吉宗
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吉宗(よしむね)とは大都技研が2003年7月に発売したパチスロ機、また、それをモチーフにしたアニメ作品である。業界初のシャッター付き液晶搭載機である。
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[編集] 概要
名前の由来は徳川将軍・徳川吉宗から。ピーク時の設置台数は約26万台(2005年11月)と言われ、これはパチスロ機としては北斗の拳(約60万台)に次ぎ、当時歴代第2位の記録であった(現在は北斗の拳SE、押忍!番長等に抜かれている)。また、大量獲得機の中では歴代最大の設置台数。
2004年12月にはプレイステーション2用のソフト『大都技研公式パチスロシミュレーター 吉宗』も発売されており、こちらも販売本数が50万本を超えるヒット作品となっている。2006年6月8日にはPSP(プレイステーション・ポータブル)用のソフト『大都技研公式パチスロシミュレーター 吉宗PORTABLE』も発売された。2006年7月には『大都技研公式パチスロシミュレーター 吉宗』をバージョンアップさせた「大都技研プレミアムパチスロコレクション 吉宗」も発売されている。
またゲーム中で使用されている音楽を収録したサウンドトラックCDも3作品発売され、中でも第1作の『ヨシムネ サウンドトラック』は累計30万枚を売り上げ、パチスロ機のサウンドトラックとしては異例の大ヒットとなった。ビッグボーナス中に流れる歌(吉宗BIG「大盤振舞じゃ!」、姫BIG「そこにあるかも知れない…」)が、パチスロ機のオリジナルソングであるにも関わらず通信カラオケ(DAMなど)に収録されたことも、過去に例のないことである。
2006年4月からは本パチスロ機を元にしたテレビアニメも製作・放送されている。これまでアニメ作品をパチスロ機にした事例、またはパチスロを題材にした漫画のアニメ化はあったが、パチスロ機そのものがアニメ作品になる事例は初のことである。
検定切れのため、2006年7~8月までに順次ホールから撤去された(撤去期限は都道府県により異なる)。しかし依然として吉宗人気は根強いことから、大都技研では後継機種として、爺を主役に据えた5号機『ジイサマーZ2』を開発していることを明らかにしている(なお同機種は、2006年10月に都内で開催された「手軽に安く遊べるパチンコ・パチスロ展示会」において参考出品された)。
[編集] 特徴
711枚が獲得出来るBIGボーナス中に内部では次のボーナス放出を抽選し、当選すれば、ボーナス終了後1ゲーム目に再びBIGボーナスが確定(1G連)するという連チャン仕様(元々は同社のパチスロ機・シェイクから受け継いだもの)が本機最大の特徴で、またたく間に数千枚単位のコインを放出してドル箱の山を築くことから打つ者を魅了し、不動の人気を得た。ツボにはまったときの出玉性能は4号機の中ではトップクラス。その半面、ハマリに陥ったときは約10万円分のコインを簡単に丸飲みにするほどの底無しの状態になるなど、好調不調のアルゴリズムは非常に激しいモンスターマシンである。
まさに「地獄の中の一攫千金」とも言うべき強烈な賭博性はユーザーの勝負心をくすぐり、発売から2年以上経っても人気は衰えることを知らず、圧倒的な設置台数を誇った。また、同じようなスペックの機種も多数発売されている中で、吉宗がそのトップに君臨しているのは、秀逸な演出面においてもユーザーの心を掴み、その人気を裏付ける大きな要因でもある。
成立したボーナスを一旦内部に溜めるストック機能を搭載。主に規定ゲーム数消化がボーナス放出のメインとなる。放出テーブルの異なる3つのモードがあり、出玉の波を演出する。
家紋パネル、吉宗パネル、姫パネル、悪代官パネル、爺パネル、ラブリーパネルの6種類のパネルが存在する。また未発表の幻のパネルが1種類存在する。(大都技研プレミアムパチスロコレクション 吉宗に収録)
なお厳密に言うと、筐体には初期型の「ヨシムネ」(家紋パネル)と中後期型の「ヨシムネS」(吉宗パネル以降)の2種類が存在する。見た目の違いは液晶画面が「ヨシムネ」ではSTN液晶だったものが「ヨシムネS」ではTFT液晶になっていること、リールを固定する金具が変更されリールのブレが抑えられている点。ゲーム性そのものは変わらないが、ゴト対策のために内部の仕様を一部変更している。検定時期が異なるため「ヨシムネ」の方が先に検定切れとなる。
[編集] 主な演出パターン
選択率・厳密な信頼度等については条件により変化するため、本稿では大まかな流れとパターンのみ解説する。
- 前兆演出
- 小役の告知、姫や忍者、婆やなどが頻繁に登場すると、一定の割合で特定演出に発展。そのままの状態でボーナスが確定することも。
- やぶさめ演出
- 障子が一旦全閉した後、馬に乗った吉宗が、的の当たりをめがけて矢を射る演出。当たり部分の大きさで信頼度が変化。当たればボーナス確定。1Gのみ。
- 飲み比べ演出
- 継続型演出。吉宗と爺が酒の飲み比べを競い、最終的に爺がダウンすればボーナス確定となる。
- 剣豪演出
- 継続型演出。剣豪とその手下を倒し、最終的に剣豪を倒せばボーナス確定。
- 姫連れ去り演出
- 姫を連れ去った敵を倒せばボーナス確定。キャラによって信頼度が変化。この演出で、ある程度の滞在モード判別も可能。
- 追っかけ演出
- 継続演出型。越後屋、もしくは越後屋と代官の2人を最終的に捕縛すればボーナス確定。
- 高確率演出
- ボーナス放出における前兆演出としての意味合いが強い。この間は「小役告知」「キャラ告知」「家紋アタック」などが発生。何かしらの演出に発展すれば期待は持てるが、そのまま通常画面に戻り、終了することもある。また、高確率演出中にボーナス確定となるパターンもある。
- 鷹狩り演出
- 吉宗が鷹狩りを行う演出。演出の中で突入条件が厳しく、突入したときの期待度はかなり高い。(ただし、突入=ボーナス確定ではない)BGMに加え、「ピ~ヒョロロロロ・・・」と効果音が頻繁に発生する。ボーナスが確定した場合、ほぼ天国モード(193G以内のボーナスが確定)への突入が確定するという大きな特徴を持つ。15G以内に演出が頻発すれば激熱(ほぼボーナス確定)、15G以上は期待が薄くなる(最長G数は高確率演出同様32G)。吉宗で一番目立つ演出
[編集] プレミアム演出
以下に挙げる演出は、発生した時点でボーナス確定となるもの。
- 携帯電話:スタート時、着信音が鳴り吉宗が携帯電話を持つ。
- 忍者が逆さま:忍者通過時、天井を逆さまに走り抜ける。
- 烏龍茶:飲み比べ演出で、吉宗の隣に紙パックの烏龍茶が登場。
- 海パン爺:剣豪との決戦時に、爺が海パン一丁で手助けに参上。
- バイク:追っかけ演出で、吉宗がハーレーに乗っている。比較的発生しやすい。(プレミアではない)
- 婆や連れ去り:姫と間違えて、婆やが連れ去られる。
- サボハニ、鶴:高確率演出中に登場。サボハニは「シェイク」からのゲスト。鶴は松絵柄に書かれている鶴。
- ゴルゴ爺:高確率演出中に登場。銃声の後、「デューク東郷」を模した爺が「爺じゃ」「断る!」と言う。
- 「ガンガン」の効果音:松が菱形に揃うなどの際に、フラッシュと共に「ピギャー」と効果音が発生。左リール中段に松停止からの菱形はBIG確定。
[編集] ボーナス放出契機
- 通常RT消化:天井(1回のハマリの上限回転数)は1921G。ボーナス放出当選の大半がこのパターン。
- 小役解除:チェリー成立の1/16、松成立の1/160で解除に当選。松で解除した場合は次回天国モード(最大193ゲーム以内に必ず次回大当たりが来る、特別なRTテーブルのモード)への突入が確定する。チェリーにおいては、揃った形(単チェリーなど)で判別も可能。
- BIG・REGの内部成立時、解除抽選に当選すれば解除(チャンス目解除):チャンス目出現時の1/13程度で解除。
- 純ハズレ解除:ストック機の場合、一見ハズレ目に見える出目であっても内部的にはリプレイが揃っている状態になっているが、制御で揃わないようにしている。(いわゆる「揃わないリプレイ」)純ハズレは「揃わないリプレイ」でもない、純粋な「ハズレ目」である。当選すれば100%解除。1/3276(設定1)~1/1092(設定6)と設定差が大きい。また純ハズレはBIGボーナスの小役ゲーム中に発生すればその後の1G連3回が確定する。
[編集] BIGボーナス
BIGボーナス消化時は、キャラクターを選択することで異なる3種類の演出を楽しむことが出来、単調になりがちなボーナス中の遊戯の幅を大きくしている。キャラクターに合わせ、BETボタンで決定。
- 吉宗
- BGMは演歌調の「大盤振舞じゃ!」。チャンス告知演出型。小役ゲームは舞台から吉宗が民衆に次々と俵を投げる演出だが、チャンス予告は「チャキッ!」という短めの高音の予告音と共に千両箱を投げようとする。そのままBIG絵柄が揃うか、俵が揃わなければ1G連(もしくはそれ以上の連チャン)が確定する。小役ゲーム時にチャンス予告が発生した時の1G連当選率は1/20程度。発生しない場合はノーチャンス。告知ランプはリール上での当選が確定した場合のみ(例:BIG絵柄揃い、JACハズレ時など)点灯する。JACゲームは吉宗・爺・姫を乗せた輿を民衆が担ぐ演出。
- 爺
- BGMはハワイアン調の「フラウエム」。完全告知演出型。小役ゲーム中に1G連に当選した場合は、レバーONで必ず派手な告知音(「キーン」とも「キャーン」とも言われる)が発生し、告知ランプが点灯する。(ウエイトをかけている状態の場合は音が鳴る前にランプが点灯する)通常の小役ゲーム演出は、爺が自室でハワイ旅行のパンフレットを読んでいるというものだが、1G連が当選すると砂浜のビーチベッドでくつろぐ演出に移行する。更に複数個のBIG放出が確定している場合、ビーチ演出の背景が夕陽に変化。夕陽の状態から更に1G連に当選すると、背景の海で強敵デカ太郎が泳ぐ演出が発生する。JACゲームは夜のビーチで爺と「くの一」がデートをする演出。(BGMがハワイアン調であること、1G連当選前の画面でハワイのパンフレットが目立っているためよく間違えられるが、開発者へのインタビューで『あれは沖縄です。沖スロを意識しているので』という発言がなされている。但し、大都社内では『青背景を沖縄、赤背景がハワイ』として通用している。)
- 姫
- BGMはユーロビート調の「そこにあるかも知れない…」。後告知演出型。小役ゲーム中、JACゲーム中共にレーザー光線演出の中で姫が踊るという演出で、1G連当選時の演出・告知は一切無く、ランプも点灯しない。但し純ハズレ当選時のみ、リールフラッシュが発生する。(当選ゲーム時に目押しでBIG絵柄を揃えた場合は揃った時の効果音が発生する)BIG終了後に、姫(当たり)と婆(外れ)の描かれた札が適宜3枚組み合わさったルーレットが発生し、結果を告知。ルーレット絵柄で期待度が変化。全て「姫」札などの確定パターンもあり。尚、演出をキャンセルすることも出来るが、当選の判断が困難になる。
なお、BGMの歌手名はいずれも未発表。これは大都技研と音楽制作会社の間で取り交わされた契約で大都技研の買取契約する代わりに、クレジットを非公表にする事という条文が付いている為である。噂では大都技研の社員とされているが、それは無い。姫ビッグの「そこにあるかも知れない…」については、設置当初浜崎あゆみに似ているとの評判から「尼崎まゆみ」と噂されていたが、流言の域を出ていない。
[編集] 1G連の条件
全ての当選条件において設定差が無いため、純粋にプレイヤーの運次第となる。ボーナス中1G連に当選して放出されるボーナスは(ストック切れの場合を除き)全てBIGとなる。
複数の条件を満たした場合、重複分も有効となるが、リミッター(上限)が設けられており、1G連4つ目(連チャン5連目)以降は持ち越しがされない。5連目以降のBIGごとに条件を満たした場合は次回の1G連までは有効。
[編集] 小役ゲーム中
- 1G連のフラグ当選
- 厳密に言えば、松またはチェリーのフラグ=1G連フラグとなる。当選時は目押しで7または姫(双方15枚役)を揃えられる。目押しに失敗した場合は俵が揃う。確率は1/170程度で、放出回数は1回or2回。7を揃えた場合は放出回数によって当選ラインを制御で振り分けるため、揃った形で放出回数が判別できる。(後述)
- 7のシングルライン:1G連1回。左リール上段から右下がりの形で揃う。
- 7のダブルライン:本機の両端リールは7が2つ連結して配置されており、両端に連7が停止した状態での7揃いは中央と斜めの2ラインで7揃いが成立する。1G連放出が2回の場合のみ、この形で停止。
- 姫揃い:1G連1回or2回。爺BIG選択時は背景の色変化で判別できることもあるが、既に1つ以上の権利を獲得している場合、及び吉宗・姫BIG選択時は判別不可。
- 純ハズレ当選
- 小役ゲーム中は殆ど15枚役が揃うが、これが何も揃わない状態を言う。確率は1/21845と激低。1G連3回。リール上でV字フラッシュが発生。
- パンク
- 3回全てのボーナスインが出来ず、BIGボーナスを終了した状態。意図的なパンクを除き、2パン(JACゲームを2回しか引けないこと)で1回、1パン(同じく1回しか引けないこと)で2回、0パン(同じく1回も引けないこと)で3回の1G連。
[編集] ボーナスゲーム中
(JACゲーム。BIG・REG共に有効)
- JACゲームで俵8回揃い(REGでも有効)
- 通称俵8連。JACゲーム中の15枚役当選時、押し順により「俵」「リプレイ」のどちらかが揃う様になっている。押し順は第一リール停止が「右」、「それ以外(左・中)」の2通り。俵が揃う1/2の押し順を8連続で正解させた場合、1G連1回。自力での当選確率は1/2の8乗、つまり1/256。
- またBIG中に限り、「前回のボーナス終了時に2回以上の1G連フラグを有しており、且つ最初のJACIN時に、そのBIG中で新たに1G連に当選していない場合」に正解の押し順ナビが発生。ナビ自体は利便上、その都度順押しか逆押しかが指示される。(これは持ち越した1G連フラグを有効にするために、見かけ上俵8連を生じさせるだけのものなので、ナビによる俵8連達成時には1G連の権利は増えない)
- JACハズレ
- 1G連1回。また、俵8連中にJACハズレを挟んだ場合、その後も俵を正解し続ければ俵8連も有効。
[編集] サウンドトラック
- ヨシムネ サウンドトラック(2003年11月)
- ヨシムネ MageMix(2005年1月)
- We Love Yoshimune(2006年8月、2枚組)
[編集] アニメ版
2006年4月から9月まで放送されたUHFアニメ。全24話。DVDが2006年7月よりGDHと大都技研からリリースされている。
[編集] スタッフ
- 原作:大都技研
- 監督:佐藤博暉
- 脚本:佐藤博暉、久島一仁、坂口和久、岡崎純子、長谷川菜穂子
- キャラクターデザイン・総作画監督:堀内博之
- 色彩設計:佐藤直子
- 制作プロデューサー:松崎義之(AICスピリッツ)、長谷川康雄(銀画屋)
- アニメーション制作:銀画屋、AICスピリッツ、ゴンジーノ
- 製作:吉宗製作委員会
[編集] 声の出演
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ:『Brilliant Dream』
- 作詞・作曲:サボハニ 歌:中川翔子
- 尚、中川翔子はきる坊の役で本アニメにも出演していた。
- エンディングテーマ:『お江戸はカーニバル!』
- 作詞・作曲:磯崎健史 歌:サボハニ
[編集] サブタイトル
- 江戸城取り壊し
- 姫様誘拐
- 毬と将軍
- 爺の休暇
- 剣豪吉宗
- 萌えよ婆
- 大怖箱
- 忍の掟、姫の掟
- 怪異美女人形
- 本との恋
- 天女逃亡
- きる坊
- 黒船浮上
- 宗直参上・前篇
- 宗直参上・後篇
- 剣豪二度
- 大奥大迷宮
- 女盗賊
- 花御祓い
- 雪達磨
- 馴染菓子
- 大鰻
- 将軍失踪
- 春、花、爛漫
[編集] 放送局
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 放送曜日及び放送時間 |
---|---|---|---|
東京都 | TOKYO MX | 独立UHF局 | 水曜 26時00分~26時30分 |
北海道 | 北海道放送 | TBS系列 | 月曜 26時25分~26時55分 |
宮城県 | 東北放送 | 土曜 26時10分~26時40分 | |
埼玉県 | テレ玉 | 独立UHF局 | 水曜 25時30分~26時00分 |
千葉県 | チバテレビ | 金曜 26時25分~26時55分 | |
神奈川県 | tvk | 木曜 25時45分~26時15分 | |
静岡県 | テレビ静岡 | フジテレビ系列 | 火曜 26時15分~26時45分 |
愛知県 | テレビ愛知 | テレビ東京系列 | 木曜 25時28分~25時58分 |
大阪府・兵庫県 | サンテレビ | 独立UHF局 | 金曜 26時05分~26時35分 |
広島県 | 広島ホームテレビ | テレビ朝日系列 | 火曜 26時16分~26時46分 |
福岡県 | RKB毎日放送 | TBS系列 | 月曜 26時30分~27時00分 |
[編集] 備考
アニメ「吉宗」を取り上げた一部の記事で「中川翔子が声優初挑戦!」とうたっているが、既に中川は「アイシールド21」で声優として出演していたので誤りである。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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