小林麻美
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小林 麻美(こばやし あさみ、本名・田邉稔子(たなべとしこ・旧姓小林)1953年11月29日 - )は、かつて活躍した歌手・女優・モデル。東京都大田区生まれ。
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[編集] 来歴・人物
当時、所属していた芸能事務所は田辺エージェンシー。
長い髪、陰のある表情、スラっと背が高く病的に細い身体、柳腰、寡黙など、男が理想とする美女の一典型である。強い女性が持てはやされる時代で、今や死語になりかけている“アンニュイ”な女性の元祖でもある。映画・ドラマなど彼女の残した映像作品は多くなく、今その姿を見る事はあまり出来ない。松田優作に懇願されて出演した映画『野獣死すべし』などは、ファンにとっては有り難いものである。デビュー時の工藤静香を小林とダブらせる人もいた。
[編集] 略歴
- 1970年、高校在学中にライオンのコマーシャルに出演しデビュー。
- 1972年、東芝レコード(現・東芝EMI)から『初恋のメロディー』で歌手デビュー。
- 1975年、ニッポン放送『オールナイトニッポン』(火曜1部)パーソナリティー。
- 1978年、舞台『ガラスの家』(西武劇場 (現:PARCO劇場))に出演。
- 1980年、映画『野獣死すべし』に出演。
- 1981年、映画『真夜中の招待状』に出演。
- 1984年、CBSソニーに移籍し、ガゼボの『アイ・ライク・ショパン』に松任谷由実が日本語詞を付けたカバー曲、『雨音はショパンの調べ』が大ヒットした。しかしテレビで歌う事は無かった。
- 1988年、武道館コンサート『HUMIDITY』を開催。
- 1991年、所属事務所の社長である田邊昭知と結婚し、引退した。
[編集] 音楽
[編集] シングル
- 初恋のメロディー(1972年8月5日)
- 落葉のメロディー(1972年12月20日)
- 恋のレッスン(1973年4月20日)
- ある事情(1974年10月5日)
- アパートの鍵(1975年2月20日)
- 私のかなしみ(1975年7月5日)
- 夢のあとさき(1977年2月20日)
- 雨音はショパンの調べ(1984年4月21日)
- 哀しみのスパイ(1984年8月25日)
- 雨音はショパンの調べ(1984年11月21日) ※12inchシングル
- シフォンの囁き(1985年5月22日)
- 移りゆく心(1987年3月5日)
- I MISS YOU(1987年6月21日)
[編集] アルバム
- 落葉のメロディー(1973年2月20日)
- 20才の愛(1974年12月1日)
- パステル色の愛(1975年7月20日)
- CRYPTOGRAPH~愛の暗号(1984年8月25日) - キイワードはラフマニノフ・・・・・・。華麗なるサスペンス。物語はショパンから始まった。
- 月影のパラノイア (作詞作曲:Gazebo, P.L.Giombini 日本語詞:松任谷由実 編曲:新川博)
- 微熱 (作詞:小林麻美 作曲:加藤和彦 編曲:武部聡志)
- TYPHOON (作詞作曲:松任谷由実 編曲:武部聡志)
- グランプリの夏 (作詞:小林和子 作曲:井上陽水 編曲:武部聡志)
- TRANSIT (作詞:松任谷由実 作曲:井上陽水 編曲:武部聡志)
- Sugar Shuffle (作詞作曲:Lynsey De Paul, Barry Blue 日本語詞:小林麻美 補作詞:松任谷由実 編曲:武部聡志)
- 恋なんてかんたん (作詞作曲:松任谷由実 編曲:武部聡志)
- アネモネ (作詞:安井かずみ 作曲:玉置浩二 編曲:武部聡志)
- 雨音はショパンの調べ (作詞作曲:Gazebo, P.L.Giombini 日本語詞:松任谷由実 編曲:新川博)
- Lolita Go Home (作詞作曲:S.Gainsbourg, Ph.Labro 日本語詞:小林麻美 編曲:つのこうじ)
- ANTHURIUM~媚薬(1985年7月1日)
- 幻惑 (作詞作曲:大貫妙子 編曲:井上鑑)
- 幻の魚たち (作詞作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
- LOVE SUGAR (作詞作曲:Christian Holl, Phillippe Holl 日本語詞:小林麻美 編曲:井上鑑)
- 砂に消えたカサノバ (作詞作曲:Christian Holl 日本語詞:小林和子 編曲:井上鑑)
- ひき潮 (作詞作曲:大貫妙子 編曲:井上鑑)
- 金色のライオン (作詞:小林麻美 作曲:松任谷由実 編曲:井上鑑)
- 腕の中のサハラ (作詞作曲:Christian Holl 日本語詞:芹沢類 編曲:井上鑑)
- 夏の嵐 (作詞作曲:Christian Holl 日本語詞:有川正沙子 編曲:井上鑑)
- 水晶の朝 (作詞:小林和子 作曲:松任谷由実 編曲:井上鑑)
- シフォンの囁き (作詞作曲:Christian Holl 日本語詞:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
- GREY(1987年3月21日) - 華やかに甘くせつなく物憂いに悩ましく。小林麻美、華麗なる総集編。
- EROTIQUE (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- 愛のプロフェッサー (作詞:C.Ferrandi 作曲:P.Cassano 日本語詞:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- 移りゆく心(album version) (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- 夜の響きを聞いている (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- 昼の三日月 (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- I MISS YOU (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- 飯倉グラフィティー (作詞:松任谷由実 作曲編曲:後藤次利)
- ルームサービス (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- 遠くからHAPPY BIRTHDAY (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
- GREY (作詞作曲:松任谷由実 編曲:後藤次利)
[編集] ビデオ
- CRYPTOGRAPH~愛の暗号(1984年10月21日) - 今、最もセンセーショナルな話題を集めている小林麻美が、初めてその姿をあらわす。「哀しみのスパイ」「雨音はショパンの調べ」の鮮やかなメロディーが、ミステリアスに、そして美しく彼女を包み込む・・・・・・。
[編集] 出演
[編集] 映画
[編集] テレビドラマ
- 美人はいかが? (1971年10月24日~1972年4月16日、TBS)
- だから大好き!(第6話) (1972年、日本テレビ)
- 光る海 (1972年10月2日~1973年3月26日、フジテレビ)
- マチャアキの森の石松(第15話) (1976年、NET)
- 明治の群像 海に火輪を (1976年2月26日、NHK総合)
- 鳴門秘帖 (1977年5月6日~1978年3月17日、NHK総合)
- 淋しいのはお前だけじゃない(第7話) (1982年、TBS)
- 花祭 (1982年6月9日~1982年10月6日、フジテレビ)
- 太陽にほえろ!(第524話)/ラガーのラブレター (1982年9月24日、日本テレビ)
- どっきり天馬先生~めだかの兄弟は大きくなったら何になる?~ (1983年6月6日、フジテレビ)
- ザ・サスペンス/奪われた遺書 (1983年9月3日、TBS)
- 胸さわぐ苺たち (1983年10月13日~1984年1月12日、TBS)
- 大奥(第45・46話) (1984年、関西テレビ)
- 宮本武蔵 (1984年4月4日~1985年3月13日、NHK総合)
- 安寿子の靴 (1984年10月13日、NHK総合)
- 匂いガラス (1986年11月8日、NHK総合)
- ダックスフントのワープ (1989年11月11日、NHK総合)
[編集] テレビ
[編集] ラジオ
- 小林麻美のオールナイトニッポン (ニッポン放送)
- 今夜だけシンデレラ (ニッポン放送)
[編集] コマーシャル
[編集] 著書
- 『ブルーグレイの夜明け』(1976年、ペップ出版)
- 『あの頃、ショパン』(1984年6月4日、文化出版局)
- 『CRYPTOGRAPH~愛の暗号』(1984年10月21日、CBSソニー出版) - 言葉にしたら、終ってしまう。形が見えたら、消えてしまう。だから、言わせないで私に・・・・・・。
- 『私生活-PRIVE』(1985年6月、小学館) - エルメスのケリー・バック。くちなし色のストッキング、真珠のピアス、リボン、黒いシーツetc―長い時を経て生き残ったものたち。思いがけない都会の雪、路地裏の光線―一瞬のきらめきを見せる風景。おいしいごはんの味を知っているいい男―頑丈でたおやかで繊細な人たち。大好きなものたちへの「愛しさ」「はかなさ」を、麻美が写し、綴った、美しいフォトエッセイ。
- 『ラ・ローズ・ノワール』(1987年8月25日、河出書房新社) - 小林麻美フォトロマン。失なわれた時を撮る。この街はすべてが紙一重、背中合せ。美しいものも醜いものもの、真実も嘘も、わたしもあなたも…。生きていくことのはかなさを永遠の歓喜に生まれ変わらせる麻美の眩しい闇。
- 『34(サーティフォー)』(1988年6月25日、河出書房新社)
- 『愛、あなたにとどけ』(1989年12月10日、PARCO出版局) - 小林麻美オリジナルポストカードブック。