大脱走
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大脱走(だいだっそう 原題The Great Escape)は、1963年制作のアメリカ映画。ジョン・スタージェス監督。日本でも大ヒットした映画史に輝く名作である。
第二次世界大戦中の1944年に、実際にドイツ軍管轄下の捕虜収容所(ドイツ・サガン近郊、独軍第3捕虜収容所)でイギリス空軍少佐ロジャー・ブッシェル指揮のもと起こった脱走劇を映画化したもの。1963年に公開されその後何回かリバイバル公開された。 ハヤカワ文庫からは史実を綴った『大脱走』(ポール・ブリックヒル著)が出版されており現在でも入手可能である。また、PS2でゲーム化もされているが評価は分かれる。
スティーブ・マックイーン扮するヒルツがオートバイで脱走する姿は、映画屈指の名シーンとして称えられる。
メインテーマのエルマー・バーンスタイン作曲の『大脱走マーチ』 (The Great Escape March) は有名。
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[編集] スタッフ
- 製作・ジョン・スタージェス、(ジェームズ・クラヴェル ※アンクレジット)
- 監督・ジョン・スタージェス
- 原作・ポール・ブリックヒル
- 脚色・ジェームズ・クラヴェル、W・R・バーネット
- 撮影・ダニエル・ファップ
- 音楽・エルマー・バーンスタイン
- 編集・フェリス・ウェブスター
- 提供・ユナイテッド・アーティスツ
[編集] キャスト
- スティーブ・マックイーン(独房王・ヒルツ)
- ジェームズ・ガーナー(調達屋・ヘンドリー)
- リチャード・アッテンボロー(ビッグX・バートレット)
- ジェームズ・コバーン(製造屋・セジウィック)
- チャールズ・ブロンソン(トンネルキング・ダニー)
- ドナルド・プレザンス(偽造屋・コリン)
- デイヴィッド・マッカラム(砂処理屋・アシュレー)
- ハンネス・メッセマー(ルーガー所長)
- ジェームズ・ドナルド(先任将校・ラムゼイ)
- ゴードン・ジャクソン(マクドナルド中尉)
[編集] エピソード
- この脱走により、捕虜の捜索にドイツ軍は7万もの兵士を投入するなど多大な労力を要し、結果的に連合国にとって戦局を有利に導いた事はあまり知られていない(史実では、この大脱走は連合軍のノルマンディ上陸作戦と合わせて実行された。映画では7月4日の独立記念日などが来てしまっているため、正確な時の運びではない)。なお、脱走に頭を痛めたドイツ軍は50名もの脱走兵を殺害している。(けが人がいないなどの不自然さがあるのでこれは確かである) 映画内で示されるこの人数はほぼ史実通りである。逃走76名、内射殺が50名、連れ戻されたのが12名。差し引きの14名の内、無事帰国の途につけたのは僅か3名と言われている。実際、映画でもダニーとウィリーの2人、セジウィックのみが無事逃走に成功している。
- この大脱走の引き金になっている脱走がある。
- 公開時マックィーンがバイクアクションを全編ノースタントで行ったと宣伝されたが、実際は映画会社の許可がおりず、一部の危険なジャンプシークエンスについてはバド・イーキンズが代行した。
- 脱出するために掘る穴での作業の描写に関しては、ダニーを演じたチャールズ・ブロンソンのアドバイスが生かされている(彼は少年時代、兄弟と共に炭坑夫として働いたことがあった)。
- 何度か、大晦日に紅白歌合戦の裏番組として TV 放映されており、みうらじゅんなどが「年末の風物詩」として採上げていた。
[編集] 日本語吹替
[編集] 関連項目
- 映画
- 大脱走2脱出編・復讐編