妻線
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妻線(つません)とは、宮崎県宮崎郡佐土原町(現・宮崎市)の佐土原駅と西都市の杉安駅とを結んでいた、日本国有鉄道(国鉄)の鉄道路線(地方交通線)である。1980年の国鉄再建法施行にともない第1次特定地方交通線に指定され、1984年に全線が廃止された。
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[編集] 路線データ(廃止時)
[編集] 歴史
妻線は、宮崎駅に最初に乗入れた鉄道である。宮崎駅へは現在の吉都線を経由して都城方面から官設鉄道(宮崎線)が延伸されるはずであったが、工事が遅れ、1913年に先に妻方面への宮崎県営鉄道が開業を果たしたものである。宮崎駅へは1916年10月に宮崎線が到達、県営鉄道も1917年9月に買収・国有化され、妻軽便線(つまけいべんせん。1922年に軽便鉄道法廃止により妻線に改称)となった。1920年9月には、宮崎本線の高鍋延長にともない、広瀬駅を移転して分岐駅とし、宮崎~広瀬間を妻軽便線から分離して宮崎本線に編入した。1922年8月には妻~杉安間が開業し、全通した。
1944年には、末端部の妻~杉安間が不要不急線として休止となったが、1947年に復活している。
結局実用化はされなかったが、貨物輸送の合理化のために試作された気動貨車キワ90形の試用線区となるなど、典型的なローカル線であり、1968年には赤字83線の一つとして廃止を勧告され、1980年の国鉄再建法の施行により第1次特定地方交通線に指定、1984年に廃止された。しかし、地元の鉄道への愛着は深く、廃止時の協定により、将来の復活に備えて、全線にわたり線路が撤去されずに残されている(自転車歩行者専用道路として現在利用されている)。
また、改正鉄道敷設法別表第122号には、終点の杉安から湯前線湯前への予定線が計画されていたが、着工されないまま1944年に省営バス(国鉄バス)路線が開設された。一時は日肥本線として路線が人吉に拡大されるなど隆盛を見せたが、1997年にJR九州バスが撤退し、2004年現在、西米良村営バスと宮崎交通バスにより営業が継続されている。
- 1913年12月25日 【開業】宮崎県営鉄道 宮崎~福島町 【駅開業】宮崎、花ヶ島、蓮ヶ池(初代)、次郎ヶ別府、広瀬(初代)、福島町
- 1914年4月26日 【延伸開業】福島町~佐土原 【駅開業】佐土原(初代)
- 1914年6月1日 【延伸開業】佐土原~妻 【駅開業】黒生野、妻
- 1917年9月21日 【買収・国有化】妻軽便線 宮崎~妻 【駅廃止】蓮ヶ池(初代)
- 1920年9月11日 【起点変更】広瀬~妻(宮崎本線広瀬(2代)~高鍋間開業にともない、宮崎~広瀬間を宮崎本線に編入) 【駅新設】広瀬(2代) 【駅廃止】広瀬(初代)、福島町 【駅所属線区変更】花ヶ島、次郎ヶ別府
- 1922年8月20日 【延伸開業・全通】妻~杉安 【駅新設】穂北、杉安
- 1922年9月1日 【線名改称】妻軽便線→妻線
- 1944年12月1日 【休止】妻~杉安 【駅休止】穂北、杉安
- 1947年3月20日 【営業再開】妻~杉安 【駅再開】穂北、杉安
- 1965年6月1日 【駅名改称】佐土原(初代)→西佐土原
- 1965年7月1日 【駅名改称】広瀬→佐土原(2代)
- 1972年3月15日 【貨物営業廃止】全線(-19.3km)
- 1981年9月18日 第1次特定地方交通線として廃止承認
- 1984年12月1日 【廃止】全線(-19.3km) バス転換
[編集] 駅一覧
- 佐土原駅(さどわらえき)
- 当線の起点。詳しくは駅の記事を参照のこと。
- 西佐土原駅(にしさどわらえき)
- 佐土原起点6.0km。廃止時は1面1線の委託駅であった。
- 歴史:1914年4月26日佐土原駅として開業、1965年6月1 西佐土原に改称
- 黒生野駅(くろうのえき)
- 佐土原起点10.0km。妻線でもっとも乗降が少なかった。廃止時は1面1線の無人駅であった。
- 歴史:1914年6月1日開業
- 妻駅(つまえき)
- 歴史:1914年6月1日開業
- 穂北駅(ほきたえき)
- 佐土原起点16.7km。廃止時は1面1線の業務委託駅であった。
- 歴史:1922年8月20日開業、1944年11月11日休止、1947年3月20日復活
- 杉安駅(すぎやすえき)
- 佐土原起点19.3km。当線の終着駅。廃止時は1面1線の無人駅であった。
- 歴史:1922年8月20日開業、1944年11月11日休止、1947年3月20日復活
[編集] 接続路線
- 佐土原駅:日豊本線