修斗
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修斗(しゅうと)とは、初代タイガーマスクとして知られる佐山聡が1984年に創始した、打・投・極の三位一体を目標とする総合格闘技。創始当初は「シューティング」と名乗り、翌1985年に佐山によって「斗いを修める(たたかいをおさめる)」という意の当て字を使い「修斗=シュート=SHOOTO」という名称が考案された。シュートとは元々は真剣勝負を意味するプロレスラーの隠語であり、プロレス出身の佐山がいわば「真剣勝負のプロレス」を実践しようとしたのが修斗である。
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[編集] 特徴
特にプロ部門において、他の総合格闘技がプロレスの影響を強く受けて興行主が選手や審判員を擁しルールを定めているのに対し、ボクシングのように独立した機関がルールの統括、公式戦の認定、審判員の派遣、さらにはライセンスの発行等を行っている為に試合の中立性、公正性が守られている。この競技を統括する組織体系やプロからアマチュアに至る選手の育成システム、それに伴う選手の技術レベルの高さは日本国内より海外においてその評価が高く、海外の賛同者によって世界各地にオフィシャル団体が立ち上げられており、プロ及びアマチュアの公式戦が各地で活発に開催されている。近年、競合する他の興行団体に有力プロ選手が流出している傾向があるが、技術の高さと選手層の厚さで優秀な人材を数多く輩出し続けている。
[編集] 試合形式
選手の技術レベル、実績によりクラス分けされ、それぞれのクラスにルールや試合形式が設定されている。下記に示すのは主なものである。
[編集] プロ
最も制約の少ないルールが採用され、グラウンドでの打撃も認められる。
- クラスA:5分3ラウンドで行われ、ラウンド間に1分のインターバルがとられる。
- クラスB:5分2ラウンドで行われ、ラウンド間に1分のインターバルがとられる。
[編集] アマチュア
- クラスC:ヘッドギアやレガースの着用が義務付けられ、グラウンドでの打撃は禁止。トーナメントは4分1ラウンド、トーナメントの決勝、ワンマッチは3分2ラウンドで行われる。
- 修斗グラップリング:一切の打撃が禁止。組み技のみで試合が行われる。
[編集] 勝敗
[編集] プロ
- 一本(Submission、S):関節技や絞め技を極められた選手がタップ、あるいはギブアップした場合。
- テクニカル一本(Technical Submission、TS):関節技や絞め技によるレフェリーストップ。
- ノックアウト(Knock Out、KO):ダウンした選手が10カウント以内に試合続行の意思を示せなかった場合。
- テクニカルノックアウト(Technical Knock Out、TKO):打撃によるレフェリーストップやセコンドのタオル投入があった場合
- 判定
- 反則失格
[編集] アマチュア
プロの項に示したものに準ずるが、判定は打撃ポイントと組技ポンイトの合計で勝敗を決する。
[編集] タイトル/選手権
プロは戦績を評価してランキングを作成し、ランカーによってタイトルを争う。
アマチュアは毎年行われる地区予選を勝ち抜いた選手が選手権への出場枠を獲得することが出来る。
[編集] プロ
世界タイトル
環太平洋タイトル
アメリカ大陸タイトル
ヨーロッパタイトル
全日本新人王
[編集] アマチュア
全日本選手権
東日本選手権
西日本選手権
中部選手権
北海道オープン
東北オープン
北陸オープン
中国オープン
四国オープン
九州オープン
東日本フレッシュマン
西日本フレッシュマン
中部フレッシュマン
[編集] 階級
プロ、アマチュア同様に以下の階級が体重別に設定されている。
ミニマム級 | 44.0kg以下 |
ストロー級 | 48.0kg以下 |
フライ級 | 52.0kg以下 |
バンタム級 | 56.0kg以下 |
フェザー級 | 60.0kg以下 |
ライト級 | 65.0kg以下 |
ウェルター級 | 70.0kg以下 |
ミドル級 | 76.0kg以下 |
ライトヘビー級 | 83.0kg以下 |
クルーザー級 | 91.0kg以下 |
ヘビー級 | 100.0kg以下 |
スーパーヘビー級 | 100.0kgから無制限 |
[編集] 修斗及び関連団体の歴史
1984年2月:佐山聡が東京・世田谷区にタイガージムを開設
1985年:競技名に「修斗」を採用
1986年6月:初の大会(プリ・シューティング第1クール)が開催される
1987年3月:修斗協会(現:日本修斗協会)が発足
1989年5月:初のプロ公式戦が行われる
1990年5月:初の王座認定試合が行われる
1990年12月:USA修斗協会が発足
1994年7月:第1回バーリトゥードジャパンオープンが開催される(試合は非公式戦 グラウンドでの打撃を有効とするルールを採用)
1996年5月:修斗コミッションが発足(コミッショナー:浦田昇)
1996年7月:佐山聡の退陣が決議される(バーリトゥードジャパンオープンでの結果を受けてルール改正を急いだことが一因とされる/出典:参考文献の項を参照)
2001年11月:初の女子によるプロ公式戦が行われる
2002年:日本修斗協会主催「新人王決定トーナメント」が始まる。
2003年1月:インターナショナル修斗コミッションが発足(世界規模の普及を受け修斗コミッションが正式に世界統括組織として改称)
2005年:環太平洋、アメリカ大陸、ヨーロッパの3地区で地区王座認定試合が始まる
[編集] 関連項目
- 修斗世界王座変遷
- 修斗環太平洋王座変遷
- 修斗ヨーロッパ王座変遷
- 修斗アメリカ大陸王座変遷
- 修斗歴代新人王
- インターナショナル修斗コミッション
- 日本修斗協会
- USA修斗協会
- 浦田昇
- 河内孝博(リングアナウンサー)
- 総合格闘技
[編集] 外部リンク
[編集] 国内の団体・プロモーター
- SHOOTO GAZETTE(インターナショナル修斗コミッション)
- SHOOTO NEWS(日本修斗協会)
- X-SHOOTO.JP(国内プロモーター)
- G-SHOOTO(女子修斗)
[編集] 海外の団体・プロモーター
- Australian Shooto Commission(オーストラリア修斗コミッション)
- Shooto Americas(USA修斗協会)
- Shooto Belgium(修斗ベルギー)
- Shooto Finland(修斗フィンランド)
- Shooto Hawaii(修斗ハワイ)
- Shooto Holland(オランダ修斗コミッション)
- Shooto Sweden(修斗スウェーデン)
- Shooto Switzerland(修斗スイス)
- Bushido(ブシドー/リトアニア)
- Hook'n'Shoot(フックンシュート/アメリカ)
- Ironheart Crown(アイアンハートクラウン/アメリカ)
- WFF Championships(WFFチャンピオンシップ/カナダ)
[編集] メディア関連
- 「プロフェッショナル修斗」(J SPORTS/CS放送)
- SHOOTO.tv(動画配信サイト/オランダ)
[編集] 参考文献
和良コウイチ、高島学 「若林太郎インタビュー」『ガチ!MAGAZINE Vol.2』 インフォレスト株式会社 2005年
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