平成5年8月豪雨
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平成5年8月豪雨(へいせい5ねん8がつごうう)は、1993年8月1日に鹿児島県姶良郡を中心とした地域を襲った集中豪雨いわゆる8.1豪雨(8.1水害)と、同年8月6日に鹿児島市を中心とした地域を襲った集中豪雨いわゆる8.6豪雨(8.6水害)の総称。鹿児島県内のマスコミ各社では8.6水害(はち・ろく・すいがい)のことを指すことが多く、同年9月の台風13号も「8.6水害のあった1993年の台風13号」と紹介される。
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[編集] 豪雨以前の状況
1993年6月から7月にかけて、梅雨前線の影響により鹿児島県を含む九州南部各地で総降水量が1000mmを越え、土石流や浸水の被害が発生した。また、同年7月27日には台風第5号が大隅半島を縦断し、さらに同29日から30日にかけて台風第6号が九州の西側海上を通過し長崎県に上陸、各地に大雨を降らせた。7月27日から30日までの雨量は九州南部各地で100mmから300mmに達した。長期間の降雨により地盤が緩んでいたところに以下の集中豪雨が重なった形となった。
[編集] 8.1豪雨
- 1993年8月1日午後から鹿児島県姶良郡を中心とした地域で1時間あたり最大104mm(観測地点:溝辺町)の強い雨が数時間降り続いた。溝辺町(現在の霧島市溝辺町)の雨量は一日で450mmに達し、鹿児島県中央部の各地で死者23名を出した。
- 各所で土石流が発生し、九州自動車道、国道10号をはじめ多くの道路が通行止めとなった。桜島サービスエリアの建物も土石流の直撃を受けた。日豊本線の国分駅-大隅大川原駅間は線路の盛り土が崩壊するなどの被害を受け長期間にわたって不通となり、バスによる代替輸送が行われた。
- 鹿児島県姶良郡及び国分市(現在の霧島市)を流れる天降川が増水し、流域各所で被害が発生した。上流部の横川町(現在の霧島市横川町)中心部において244戸が浸水の被害を受け、中流部に点在する新川渓谷温泉郷の宿泊施設も被害を受けた。また、下流部に架かる新川橋と日当山橋が破損し通行止めとなり、いずれの橋もその後に架け替えられた。
[編集] 8.6豪雨
- 1993年8月6日午後から鹿児島市を中心とした地域で1時間あたり最大99.5mm(観測地点:郡山町)の強い雨が数時間降り続いた。鹿児島市の雨量は一日で259mmに達し、鹿児島市内を中心として死者48名、行方不明者1名を出した。
- 鹿児島市中心部を流れる甲突川が増水し、江戸時代に架けられた甲突川五石橋のうち新上橋と武之橋が流失した。また、川からあふれた水により流域の約12000戸が浸水の被害を受けた。川沿いを通る国道3号は鹿児島市草牟田付近で深さ約2mの水に浸かり、鹿児島市小山田町付近も陥没するなどして長期間にわたって通行止めとなった。
- 鹿児島市北部の竜ヶ水地区では約4kmの区間内に22カ所の土石流が発生し、この地区を通過する国道10号では約1200台の車が動けなくなった。また、日豊本線の竜ヶ水駅で立ち往生した旅客列車が土石流に巻き込まれて大破したが、乗客は乗務員の指示により避難した後であった。住民と、列車の乗客や車の運転者を含めた約2500人が周囲から孤立し、近隣の漁船と桜島フェリーによって海上から救出された。国道10号はその後しばらく通行止めとなり、復旧後この区間には雨量計が設置され連続総雨量が200mm以上になると通行が制限されるようになった。日豊本線鹿児島駅-国分駅間は同年9月18日まで不通となり、加治木港からの船舶や、バスによる代替輸送が行われた。
[編集] 参考文献及び参考リンク
- 鹿児島県総務部消防防災課編 『平成5年夏鹿児島県豪雨災害の記録』 鹿児島県、1995年。
- 鹿児島県における主な気象災害(鹿児島地方気象台)
- 災害をもたらした気象事例(気象庁)
- 鹿児島県下の雨量と過去の土砂災害(鹿児島県)