リーグ (単位)
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リーグ(league)は、ヤード・ポンド法における長さの単位である。
元々は、人や馬が1時間に歩くことができる距離として定義されていた。
現在のリーグは、イギリスで19世紀ごろ定められた1リーグ=3マイル(海上では1リーグ=3海里(ノーティカルマイル))が一般的であるが、それ以外にも各種のリーグの定義がある。
古代ローマでは1リーグは3マイルと定義された。これはペルシャ発祥の単位で、ギリシャを経由してローマに伝わった。
スペイン語ではリーガ(Legua)と言い、5000ヴァラ(約 2.6マイル、約 4.2 km)と定義されている。公式には、1568年にフェリペ2世によって廃止されているが、ラテンアメリカの一部の国では現在で非公式の単位として使用されている。ただし、国によって定義は変化している。アルゼンチンでは5 kmである。ブラジルでは6 kmとされていたが、現在では使用されていない。
メキシコでは、初期の定義であった「1時間で歩くことのできる距離」としてリーグが使われている。よって1リーグの長さは路面の状態などによって変わることになる。
フランス語ではリュー(lieue)と言い、いくつかの変種があるが4 km程度である。海上では3海里と定義されていた。1795年のメートル法施行により公式には廃止されたが、その後も長い間、民間では広く使用された。日本では『海底二万マイル』という題名で広く知られているジュール・ヴェルヌの小説は、原題では"Vingt Mille Lieues Sous Les Mers"(海底二万リュー)であった。英語でも"Twenty Thousand Leagues Under the Sea"(海底二万リーグ)とそのまま訳された。日本では、リューやリーグという単位になじみがないことから当初は『海底六万哩(マイル)』と単位を換算して訳されたが、これと原題とが混同されて『海底二万マイル』という題名が広まった。