剛体架線
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剛体架線(ごうたいかせん)とは電気鉄道の給電に用いられる架空電車線(架線)の一種で、剛体(棒状のもの)に直接トロリー線をつけたものをいう。
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[編集] 特徴
架線の断線による落下の危険を物理的に防止できる。また、通常のワイヤーで吊った構造でトロリーの水平を確保する「吊架線」とは異なり、必要とする空間が少ないために、地下鉄道を始めとするトンネル区間において、トンネル断面を小さくできる(車両側で集電装置自体の折りたたみ高さを低くすることも必要)。その反面トロリーが固定されているために、剛性支持となりスライダー(パンタグラフの、架線と接触する部分)の摩耗・離線率などの点では不利となる。これを回避するために、剛体架線の区間に入る車両はスライダーの材質を変更したり、パンタグラフの数を増やしたりしている。
なお、近畿日本鉄道では、新青山トンネルなどのトンネル区間において、一般の架線と同じような構造を持ちながら、トロリー線の剛体化を行った架線を用いている。シンプルカテナリ式およびコンパウンドカテナリ式があり、最高130km/h高速運転と、断線の防止の両立を図っている。
[編集] 使用範囲
架空電車線式の地下鉄の多くで採用されている。また、一般鉄道の地下ターミナル駅などでも、垂直に寸法が取れない場合などに使用されている例がある。
中央本線などのトンネル断面が狭小な区間向けに、高速運転可能な物を開発する研究も進められている。
韓国の韓国鉄道公社盆唐線では、交流電化としては珍しく剛体架線方式を採用している(参考リンク)。
[編集] 剛体架線の採用例
[編集] 関連項目
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