人生劇場
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『人生劇場』は、愛知県吉良町出身の作家尾崎士郎の自伝的大河小説。吉良から上京、早稲田大学に入学した青成瓢吉の青春とその後を描いた長編シリーズ。「青春篇」、「愛慾篇」、「残侠篇」、「風雲篇」、「離愁篇」、「夢幻篇」、「望郷篇」、「蕩子篇」からなる。「残侠篇」は完全な創作で、他はかなり自伝的なものだと言われている。 この作品は、当初都新聞に新聞小説として連載された。当時の挿絵は、中川一政が担当した。「青春編」の刊行直後、古賀政男作曲の歌謡曲「人生劇場」が発表され、これは長く日本人の愛唱歌として知られている。
これを手本としたものに、同じ早稲田大学の後輩五木寛之の自伝的な大河小説『青春の門』がある。
[編集] 映画化作品
「人生劇場」は、14回映画化されている。最も有名なものは、次の2作。
[編集] モデルとの相関関係
登場人物の一人である飛車角は、「ぶったくりの彦」と呼ばれた戦前のやくざ者がモデルとされる。しかし、彼は戦時中に殺されている。彦が自分の恋人を売り飛ばした女衒を殺したのは事実とされるが、小説や映画の勇ましい侠客ぶりとは異なり、戦後になっても、映画監督の石井輝男は安藤昇から「飛車角ってのは本当は悪いやつでね」と教えられたとしている。(飯干晃一『狼どもの仁義』角川文庫 1984年、猪野健治「実録・人生劇場」双葉社を参照。)
その他、南喜一、茂木久平などが登場人物のモデルとして著名。