Privacy Policy Cookie Policy Terms and Conditions ミニ四駆 - Wikipedia

ミニ四駆

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ミニ四駆(ミニよんく)は、タミヤが発売している動力付き自動車模型の一種である。

2度のブームにより日本で一番売れた自動車模型のシリーズ。モーターを搭載した四輪駆動の模型で、単3型電池を動力源として走行する。

なお、商標はタミヤが保有(商標登録第2168392号)しており、他社の類似製品では「ミニ四駆」を名乗ることができない。

累計販売台数は2005年8月現在で1億7000万台。

目次

[編集] 構造

スケールは一部を除き1/32に統一されている。これは単三形乾電池2本が入りやすいようにしたサイズである。動力は単三形乾電池2本でFA-130サイズのモーター1個を動かし、ギヤーとシャフトの組み合わせにより動力を前後の車軸に伝達し、4輪を駆動する。

パーツを組み立てて作る。どの製品も組み立てに接着剤は一切不要であり、はめ込み又はビス止めで組み立てることのできるスナップフィットキットになっている。

[編集] 機構

ミニ四駆を構成する各部分について説明する。

[編集] ボディ

ミニ四駆の外装となる部分である。次に説明するシャーシの上に被せる。内部機構を覆う蓋としての役割も持つ。レース用に開発されているミニ四駆は、空力に配慮したデザインのものが多い。

[編集] シャーシ

ミニ四駆の土台となる部分。ここにモーターやギヤーといった各種パーツを組み込む。前側にはバンパーが取り付けられており、バンパーの左右にはローラーを止める穴がある。中央には電池を入れる空間がある。モーターを置く位置はシャーシによって前方に置くものと後方に置くもの、中央におくものがある。


[編集] ミニ四駆の各種シリーズ

[編集] オンロードタイプ

レーサーミニ四駆シリーズ
オンロードタイプのミニ四駆の先駆けとなったシリーズ。第一次ミニ四駆ブームの牽引役を担った。車種ラインナップは主にRCバギーのスケールダウンモデルが中心だが、「ダッシュ!四駆郎」などのマンガの登場車種も数多く設定されている。また、初期の車種は地上高が高く、スパイクタイヤを搭載したオフロード仕様の車種が主流であった。
スーパーミニ四駆シリーズ
レーサーミニ四駆の後継シリーズ。シャーシは初期状態で既にダウンスラストのついたバンパーや軽量な大径ホイールなどが標準装備された競技仕様の設計となっており、高速化が進むレースシーンで主力シャーシとなった。
車種ラインナップはマンガ「風のレーサー侠」や「ダッシュボーイ天」の登場車種。
世間一般での人気そのものはほぼ同じ時期に発売されていたフルカウルミニ四駆には及ばなかったものの、スピードの伸びやすい大径タイヤと軽量で無駄のないボディが完全標準化されているため、競技志向のレーサーは大径タイヤと軽いボディを求めてこちらを購入することが多かった。
フルカウルミニ四駆シリーズ
スーパーミニ四駆からの派生シリーズ。シャーシはスーパーミニ四駆のものと共通だが、ボディデザインはタイヤを覆う形状となっており、エアロダイナミクスを追求したものとなっている。一部を除きスピードの伸びにくい(ただし車高は低くなり、低重心化が可能になる)小径タイヤが装備されており、また、ボディ形状ゆえにマシンが重くなっているため、スピードという点でスーパーミニ四駆に見劣りする。
車種ラインナップはマンガ「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の登場車種で、同マンガとともに第二次ブームの牽引役となった。
代表車種には「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」における主役機のマグナム/ソニックシリーズ各種が挙げられることが多い。特に3代目のサイクロンマグナム/ハリケーンソニックは発売当初から生産が追いつかない状況が続くほどの大ヒット車種となった。この2車種が発売されたのはちょうど第二次ブームのピークにあたる時期で、これら以外の脇役にあたる車種もよく品薄になっていた。ブーム収縮期にも根強く大半の車種の生産が続けられ、レーサーミニ四駆に匹敵するほどの長寿シリーズとなっている。
エアロミニ四駆シリーズ
フルカウルミニ四駆の後継シリーズ。ボディは従来のフルカウルミニ四駆と同様にエアロダイナミクス重視のデザインとなっている。シャーシは一新され、走行性や剛性、整備性が従来のシャーシと比較して向上した。
車種ラインナップはマンガ「爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX」の登場車種だが、第二次ブーム晩期のモデルゆえ人気はいまひとつだった。
マイティミニ四駆シリーズ
スーパーミニ四駆の後継シリーズ。シャーシはエアロミニ四駆と共通だが、一部を除いて小径タイヤを標準装備するエアロミニ四駆に対してこちらは全車大径タイヤを標準装備し、ボディもシンプルで軽く、スピードを重視した仕様になっている。
車種ラインナップはマンガ「新世紀レーサーミニ四キッズ」や「未来レーサーブイツイン」の登場車種だが、第二次ブーム晩期のモデルゆえ人気はいまひとつだった。
スーパーミニ四駆とフルカウルミニ四駆の関係と同じように、こちらも世間一般ではエアロミニ四駆ほどの人気はないが、大径タイヤとシンプルなボディで競技車両ベースとして非常に重宝されたシリーズであった。
ミニ四駆PROシリーズ
「ミニ四駆を超えるミニ四駆」をテーマに開発されたシリーズ。従来のミニ四駆がシャフトドライブ方式の4WDシステムを採用しているのに対し、このシリーズではダブルシャフトタイプのモーターをミッドシップレイアウトで配置し、ダイレクトドライブ方式とすることでフリクションロスを軽減するとともに、電池とあわせてシャーシ中央部の低い位置に設置することで低重心化を実現した。
シャーシの構造は3分割となっており、カスタマイズ性や整備性は従来のシャーシと比較して大幅に向上しているが、接続部分をボックス構造とすることで従来のシャーシを上回る高い剛性を確保している。また、歴代ミニ四駆で初めての試みとして、手軽に楽しめる完成車を追加、軽量で高強度のポリカーボネート樹脂製ボディを一部車種に設定。(厳密に言うとレーサーミニ四駆の時代からポリカーボネート樹脂製ボディそのものは存在したが、キットで標準化されるのはミニ四駆PROが初めてとなる)
トラッキンミニ四駆シリーズ
オンロードタイプのミニ四駆としては珍しく、ピックアップトラックを模したボディデザインが採用されている。
ボディの取り付けは他のオンロード系ミニ四駆とは異なり、ワイルドミニ四駆と同じ方式を採用している。このため、ワイルドミニ四駆のボディと互換性がある。
不人気だったためか、2車種のみを発売して生産が早々と打ち切られたが、現在では生産期間の短さや生産台数の少なさによる希少性ゆえにプレミアがついているほどである。
干支ミニ四駆シリーズ
1999年以降、その年の干支をテーマにした限定仕様のミニ四駆を毎年リリース。ドライバー人形の装備されている車種は、人形のデザインが干支をモチーフにしたものに変更されている。ベース車種はレーサーミニ四駆がメインだが、2001年は例外的にエアロミニ四駆のバニシングゲイザーがベース車種に起用された。

[編集] オフロードタイプ

ミニ四駆シリーズ/コミカルミニ四駆シリーズ
ミニ四駆の原点ともいうべきシリーズ。初期のモデルはスケールモデル風のリアルなデザインだったが、後にコミカルなデザインにスイッチし、シリーズ名称も「コミカルミニ四駆」になった。シャーシも初期のものと後期のものでは設計が変更され、後期のものにはウォームギアの前後にスプリングを内蔵してモーターロック対策を施すなどの改良を加えた。
ワイルドミニ四駆シリーズ
シンプルで丈夫な設計のシャーシと、非常に大きいサイズのタイヤを採用したビッグフットタイプのシリーズ。スピードは室内やオフロードで走らせるには非常に丁度良いものとなっている。基本的にはビッグフットタイプのRCカーをスケールダウンしたものが中心となっているが、マンガ「ダッシュ!四駆郎」の登場車種も設定されている。

[編集] ディスプレイタイプ

リアルミニ四駆シリーズ
メッキパーツでリアリティを高め、スケールモデルとして楽しむシリーズ。ボディは無加工あるいは若干の加工でオンロードタイプのミニ四駆(トラッキンミニ四駆を除く)のシャーシへ換装することが可能。車種ラインナップはマンガ「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」および「爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX」の登場車種。

[編集] 車種ラインナップ

車種ラインナップはミニ四駆一覧を参照のこと。

[編集] シャーシ

タイプ1シャーシ/タイプ3シャーシ/トラッキンシャーシ
オフロード走行向けに開発されていたため比較的重心が高く、ホイールベースは短い。タイプ1シャーシの初期のものではガイドローラーの取り付け穴がないものもあった。また放熱対策も施されていなかった。
これらの弱点を改善すると同時にタイプ2シャーシの新要素の一部を盛り込んだものがタイプ3シャーシで、ライジングバードから採用された。
トラッキンシャーシはタイプ3シャーシをベースにサイドバンパーを廃し、代わりに大きなリアバンパーを装着。
減速比はグレードアップパーツを含めるとパワー・ミディアム・スピード・ハイスピード、コンペティションの5種類があり、モーターのピニオンギアは2種類、車軸のスパーギアは3種類ある。
タイプ2シャーシ/タイプ4シャーシ
アバンテJr.から採用。フロントのスイッチと金具が大型化、電池ケース部分が低くなり底に穴が開けられた。モーターを横倒しに装着するように改められ、タイプ3とトラッキンを除く以後のシャーシでも踏襲される。
タイプ4シャーシはイグレスJr.から採用されるが、剛性不足による歪みが指摘され、同ブラックスペシャルやセイントドラゴンJr.(リッキー仕様)の3車種のみの採用となっており、主力がゼロシャーシにとって代わられたためか人気はいまひとつだった。
減速比は高速指向に振られ、グレードアップパーツを含めると3種類。
タイプ5シャーシ
ベアホークJr.から採用。タイプ4の後継にあたるシャーシで、タイプ4の問題点であった歪みやすさを改善、非常に剛性が高い構造のためオフロードの走行にも耐えられるといわれている。ホイールベースは比較的長めで直進安定性に優れている。なお、一般販売されていたキットのものは成型色が深緑色だが、限定仕様のキットなどには成型色が黒のものが採用されている。
減速比はタイプ2/タイプ4の3種類に加えてグレードアップパーツの超速ギアが使用可能なため4種類。
ゼロシャーシ/スーパー1シャーシ
ダッシュ0号「ホライゾン」から採用。低重心化と底面のフラット化が推進された。これまで後輪の前に装着されていたサイドガードが廃止され(ただしグレードアップパーツのひとつとして設定)、代わって後部にガイドローラーステーとリアスタビライザーを組み合わせた「リアスキッドローラー」を装着できるようになった。また車軸間の動力の伝達にはクラウンギアの代わりにヘリカルギアが採用された。
スーパー1シャーシはゼロシャーシをベースにさらなる低重心化を図り、スラスト角のついたフロントバンパーを備え、減速比4対1のハイスピードギアを標準装備するなどより実戦志向の改良が加えられた。スーパーミニ四駆のリバティーエンペラーから採用され、後にフルカウルミニ四駆でも多くの車種に採用。
減速比はゼロとスーパー1のいずれもタイプ2/タイプ4と同じ3種類に加えてグレードアップパーツの超速ギアが使用可能なため4種類。
FMシャーシ/スーパーFMシャーシ
タイプ4シャーシをベースにモーターを前置きに改良し、リアスキッドローラーが装着可能となっている。クリムゾングローリーから採用。
後に低重心化、スラスト角のついたフロントバンパー、減速比4対1のギアなどスーパー1シャーシと同様の実戦志向の改良が加えられたスーパーFMシャーシがフルカウルミニ四駆のブロッケンギガントから採用。
減速比はFMがタイプ2/タイプ4/ゼロと同じ3種類、スーパーFMはその3種類に加えてグレードアップパーツの超速ギアが使用可能なため4種類。
スーパーTZシャーシ/スーパーTZ-Xシャーシ
長いホイールベースで直進安定性を高めており、コンセプトはタイプ5シャーシと似通ったものだが、低重心化、スラスト角のついたフロントバンパー、減速比4対1のギアなどスーパー1シャーシと同様の実戦志向の構成となっている。フルカウルミニ四駆のサイクロンマグナムから採用され、第二次ブーム期の主力シャーシとなった。
のちにフロントバンパーのスラスト角を変更して直線でのローラーの抵抗を減らすとともにパーツ取り付け用のビス穴を追加してカスタマイズ性を高めたスーパーTZ-Xシャーシがエアロミニ四駆のバニシングゲイザーから採用。
減速比はスーパーTZとスーパーTZ-Xのいずれもスーパー1/スーパーFM/スーパーX/VSと同じく4種類。
スーパーXシャーシ
歴代シャーシの中でも最もホイールベースとトレッドが長く、安定性を念頭に置いた設計となっている。また、剛性の高いボックス構造のフロントバンパーや2点固定のリアローラーステー、シャーシの裏側からモーターを交換できる構造や開閉式の電池ホルダーなど発表当時としては斬新なアイデアが詰め込まれた。エアロミニ四駆のマックスブレイカーから採用。
減速比はスーパー1/スーパーFM/スーパーTZ/スーパーTZ-X/VSと同じく4種類。
VSシャーシ
短めのホイールベースで軽快な走りをするというコンセプトはスーパー1シャーシに近いが、スーパーXシャーシで採用された様々なアイデアが取り入れられた。エアロミニ四駆のブレイジングマックスから採用された。従来車種のリメイクバージョンなどの多くの車種にも採用され、後のミニ四駆PRO発売まで主力シャーシとなった。
減速比はスーパー1/スーパーFM/スーパーTZ/スーパーTZ-X/スーパーXと同じく4種類。
MSシャーシ
ミニ四駆PRO専用シャーシで、同シリーズのナイトロフォースおよび同時発売のナイトロサンダーから採用。従来のミニ四駆がシャフトドライブ方式の4WDシステムを採用しているのに対し、このシリーズではダブルシャフトタイプのモーターをミッドシップレイアウトで配置し、ダイレクトドライブ方式とすることで駆動効率を高める、電池とあわせてシャーシ中央部の低い位置に設置することで低重心化を実現した。シャーシのは3分割構造となっており、カスタマイズ性や整備性は従来のシャーシと比較して大幅に向上しているが、接続部分をボックス構造とすることで従来のシャーシ以上の高い剛性を確保している。
減速比は実戦で多用されるハイスピードと超速の2種類のみに絞り込まれている。

[編集] 歴史

[編集] 誕生

タミヤ社長の田宮俊作は、目が衰えた事によって「もっと簡単に作れる模型製品を作りたい」と思い、また同社の模型がリアルさを追い求めすぎマニアック化している事もあり「子供でも作りやすいキット」の製品化を思い立った。

そこで「何処でもよく走る四駆の動力模型。小学生でも気軽に買える数百円程度のキット。パーツは極力減らし、尚かつ接着剤不要で手軽に作れるスナップフィットキットにする」というコンセプトのもと開発が始まった。スナップフィットキットにしたのはシンナー遊びの影響で、接着剤に対し悪いイメージが定着していたためである。(ただし、当時の模型用の接着剤全てにそれらの有害物質が入っていたわけではない。)またパーツも何銭レベルで細かく調整され、配線も廃し、代わりに電極部の金具もパーツ化し、直接金具からモーターへ通電するようにした。

[編集] もっと子供に解りやすく…、最初の進化

かくして当時人気のあった車種、フォード・レンジャー4×4とシボレー・ピックアップ4×4を車種に選び、四駆らしいパワフルなギヤ比に設定にしたキットが1982年に発売となった。しかし当時の子供には実車が難解すぎたせいか全く売れなかった。そこで田宮との面識もあった四駆が好きな大塚康生に相談したところ、子どもたちの目線に沿ったマシン作りを提案される。そして同氏監修のもと数台が発売されることとなる。同氏監修のキット以降を「コミカルミニ四駆」として改名している。

しかしながら思うように販売台数が伸びず苦しむことになる。そんな中新しい発想が生まれる。それは当時子どもたちにも人気のあったRCカーのスケールダウンというものであった。そこで誕生した「ワイルドウィリスjr」はRCカー「ワイルドウィリス」をスケールダウンしたものである。これがミニ四駆最初のヒット商品となり、その後ミニ四駆はRCカーの弟分として発展していくのである。

[編集] ハイスピード化、そして「モータースポーツ」に…、二度目の進化

しかし、ハイパワーギア設定のミニ四駆は子供達にとっては「遅い」というイメージがあった。そこでホイールベースやギヤ比をハイスピード設定に変えたり低重心化等をして「レーサーミニ四駆」が売られるようになる。第1弾車種にはやはりオフロードタイプで人気が高かった「ホットショット」が選ばれた。ところが今度は走らせられる場所が無くなってしまう。そこで、スタッフの一人がバケツの壁を走らせる事を思いつき、そこからレーサーミニ四駆用のコースを設計する。このバケツでの遊び方は後に「サイクロンループ」という縦置きの円形コースを何回走れるかという競技にも発展した。さらに全てスナップフィットで組み立てられるためにモーターギアホイールタイヤシャフトなど全て交換可能なため、カスタマイズ用のオプション部品「グレードアップパーツ」も売られるようになった。

しかしそれのためのコースを設計しても今度は簡単にコースアウトしてしまうようになった。これを解決したのは小学生で、バンパー部に小さな穴を開け、その上に洋服ボタンを乗せ釘止めしローラにしていた子供がいた。これをヒントに「ガイドローラー」が発売され、現在売られているオンロードタイプのミニ四駆には標準搭載されている。また別の小学生は待ち針を何本か束ねてバンパーに付け、転倒しにくくした。これも「スタビライザーポール」としてグレードアップパーツとなった。こうしてミニ四駆は子供達がアイディアを出し合って能力を向上させ、またタミヤがその思いに応えブームとなった。

[編集] 第一次ブームの隆盛と終焉、そして復活、第二次ブームと三度目の進化

このころミニ四駆を題材にしたマンガ「ダッシュ!四駆郎」がコロコロコミック(小学館)にて連載されますます人気は上昇、1988年夏からはミニ四駆全国選手権大会「ジャパンカップ」が開催されるようになった。小学館と共同のメディアミックス戦略が人気に拍車をかけることになる。以前タミヤはラジコンカーでの商業戦略において自社主催レースやタミヤ宣伝部社員扮する独自キャラクターを打ち出して製品アピールを行ってきたが、この手法をミニ四駆でも利用。ラジコンカー商業戦略時のキャラクター「タミヤの前ちゃん」「ラジコンマン」「メカニックマン」だけでなく、改造のアドバイスや関連イベント案内を行うミニ四駆専門商業広報キャラクター「ミニ四ファイター(通称:ファイター)」なる存在もデビュー。この「ミニ四ファイター」の活動はコロコロコミック増刊号などにおいて漫画家おちよしひこにより『GO!GO! ミニ四ファイター』の題で漫画化(初代ミニ四ファイター)された。ファイターはブームに乗って前述の「前ちゃん」と組み、CDデビューまで果たした。こうして盛り上がったブームに乗って大会が各地で多数開かれるようになる。更に「ダッシュ!四駆郎」はアニメにもなって社会的認知も高まった。

  • それとほぼ同時に、ブームに乗るかのように他社からミニ四駆の類似品が発売された。主にミニ四駆の類似品を発売していたのはバンダイ青島文化教材社、グンゼ産業(現・GSIクレオス)、京商など。バンダイを中心としたこの3社は現在もミニ四駆の類似品であるバクシードを発売している。
  • 公式レースなどでは一切使用できない超高回転型のモーターが出回ったのもこの頃から。タミヤが発売しているモーターとは比べ物にならない速さが得られるが、過度の発熱によりミニ四駆のフレームが溶けるトラブルも発生した。

ところが1991年ごろに突然ブームが去った。これは当時対象年齢だった世代が高校生以上になり(当時はタミヤ公認のミニ四駆大会には中学生までしか出場することが出来なかった)、またテレビゲームが一般家庭に浸透してきてしまったためだと考えられている。

その後、更なる高速化を目指して「スーパーミニ四駆シリーズ」が発売されるも人気低下に歯止めはかけられなかった。しかし1994年に今までのタイヤがむき出しのフォーミュラータイプとは別の、タイヤを小さくし、それをカウルが覆う形の「フルカウルミニ四駆シリーズ」が発売された。さらにフルカウルミニ四駆を題材にしたマンガ「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」を掲載して再び子供達の注目を集めた。「スーパーミニ四駆シリーズ」と同じシャーシであり、基本性能は変わらないものの、その独特のボディデザインが子どもたちの心をとらえたのである。停滞期にラインナップを強化したグレードアップパーツも味方し、第一次ブーム世代の引退に伴う世代交代で再び人気が再熱した。「爆走兄弟レッツ&ゴー!」も当初は読みきりマンガだったものの、後に連載化、アニメ化、ゲーム化、さらには劇場化までされた。その後、走らせるわけではない魅せるためのディスプレイタイプのミニ四駆「リアルミニ四駆シリーズ」(ボディは走行用のシャーシにも換装可能)や、より高速走行が可能になった「エアロミニ四駆シリーズ」「マイティミニ四駆シリーズ」などの派生シリーズが生まれていった。

  • ちょうどこの頃から各地の模型店や玩具店にてサーキット常設店が増え、店頭主催によるレース(通称「街角レース」)の開催が活発化していた。
  • このブームに合わせて、小学校理科教材にもミニ四駆に似た形状のものが現れた。
  • また、沈静化していた他社からも再びミニ四駆の類似品が発売されたが、マシン性能の上昇からか第一次ブーム期よりも参入メーカーは少なかった。むしろ他社からは主に性能アップを主眼においたパーツ群が発売されていた。特にモーターは多くのメーカーから発売された。しかし性能は高く、一時期はレギュレーション無制限の街角レースが多く開催されていた時期さえもあった。これらの無制限マシンは俗に「フリースタイル」と呼ばれ、「タミヤのミニ四駆」とは違った道を歩むことになった。

[編集] オヤジマシンの氾濫、そして第二次ブームの終焉

前述したように、ミニ四駆は更なる高速化が進んだものの、爆走兄弟レッツ&ゴー!!の連載終了並びにアニメ終了、そして新たな要因によって第二次ブームは終焉を迎えた。それは親の参入であった。

親である特権(特に技術力・財力)をふんだんに駆使し、年齢無制限の街角レースはおろか、親が作ったマシンをレースへの出場資格が与えられているレーサー(特に速いマシンを自分で作るのが難しい小学生低学年層)へ渡して公式レースに出場させ、上位を独占するという状態に陥ってしまった。俗に「オヤジマシン」と呼ばれ、レギュレーション違反のマシンと同等かそれ以上に忌み嫌われた。事実、ブーム収縮期の公式レースで上位に入賞したマシンは大半がオヤジマシンであった。また、この頃から「オヤジマシンでなくとも、速いマシンのセッティングが画一化されて面白みがなくなった」という意見も出始めた。

ジャパンカップも1999年で終了し、2000年にはタミヤ公式レースも殆ど開かれなくなった。この第2次ブーム終了後、レーサー自身の年齢向上という切っても切れない問題と、ミニ四駆以外の玩具などが人気を集めている事などにより、ミニ四駆人気は殆ど無くなってしまった。

第二次ブーム終了後しばらくは派生商品であるダンガンレーサーやラジ四駆に主力を譲り、ミニ四駆の扱いは大幅に絞り込まれることとなった。

しかし、以前と違い、最近人気がある玩具にも組み立て式の物が多く見られ、これもミニ四駆がもたらした効果だと思われる。

[編集] かつてのミニ四駆少年たちとの再会、見えてきた第三次ブーム到来の兆し

2000年以降はダンガンレーサーへの新製品の投入がメインだったため、ミニ四駆の新製品は従来車種のリメイク仕様が中心だった。大きな話題を呼ぶ新商品の登場が皆無であった状態の中、オークションサイトでは昔の生産停止品が高値で取引されていた。特にごく少量のみ生産された車種は数万円単位で取引されることもしばしばだった。これを懸念されてか、2005年から人気のあった旧車種を「メモリアルボックス」として復刻。その中には生産停止されていたグレードアップパーツ(主にボディパーツが中心)も付属されている。

そして、6年ぶりとなる本格的な新製品「ミニ四駆PRO」シリーズを2005年11月に発売。このミニ四駆PROには、新開発のシャーシ「MSシャーシ」が採用された。モーターと電池をシャーシ中央の低い位置に集中配置して前後の重量バランスを最適化するとともに低重心化を図った。今までのプロペラシャフトを使用した駆動方式から一変して、ダブルシャフトタイプのモーターを伝わって前後輪をダイレクトに駆動する、駆動抵抗の少ない構造となっている。また、シャーシを3分割としてカスタマイズの自由度がこれまで以上に高まった上に、従来のシャーシを上回る剛性を実現した。

  • イベント面では、今まで公式レースに参加できなかった高校生以上のレーサーが公式レースに参加できるようにエキスパートクラスを新設、従来の中学生以下のレースはジュニアクラスとした。また、小径タイヤの使用が義務付けられている小径タイヤ限定クラス(年齢無制限)も新設された。また、2006年以降の公式レースは基本的にはミニ四駆PROのみのレースとなるが、イベントによっては従来のマシンも使えるクラシック部門やオープン部門(いずれも年齢無制限)のレースも行われる。
  • プロモーション面では、ミニ四駆情報サイト「ミニ四駆オンライン」の開設のほか、ミニ四駆を題材にしたオンラインゲーム「ミニ四駆オンラインレーサー」を提携企業のケイブと共同開発(サービス開始予定時期は2006年9月時点で未定)。また、同サイトでは同年6月からWebコミック「吉祥寺フェニックス」の配信を開始し、7月からソーシャル・ネットワーキング・サービス「ミニヨンクラブ」もサービス開始、インターネットを通じたプロモーションの強化に乗り出している。
  • 2006年2月1日に、主にミニ四駆を題材にしたビジネスを展開する企業「ミニ四駆ネットワークス株式会社」をケイブとタミヤの共同で設立。メディアミックスなどライツビジネスの展開、ショップの経営やイベントの企画運営に加え、ミニ四駆に関する世界観の創作などを行うと発表。第一弾の企画として、ミニ四駆を題材にしたフリーペーパー「少年アクセル」を全国のイベント会場や模型店にて無料配布。

第二次ブーム収縮後の長い氷河期を経て、エキスパートクラスの新設や旧車種の再販の効果もあり、長い間ミニ四駆から離れていた世代の呼び戻しに成功した。イベント会場の盛り上がりはかつてのブームの時期ほどではないが回数を追うごとに確実に増しており、「第三次ブーム到来の兆しが見えてきた」という意見も多くなってきた。

[編集] ミニ四駆を題材としたマンガ

[編集] 現在連載されているもの

  • 吉祥寺フェニックス(ミニ四駆オンラインにて配信/フリーペーパー 少年アクセルにて連載)
  • ミニ四駆レーサーカケル(小学館 学年誌にて連載)

[編集] 過去に連載されていたもの

  • ダッシュ!四駆郎小学館 コロコロコミックにて連載)
  • 真ダッシュ!四駆郎(模型店で配布されているポスター/チラシにて連載)
  • GO!GO!ミニ四ファイター(小学館 コロコロコミックにて連載)
  • 爆走!ダッシュクラブ(小学館 コロコロコミックにて連載)
  • ミニ四トップ(小学館 学年誌にて連載)
  • 燃えろ!アバンテ兄弟(小学館 コロコロコミックにて連載)
  • 風のレーサー侠(小学館 コロコロコミックにて連載)
  • 風のレーサー侠外伝(模型店で配布されているポスター/チラシにて連載)
  • 爆走兄弟レッツ&ゴー!!(小学館 コロコロコミックにて連載)
  • 爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX(小学館 コロコロコミックにて連載)
  • ミニ四ファイターV(小学館 コロコロコミックにて連載)
  • ダッシュボーイ天(小学館 学年誌にて連載)
  • 新世紀レーサーミニ四キッズ(小学館 学年誌にて連載)
  • ミニ四駆新世紀 BREAK IN(小学館 学年誌にて連載)
  • 未来レーサーブイツイン(小学館 学年誌にて連載)
  • レーサーミニ四駆世界グランプリ(講談社 コミックボンボンにて連載)

[編集] ミニ四駆関連の人物

  • 前田靖幸(通称「前ちゃん」。タミヤ退社以後はスクウェア・エニックス勤務を経て現在楽天系の企業に勤務)
  • ミニ四ファイター(イベントのパーソナリティ兼プロモーション担当。1995年のジャパンカップまで初代、同年のオータムカップより2代目へ交代。どちらも現役のタミヤ社員。)
  • メカニックマン
  • ミニ四ドクター
  • 土屋博嗣(通称「土屋博士」。ミニ四駆の開発担当者。「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」、「ダッシュボーイ天」の作中にも登場)
  • MCガッツ(イベントのパーソナリティ兼プロモーション担当。当初は「ダンガンガッツ」としてダンガンレーサーのプロモーションを担当していたが、2006年6月より改名してタミヤ製品全般のプロモーションを担当)
  • 単三電池(関川理沙、長岡美和、桜庭なおの3人からなるミニ四駆のプロモーションユニット)
  • 徳田ザウルス(「ダッシュ!四駆郎」、「風のレーサー侠」、「ダッシュボーイ天」の作者。故人)
  • こしたてつひろ(「燃えろ!アバンテ兄弟」、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」の作者)

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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