忠臣蔵1/47
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忠臣蔵1/47は、2001年12月28日にフジテレビで放映された時代劇ドラマ。
忠臣蔵四十七士のうち、唯一人を斬った経験のある男といわれ、その名を日本中に知られた剣豪・堀部安兵衛に木村拓哉が挑戦したテレビドラマスペシャル。大石内蔵助が主人公ではないという忠臣蔵のなかでは異質な作品。タイトルの1/47もその意味であろう。
[編集] あらすじ
中山安兵衛(木村拓哉)が、高田馬場の決闘で人を斬るところからはじまる。この決闘の見物客の中に偶然、赤穂藩士堀部弥兵衛(杉浦直樹)と堀部ほり(深津絵里)がいた。途中、安兵衛の紐が切れてしまったが、ほりがしごきを渡し、安兵衛はこれを使って戦いに戻り、敵三人を見事に斬り捨てた。この戦いぶりに感動した堀部弥兵衛は安兵衛を婿養子入りさせたいと願うようになる。
遠く播磨国赤穂藩にもこの噂は届き、赤穂藩重臣たちもこの話をしていた。安兵衛を「武士の鑑」と賞賛するものもいれば、「時代錯誤の汚らわしい人斬り」と非難するものもいる。重臣達は、筆頭家老大石内蔵助に意見を求めた。これに対して内蔵助は、「自分は安心しました。そんな程度のことがこの赤穂にまで届くようなら、江戸では何事も起こっていない平和な日々だということでしょう。殿も無事でおられるはず」と一人視点が違う。重臣達は皆あきれたが、これが内蔵助という男だった。
一方、一流品が大好きな幕府高官吉良上野介(津川雅彦)もこの噂を聞きつけた。堀部安兵衛を呼びつけて、「500石でよいな。自分の家臣になれ。」と誘った。しかし安兵衛は上野介という男から胡散臭さを感じて拒否して帰ろうとする。この様子を見ていた吉良家家臣清水一学が堀部安兵衛の背中めがけて斬りかかろうとするが、安兵衛はすぐさま一学の動きを察知して一学に刀を突きつけて動きを封じた。これを見た吉良上野介は、安兵衛にあきれた。そんなにすぐに抜くのは安っぽい刀の証拠、この仕官の話はなかったことに、と言う。そして去り際にとどめをさす。「私は一流品以外には興味はない」と。安兵衛は上野介の言葉に大きなショックを受けた。
その後、堀部弥兵衛が安兵衛宅を訪れ、堀部家に婿養子にと請う。しかし中山姓を捨てるわけにはいかないと拒否された。弥兵衛はそれでもしつこく誘い、もし自分が勝ったら養子入りをと言い出した。帰らせるにはこれが一番と受けたが、木刀で殴り倒されても殴り倒されても向かってくる弥兵衛。それに感銘を受けた安兵衛はついに婿養子入りを決めた。
主君となった赤穂藩主浅野内匠頭(堤真一)からさっそくお側近くに召された安兵衛。内匠頭は、今度幕府から仰せつかった勅使饗応役について、「指南役の高家吉良上野介に挨拶にいかねばならないが、賄賂を出す気はない。武士に賄賂がはびこるような悪習は絶たねばならない。」と安兵衛にいった。安兵衛は時代の風潮に抗う内匠頭を諌めたが、内匠頭の意見はかわらなかった。
吉良邸への挨拶に派遣された安兵衛は、吉良上野介と再会する。自分のところへの500石での仕官を蹴って浅野家に200石で仕官した安兵衛に対して上野介は明らかに不満そうな様子だった。安兵衛を再び罵って去っていった。その後、上野介は、自分の面目を潰した安兵衛の主浅野内匠頭を勅使饗応指南の際にいじめ抜いた。そして我慢できなくなった浅野内匠頭が吉良上野介に江戸城松の廊下で殿中刃傷に及んでしまう。内匠頭は切腹、赤穂藩は改易となった。
以降、安兵衛は、盟友の高田郡兵衛(妻夫木聡)や奥田孫太夫(上田耕一)とともに江戸急進派と呼ばれる江戸詰め浅野家家臣の勢力の代表格となり、ひたすら吉良邸討ち入りを志したが、妻の堀部ほりは死に急ぐ安兵衛を嫌がり、離婚して去ってしまう。
また肝心の国許の筆頭家老大石内蔵助もその気になってくれない。内蔵助は京都の色町で遊び呆けているだけだった。だんだん安兵衛率いる江戸急進派の足並みもくずれ、高田群兵衛は脱盟したいと申し入れてきた。怒る安兵衛に対して群兵衛は叫んだ。「オレはお前みたいに強くない。」
安兵衛はいよいよ内蔵助を見限り、斬り捨てることを決意して上京した。内蔵助は仇討ちよりお家再興と主張し、斬りたければ斬るがいいと背中を向けて座る。安兵衛には斬れなかった。「武士が背中から斬りかかることなどできるか」と言って。 安兵衛は「武士は主君のために死ぬための者ではないのか?なぜ放蕩などしている?」と内蔵助に聞く。内蔵助ははっきりとは答えない。ただ一つだけ言った。「よく生きる事ができない者はよく死ぬ事もできはしない」と。
[編集] 史実との違い
堀部安兵衛一人にスポットライトをあてているため、史実とかけ離れたところもある。たとえば堀部家に婿入りして浅野家に仕官した直後に松の廊下事件が起きたり、吉良上野介が高田馬場の決闘のあと安兵衛を「500石で召抱えたい」とお呼びをかけたり(史実の吉良家はわずか4200石しかない。吉良家家臣は小林平八郎と斎藤宮内の150石取りが最上。旗本の家臣に500石というケースはまずありえない)、「南部坂雪の別れ」の場面では瑤泉院のもとには大石内蔵助ではなく堀部安兵衛が行く(正確には内蔵助も討ち入り直前には瑤泉院とは謁見していないが、忠臣蔵ものでは必須のシーンになっている。この変更は忠臣蔵ドラマとしては重大)などである。また「四十七士の中で人を斬った事があったのは安兵衛だけだった」というのも実際には定かではない(堀部弥兵衛・不破数右衛門・神崎与五郎などには人斬り説がある。詳しくは各人の項目参照)
しかしこれらは話をコンパクトにしたり、人物関係に深みを持たせて面白くしたり、安兵衛を特に目立たせたり、などの効果があるので、ドラマ的には必要であったのであろう。
[編集] キャスト
- 堀部安兵衛・・・木村拓哉
- 大石内蔵助・・・佐藤浩市
- 堀部ほり・・・深津絵里
- 浅野内匠頭・・・堤真一
- 大石主税(松之丞)・・・岡田准一
- 高田郡兵衛・・・妻夫木聡
- 奥田孫太夫・・・上田耕一
- 柳沢吉保・・・大杉漣
- 小林平八郎・・・綿引勝彦
- 清水一学・・・池内博之
- 大野九郎兵衛・・・金田明夫
- 菅野六郎左衛門・・・神山繁
- 富士見・・・松雪泰子
- 瑤泉院(あぐり)・・・松たか子
- 松吉・・・國村隼
- 大石りく・・・小林聡美
- 吉良上野介・・・津川雅彦
- 堀部弥兵衛・・・杉浦直樹
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