志帥会
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志帥会(しすいかい)は、自由民主党の派閥。通称は村上・亀井派→江藤・亀井派→亀井派→旧亀井派→伊吹派。
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[編集] 志帥会役員構成
[編集] 沿革
1998年、政策科学研究所(旧渡辺派)の後継をめぐり、山崎拓らが近未来政治研究会(山崎派)を結成して分離した。派閥のオーナーであった中曽根康弘らは、清和会から離脱した亀井静香のグループと合流し、1999年3月18日に「志帥会」を結成した。孟子の「志は気の帥なり」から命名。当初は、村上正邦が「成蹊会」を発案したが「成蹊大学のOB会のような名前だ」と不評であったため、変更された。
数は中曽根系の方が多かった。中曽根系は山崎派との分裂の際に、政策科学研究所の若手はほぼ山崎派に移行した為、ベテラン議員が多かった。
初代会長は、参議院自民党幹事長を務め「参議院の法王」の異名を取った村上が、会長代行に亀井がそれぞれ就任した。村上が参議院議員会長に選出されたことを受けて、第二代会長に江藤隆美が就任した。江藤は、いわゆる「抵抗勢力」の代表として、小泉純一郎の批判にまわった。
江藤の政界引退表明を受けて2003年10月10日に亀井が第三代会長に就任したが亀井が会長に就任してから間もなく、同年の第43回衆議院議員総選挙における公認問題を巡って、同派の最高顧問だった中曽根が小泉首相から直々に政界引退の引導を渡された。また、当時落選中だった同派の元幹部・与謝野馨は、「(志帥会は)地方への利益誘導を進める抵抗勢力の印象が強い。都市部を地盤とする自分にはそぐわない」として派閥を離脱、同年議員に返り咲いた後も無派閥を選択した。続いて2004年には亀井派長老の武藤嘉文が亀井の派閥運営を批判して派閥を脱会し、旧中曽根系と亀井系との埋まらぬ溝を露呈した形となった。 当時、志帥会の総裁候補は亀井であり、亀井の次は平沼赳夫(亀井グループ)と目された。また、それまで入閣も数が少なかった亀井グループの方が優遇されており、中曽根系のベテランの中には不満がたまっていた。
2005年の郵政民営化法案の審議を巡っては、亀井や平沼ら反対派とこの方針に与しない賛成派との確執が表面化し、2005年8月15日派内の混乱の責任をとって派閥会長を辞任した。第44回衆議院議員総選挙では党公認を得られなかった衆院法案反対組のうち、亀井らは8月15日に国民新党に参加し、亀井と行動を共にしなかった平沼らは無所属となった。そして,小林興起・荒井広幸は新党日本に参加する。また同派出身の閣僚で解散に異を唱えた島村宜伸が農相を罷免された。結局自民党が選挙で大勝する中、亀井ら法案反対組の勢力を失ったことにより、同派は伸び悩む。さらに法案否決への流れを作った同派参院会長の中曽根弘文はかつては次期参議院議長とまで言われたが、大きく面目を失った。
2005年9月15日、郵政民営化法案に賛成した伊吹文明会長代行が派閥の代表に内定したが、派内に反発の声もあり正式就任は見送られた。同年12月14日に反対していた島村を名誉会長に棚上げすることで、伊吹の正式な会長就任の運びとなった。
亀井が自民党を脱党した後、「亀井派」のイメージを払拭する為に派閥の名称を変更する事も検討されていたが、結局は有耶無耶になっている。亀井・平沼がいなくなってからは独自の総裁候補を持たないが、伊吹は高齢の上さほど求心力も無いため、中川昭一が潜在的な総裁候補と目される。
[編集] 志帥会所属議員
衆議院議員(20名) | |||
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島村宜伸(9回、東京17区) | 伊吹文明(8回、京都1区) | 中川昭一(8回、北海道11区) | 谷津義男(7回、群馬3区) |
河村建夫(6回、山口3区) | 萩山教嚴(6回、比例北陸信越) | 松岡利勝(6回、熊本3区) | 柳本卓治(5回、比例近畿) |
小島敏男(4回、埼玉12区) | 中野清(4回、埼玉7区) | 西川公也(4回、栃木2区) | 西川京子(3回、福岡10区) |
増原義剛(3回、広島3区) | 吉田六左エ門(3回、比例北陸信越) | 宇野治(2回、比例近畿) | 谷公一(2回、兵庫5区) |
松浪健太(2回、大阪10区) | 鍵田忠兵衛(1回、比例近畿) | 松本洋平(1回、東京19区) | 山本朋広(1回、比例近畿) |
参議院議員(14名) | |||
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倉田寛之(4回、千葉県) | 中曽根弘文(4回、群馬県) | 狩野安(3回、茨城県) | 小野清子(3回、比例区) |
矢野哲朗(3回、栃木県) | 魚住汎英(2回・衆院2回、比例区) | 大野つや子(2回、岐阜県) | 保坂三蔵(2回、東京都) |
三浦一水(2回、熊本県) | 椎名一保(2回、千葉県) | 中川義雄(2回、北海道) | 桜井新(当選1回・衆院6回、比例区) |
柏村武昭(1回、広島県) | 秋元司(1回、比例区) |