 開催地 大阪市 愛称 DAICON 6
- 1994年 開催地 沖縄県 愛称 RYUCON
- 1995年 開催地 浜松市 愛称 はまなこん
- 1996年 開催地 北九州市 愛称 コクラノミコン
- 1997年 開催地 広島市 愛称 あきこん
- 1998年 開催地 名古屋市 愛称 CAPRICON 1
- 1999年 開催地 長野県 愛称 やねこん
- 2000年 開催地 横浜市 愛称 Zero-CON
- 2001年 開催地 千葉県 愛称 未来国際会議
- 2002年 開催地 島根県 愛称 ゆ~こん
- 2003年 開催地 栃木県 愛称 T-3
- 2004年 開催地 岐阜市 愛称 G-CON
- 2005年 開催地 横浜市 愛称 HAMACON 2
- 2006年 開催地 宮城県 愛称 みちのくSF祭ずんこん
- 2007年 開催地 横浜市 愛称 Nippon 2007(世界SF大会・ワールドコンとの共催)
- 2008年 開催地 岸和田市 愛称 DAICON 7