新幹線通勤
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新幹線通勤(しんかんせんつうきん)とは、毎日の通勤手段として新幹線を利用することをいう。
「地価高騰の産物」のイメージが強いが、その歴史は古く、東海道新幹線開業の1964年の時刻表に既に「熱海からでも東京へ通勤通学が可能」といった文章が見受けられる。但し、一般化するのはイメージの通り、やや時代を下ってからである。
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[編集] 定期券の種類
規則上は特別企画乗車券の扱いとなっている。(定期乗車券の記事参照)
- 通勤(フレックス)
- 通学(フレックスパル)
- 幼稚園児用の設定もある。実際の発売実績については不明。
九州新幹線については通勤・通学の別に依らず「つばめエクセルパス」の名称である。
[編集] 利用状況
主たる利用地は首都圏、近畿圏であるが、新幹線の走っている場所ではどこでも、多かれ少なかれ利用されている。
地価高騰により、特にバブル期には在来線による通勤圏での自家購入が困難となった。 このため、従業員の福利厚生の一環としての意味も含め、「新幹線通勤制度」を設け、定期代を支給ないしは補助する企業が現れ、利用に拍車がかかった。
また、企業が定期代を負担しない場合でも、新幹線通勤を選択する向きもあった。 これは総負担額の問題で、「新幹線通勤費の自己負担額 + 住宅ローン < 在来線通勤圏に家を購入した場合のローン」、となるほどの状況であったからである。(その上、通勤時間の短縮といわゆる「痛勤」の回避もメリットとして挙げられる)
なお、新幹線通勤制度では、東京駅を基準とする場合、以下の制限を設けることが一般的であった。
要は、新横浜や大宮から東京、といった在来線通勤圏内での利用は認めない、ということである。
しかし、近年の地価下落による都心回帰傾向から、新幹線通勤は下火に向かっており、利用者がいない/少ないことから、新幹線通勤制度を廃止する企業も出てきている。
[編集] 全車指定席区間について
東北新幹線盛岡駅~八戸駅間は原則として全席指定席となっている。そのため、仙台駅~八戸駅間では、全車指定席列車については定期券利用者は普通車の空いている席に座れるという扱いを行っている。もしその席の指定券を持っている乗客が来たら別の席に移動することになる。満席の場合は立席となる。