信州大学
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信州大学
大学設置 | 1949年:信州大学 |
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設立母体 | 1910年:上田繊維専門学校 1919年:旧制松本高校 1943年:長野工業専門学校 1943年:長野師範学校 1944年:長野青年師範学校 1944年:松本医学専門学校 1945年:長野県立農林専門学校 1948年:松本医科大学(旧制) |
学校種別 | 国立 |
設置者 | 国立大学法人信州大学 |
学長 | 小宮山 淳 |
本部所在地 | 〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1 |
キャンパス | 旭 - 長野県松本市 西長野 - 長野県長野市 若里 - 長野県長野市 伊那南箕輪 - 長野県南箕輪村 常田 - 長野県上田市 |
学部 | 人文学部 経済学部 理学部 医学部 工学部 教育学部 農学部 繊維学部 |
大学院 | 人文科学研究科 教育学研究科 経済・社会政策科学研究科 医学研究科 工学系研究科 農学研究科 岐阜大学大学院連合農学研究科 法曹法務研究科(法科大学院) |
ウェブサイト | 信州大学公式サイト |
信州大学(しんしゅうだいがく、英字表記:Shinshu University)は、長野県にある国立大学。
信州大学は旧制松本高等学校、新八医科大学である旧制松本医科大学(旧松本医学専門学校)、旧制長野工業専門学校(旧長野高等工業学校)、旧制長野師範学校、旧制長野青年師範学校等を統合し、1949年に新制大学となった。国立大学では珍しく、繊維学部があるのは、信州の地がかつて生糸の産地であった土地柄を反映している。
目次 |
[編集] 大学名称について
通称は信大(シンダイ、他に同じ読みの略称をもつ大学が存在するためか、長野県外ではあまり一般的ではなく、愛知県で通じる程度である)。神戸、新潟などの大学も互いに「シンダイ」と呼ばれる。
本部のある「松本」を押さえ、また県名を避けて「信州」という名称を大学の名称としたのは、長野と松本の間にあるいわゆる「南北戦争」を初めとした県内地方同士の対抗意識の強さが影響したとも考えられている。日本の国立大学としては、珍しく現存していない地名(旧国名の美称)を冠する大学でもある(ちなみに”琉球”大学は元々「琉球政府立」であるから実在した)。なお、長野大学の名称は、昭和41年に設立された上田市の私立大学で用いられている(但し、長野大学との名称使用は昭和49年から)。松本大学の名称も、平成14年に新設された松本市の私立大学で用いられている
[編集] 沿革
- 明治6年 長野県師範講習所
- 明治43年 上田蚕糸専門学校
- 大正8年 松本高等学校
- 昭和18年 長野師範学校
- 昭和19年 松本医学専門学校、長野工業専門学校、長野青年師範学校、上田繊維専門学校
- 昭和20年 長野県立農林専門学校
- 昭和23年 松本医科大学
- 昭和24年 松本医科大学、松本高等学校、長野師範学校、長野青年師範学校、松本医学専門学校、長野工業専門学校及び上田繊維専門学校を包括し、長野県立農林専門学校を併合して新制信州大学となる
- 昭和41年 文理学部が改組され、人文学部及び理学部が設置
- 昭和48年 松本市内に旭キャンパスが完成、人文学部などが移転
- 昭和53年 人文学部が改組され、人文学部と経済学部が設置
- 平成13年 山地水環境教育研究センター設置
- 平成14年 医療技術短期大学部が転換され、医学部に保健学科が設置。山岳科学総合研究所設置
- 平成16年 国立大学法人法により、信州大学は、国立大学法人信州大学が設置する国立大学とされた。サテライト・ベンチャー・ビジネスラボラトリー、産学官連携推進本部設置
- 平成17年 法科大学院(法曹法務研究科)カーボン科学研究所 設置
[編集] 学部・大学院・研究施設・附属学校
- 研究施設
- 山地水環境教育研究センター・同木崎湖観測所
- [ヒト環境科学研究支援センター]機器分析分野機器分析部門・同若里分室
- [ヒト環境科学研究支援センター]生命科学分野遺伝子実験部門
- サテライト・ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー
- 山岳科学総合研究所
- アドミッションセンター
- 志賀自然教育研究施設
- 教育・教育実践総合センター
- アルプス圏フィールド科学教育研究センター
- 繊維・農場
- 繊維・高分子工業研究施設
- 医学部附属病院
- 産学官連携推進本部
- カーボン科学研究所
- 附属学校
- 小学校・中学校(長野、松本)、養護(長野)、幼稚園(松本)
[編集] キャンパス
キャンパスは松本市(人文、経済、医、理)・長野市西長野(教育)・長野市若里(工)・上伊那郡南箕輪村(農)・上田市(繊維)に分散しているため、蛸足大学と揶揄されることがある。
統合の動きの中で一般教養は松本市に集約。学部・大学院教育は各キャンパスの地方にあり、統合せずに現在に至っている。信州大学には画像情報ネットワークシステム (SUNS) が設置されており、映像中継を用いた遠隔講義が行われている。が、事実上一般教養と教職課程の授業で主に用いられる程度であり、キャンパス同士の有機的連携はあまり無い。
また、松本キャンパスは、かつて松本歩兵第五十連隊の駐屯地であったことが知られている。このため、キャンパスの内部にはその名残として、赤煉瓦の兵舎が一部ではあるが残っている。この兵舎の保管運動も行われているという。
[編集] 学生寮・学生の主な出身地域
学生寮では、ほぼ全てが自治寮として運営されている(こまくさ寮と思誠女子寮にも自治組織はあるが、実質的には管理寮である)。例えば旧制松本高等学校からの寮である思誠寮には庶務部、生活部、炊事部、文化部の四委員会と、それを統括する総務委員会(総務委員長・副総務・対外総務・会計総務)が組織され、この総務委員会を筆頭に各部がそれぞれの担当を持ち、寮を運営している。また、委員会活動や特に寮予算に関しては半期ごとに方針・総括といった寮生全員での会議が行われ、特に寮予算においては会計監査がチェックしている。こうした高い自治能力を持つ学生寮が全国的に急速に減っている一方で、信州大学にこのような寮が複数残っていることは、比較的珍しく、信州大学の特徴の一つといえる。
学生寮が自治寮として維持できる理由は、寮生自身の自治意識が比較的高いとがまず挙げられる。加え、そもそも長野県では自治・独立の気風があることも理由として考えられる。また、日本の自治学生寮はしばしば特定の政治思想を持った団体との関係を持つことがあるが、信州大学の学生寮は基本的に全て政治的、思想的、宗教的に中立(無関心)であることも考えられる。
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- 思誠寮(松本・人文学部、経済学部、理学部)
- 思誠女子寮(松本・人文学部、経済学部、理学部の女子)
- 芙岳寮(松本・医学部)
- こまくさ寮(松本・1年生)
- あけぼの寮(長野・教育学部)
- 若里寮(長野・工学部)
- 中原寮(伊那・農学部)
- 修己寮(上田・繊維学部)
[編集] 21世紀COE、特色ある大学教育支援プログラム等
- 先進ファイバー工学研究教育拠点(文部科学省・21世紀COEプログラム)
- 環境マインドをもつ人材の養成(文部科学省・特色ある大学教育支援プログラム)
- 信州大発“学び”のビッグバンプロジェクト(文部科学省・現代的教育ニーズ取組支援プログラム)
- 「臨床の知」の実現 蓄積する体験と深化する省察による実践的指導力の育成(文部科学省・大学大学院における教員養成推進プログラム)
- 創業マインドの継承による高度人材育成(文部科学省・派遣型高度人材育成協同プラン)
- 「地域に開かれた学校運営」のもと、「放課後学習チューター活動」及び「社会資源データベースの構築」(文部科学省・新教育システム開発プログラム)
- 自ら学び,学び続ける人材育成の基盤形成―教育の質保証を目指したe-Learning による単位制度実質化―(文部科学省・現代的教育ニーズ取組支援プログラム)