佐賀関
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佐賀関(さがのせき)は大分県大分市の地名。四国の佐田岬とともに、豊後水道の最も狭い部分である豊予海峡を形づくる。リアス式の海岸線が連なる好漁場である。
ここに、日本最大の断層である中央構造線が走る。167mと200mの巨大煙突を持つ日鉱金属佐賀関製錬所の銅製錬業と、関アジ・関サバをはじめとした高品質な水産品の漁業が主要産業。
大分市の東端に位置するが、大分市中心部方面からのアクセスは曲がりくねった見通しの悪い一本道(国道197号)を車かバスで通る以外にほぼ選択肢はなく、交通インフラは脆弱である。そのため近年では旧佐賀関町(後述)の中心部である関地区よりも、JR幸崎駅近辺の神崎地区の方が宅地開発により急速に活性化している。 ※かつては国道197号と並行するように、日本鉱業佐賀関鉄道も運行されていた。
旧佐賀関町は、近代では旧日本鉱業佐賀関精錬所(1916年操業)の企業城下町として栄え、特に高度経済成長期までは大分県内でも屈指の人口密度を誇る地域であった。しかし近年は若者離れによる高齢化・過疎化が著しく、2005年1月1日をもって佐賀関町は大分市に編入された。
その際に「佐賀関」の地名は町の名称のみで大字名になかったため一旦は消滅したが、地域住民の熱意により2006年4月1日から関地区の大字名が「関」から「佐賀関」へ変更となり、地名が復活した。
また、第二国土軸計画では対岸の愛媛・佐田岬と橋もしくはトンネルで繋がる予定であったが、建設のめどは立っていない。現在は国道九四フェリーが運航中。