ミレニアム囲い
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ミレニアム囲い(みれにあむがこい)とは、将棋の振り飛車戦法に対する居飛車側の囲いの一つ。
2000年頃よりプロの間で意識的に指され始めたことによりミレニアムと呼ばれるが、「かまくら」「カマボコ」「トーチカ」「三浦囲い」などとも呼ばれる。現代のプロで最初にこの陣形を用いたのは米長邦雄であるといわれ(ただし意識して使用したわけではない)、また流行のきっかけを作ったのはネットで活動するアマチュアの愛棋家であったともいわれる。プロ棋戦では三浦弘行が用い始め、振り飛車に対する有力な戦法として定着することとなった。この戦法をプロ間で確立したことで三浦は新手・新戦法を表彰する将棋大賞の升田幸三賞を受賞した(2002年)。
左桂馬の位置に玉将を置き、金将や銀将3枚(又は4枚)で玉を囲う。堅さでは穴熊囲い・串カツ囲いより多少劣るが美濃囲いの類よりは堅い。また穴熊囲いとの決定的な違いとして、玉が相手の角筋からそれているということがある。このことによって、藤井システムなどの穴熊攻略策に見られる角筋を頼った攻撃は難しく、対抗策の一つとなっている。また、玉を端に動かす串カツ囲いと異なり、玉を先手8筋(後手2筋)に置くため、端攻めにもある程度の耐久性をもつ。ただし、中央からの遠さ、という点では穴熊囲い・串カツ囲いには及ばない。